Netflixギレルモ・デル・トロの驚異の部屋」 前半に引き続き、後半第5話~8話のあらすじと感想を。後半はより有名な役者さんの登場で盛り上がったところにラストの第8話で泣かされます(/_;)。不気味な絵、魔女の館、ピーター・ウェラー、感動のババドックまでどうぞご覧ください(‘ω’)ノ (ネタバレはなし)

■ ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋
– Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities – ■

Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities

2022年/アメリカ/全8話
製作総指揮:ギレルモ・デル・トロ他

■解説:
奇妙な悪夢から紡ぎ出される、8つの恐ろしい物語。背筋も凍るような恐怖を美しいビジュアルで描く、ギレルモ・デル・トロのホラーコレクション。

Netflix

 

驚異の部屋とは

15世紀から18世紀にかけてヨーロッパで作られていた、様々な珍品を集めた博物陳列室である。ドイツ語のWunderkammer(ヴンダーカンマー、ブンダーカマー)の訳語「不思議の部屋」とも呼ばれる。その他の呼び名にはKunstkammer(クンストカンマー)、Cabinet of curiosities(キャビネット・オブ・キュリオシティーズ)がある。

Wikipedia :驚異の部屋

第1話~4話の感想はここ

全8話のタイトルは以下の通り。ここからもあらすじと感想に飛べます(‘ω’)ノ

  1. ロット36 -Lot 36
  2. 墓場のネズミ -Graveyard Rats
  3. 解剖 -The Autopsy
  4. 外見 -The Outside
  5. ピックマンのモデル -Pickman’s Model
  6. 魔女の家での夢 -Dreams in the Witch House
  7. 観覧 -The Viewing
  8. ざわめき -The Murmuring
Contents

5.ピックマンのモデル -Pickman’s Model

Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities

監督:キース・トーマス
原作:H.P.ラヴクラフト
出演:ベン・バーンズ、クリスピン・グローヴァー

あらすじ

1909年、マサチューセッツ。将来有望な美大のエース、若きウィリアム・サーバーは美や明を描く自分とは全く逆の恐怖を描くリチャード・ピックマンから目が離せなくなる。魔女として火あぶりになった先祖を持つという彼の描く絵は人を惹きつけるものがあるものの美術としては認められなかった。
卒業後、画家ではなく美術商として成功したウィルは久しぶりにピックマンの名を聞くことになるが ─

感想

魔女裁判後、火あぶりにされたという曾祖母の曾祖母を持つピックマン。冤罪で死刑になった気の毒な話かと思っていたら、とんでもない(-“-)。人肉を皆で食べてパーティをしていたというから、どうやら本物らしい。が、これもピックマンの語るお話があるだけで、真実かどうかはあやしいところ。

Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities

本当のご先祖かどうかは別として、ピックマンが何か悪い者に憑りつかれていたのは間違いない。それに突き動かされるように次々に「恐怖が宿る場所“腐敗”」をテーマに絵を描き続ける彼。それらの恐ろしい絵は、だがしかし!人を惹きつけるものがある。それは何故か?それは人の心の奥底に渦巻く“闇”を描いているからに他ならない。

日頃は目に触れないモノでありながら、何かの拍子に表に這いずり出てこようとするソレ。普通ならダメなもの、悪いものとして人は隠し、押し込め、封じ込め、気が付かないふりをしている。けれど堂々と表に現して自由自在にその“闇”を使っている者につい羨望の眼差しを向けることがある。そして人が生きていくうえで時に、その“闇”が自分にも必要になる時が ─

明るい日差しの下で“美”のみを対象に生きてきたウィルがピックマンに惹きつけられたのもそういった理由からだ。そして好むと好まざるとに関わらず、その“闇”をピックマンから引き継ぐことになってしまったウィル。そうとう困っていたようだが、この後、彼の考え方がどう変わるかは今のところ分からない。

6.魔女の家での夢 -Dreams in the Witch House

Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities

監督:キャサリン・ハードウィック
原作:H.P.ラヴクラフト
出演:ルパート・グリント、イスマエル・クルス・コルドバ

あらすじ

幼い頃、双子の妹が病気で亡くなり暗い森に引きずって行かれたと信じて疑わないウォルトは、いつか必ず妹をこちらの世界に連れもどそうとオカルト研究員として生きていた。そんなある日、異次元の森の話をしている男たちと出会い、怪しい場所で怪しい液体を摂取、妹のいる異次元の森で目覚めるが ─

感想

時は1930年代。オカルトブームで怪しい降霊会が行われていた時代。そんな頃に「死んだ妹が暗い森に引っ張って行かれた」とか言っても誰も信じちゃくれない。そもそも交霊会での出来事(亡くなった息子が霊能者に降りてきて会話する、とか)を心底信じている人なんてほとんど居なかったのではないか。これはあくまでも亡くした家族や恋人との思い出から一歩前進してこれからの人生を生きていくためのイベントであり、それを見ている人々にとってはただの観劇だ。ある意味、告別式と同じもの。
だからウォルトの所属するスピリチュアリスト協会の後援者がいなくなっていくのも仕方ない。

Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities

こんな前半から、かつて魔女として火あぶりにされた薬草療法士キザイア・メイスンが登場する頃には、降霊会どころではなくなってくる。怪しい飲み物を飲んだことによる妄想か幻覚かと疑う余地もないほどに、火あぶりにされて魔女になってしまった魔女と人面ネズミが堂々とウォルトに接触してくる。それには理由がちゃんとあるのだが ─

ところで、大きな木の枝やツルに巻き付かれたようなこの魔女の館を見た時に、なんか既視感があるような…?と考えながら観ていたんだけど、憎らしい人面ネズミが登場してはっきり思い出しました!前にも映像化されていたこれ

前後の物語は全く違うんだけどね、人間界に戻って人をいたぶりたいという欲望に突き動かされている魔女と人面ネズミは同じ。
それともう一つ。ある言葉に引っ掛かった。それは“リンボ”。前に聞いた時は“こどもリンボ”だったかな~。

リンボとは

カトリック教会において「原罪のうちに(すなわち洗礼の恵みを受けないまま)死んだが、永遠の地獄に定められてはいない人間が、死後に行き着く」と伝統的に考えられてきた場所のこと。いわゆる「地獄」や「煉獄」と混同されることもあるがこれらとは異なるもの。

Wikipedia:辺獄(リンボ)

リンボとは要するに地獄に行くほどでもないけれど、天国行きとも決まっていない人々を閉じ込めておく場所。ウォルトの妹は死にゆく時にあまりに怖がったためにリンボに連れ去られた。キザイア魔女は何故リンボなのかというと生きていた頃は魔女ではなく人々を助ける薬草療法士だったから。それなのに魔女裁判にかけられ、とりあえずリンボに閉じ込めたら恨みが募って本当の魔女になっちゃったという感じでしょうか。

最後に一言。内容には全く関係ないんだけど「魔女の家での夢」っていう邦題は、もうちょっと何とかならなかったんでしょうか…?

7.観覧 -The Viewing

Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities

監督:パノス・コスマトス
出演:ピーター・ウェラー、スティーヴ・エイジー、ソフィア・ブテラ

あらすじ

知る人ぞ知る大富豪ラシターが開く「観覧」と呼ばれるパーティに呼ばれた各種専門家の4名。豪邸の豪華な部屋でお酒を飲みながらの歓談が始まった。時が過ぎ皆がくつろぎ始めた頃、ラシターがあるモノを見てぜひ意見が欲しいと4人に打ち明ける ─

感想

これね、最初というより全体の4/5はつまらないです、はっきり言って。ここにきてゴシックでもオカルトでもなく雰囲気が変わったものが始まったな~って。ところが、え~?本当に第7話~?と思い始めた頃にガツンとやられる。

それまでは4人の紹介(作家、音楽家、超能力者、天体物理学者)や、“京都の蒸留所で作られた最高の酒”(サントリー響かな…?)が出てきたりしつつ、あやふやでぼんやりした、陽炎が漂うような、ぼやけたオレンジ色のサウナの中みたいな映像と、琥珀に沈んだ部屋でいつまでも続く取り留めのない会話があるのみ。

Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities

部屋のデザインはただただ広いだけで近代的なのか、レトロなのか。それでも1979年という設定を考えると当時の近代的な資産家のラウンジといったところかな。けれどとにかく落ち着かない。これが延々と続く。

が!
別室に置かれている「ある物体」を観覧するために移動した時から、それまでのぼやけた映像はガラッと変わる。その物体を一目見た時から4人の専門家も何かオチを付けたくて目がギラギラしだしたけれど、見ているこっちもここにきてようやくこれがデル・トロ・ホラーであることを思い出す。もういつ何が起きてもおかしくない!その時を今か今かと待っている!

そしてとうとう、その時が来た。決して第7話が自分を裏切らなかったことに否応なく気が付いた。加えてものすごく嬉しくなった。どうしてピーター・ウェラーが出演しているのかここにきて私は完璧に理解したからだ。
最後まで観たあなたもきっと理解したことだろう。
え?わからない?じゃあこれらを参考にして

8.ざわめき -The Murmuring

Guillermo del Toro’s Cabinet of Curiosities

監督:ジェニファー・ケント
原作:ギレルモ・デル・トロ
出演:エシー・デイヴィス、アンドリュー・リンカーン

あらすじ

1951年。鳥類学者のナンシーとエドガー夫婦は調査のために人里離れたビッグ・ハーバー島を訪れる。長く空き家で荒れてはいるものの豪華な屋敷を用意され喜んだ2人だったが、その家で不気味な声や足音がするようになり、ナンシーの精神は不安定になっていく ─

感想

ナンシーは『ババドック 暗闇の魔物』のエシー・デイヴィス、エドガーは「ウォーキング・デッド」のリックが演じていて、第8話に限らずだけどとても安心して楽しむことが出来、一番のお気に入りとなった第8話。

というのも古い館の因縁話と幽霊話に夫婦の悲しみの過去みたいな割とありきたりな物語を、出ずっぱりのこの2人の役者さん、特に『ババドック』のエシーさんがほとんど表情だけで感情豊かに表現してくれて、ラストは感動の嵐(自分だけかも(-.-))まで呼び起こしてくれた。
本作はオカルトホラーというよりも夫婦の絆の物語。それもなんだろう、よくある「家族が~」とかいうのではなくて、人と人との繋がり、信頼、本当の意味で相手を理解し愛していくこと、なんかを物語っている。

いやぁ、ホラードラマを観て感動する(そして泣く)なんて、あまりないなぁ。これがラストとはほんとにデル・トロさんにやられました。次シーズンが楽しみ。きっとあるよねー(‘ω’)


最後に

以上、第8話までの感想でした。
一部変わった作品もあったけど、オカルトゴシックな世界観が良かったですねー。こういったホラーアンソロジー的な作品は大好きで、古くは「クリープショー」「マスターズ・オブ・ホラー」とか最近では「アメリカン・ホラー・ストーリーズ」。これに本作「驚異の部屋」も加わって、これからも楽しみ。ぜひシーズン2を作ってくださいねっ(‘ω’)ノ

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