マスターズ・オブ・ホラー#1 「ムーンフェイス」

13人のホラー映画の巨匠が“最恐の称号”を賭けて競作した「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズ。WOWOWで放送が始まった時にはワクワクしてテレビの前に座っていたことを思い出す..。前回観た時から適度に時間がたって、うまい具合に記憶があやふやになっているので、もういっぺん観てみることにしようっと。第一話は「ムーンフェイス

Incident on and Off a Mountain Road
■ムーンフェイス - Incident on and Off a Mountain Road -■
2005年・TV/アメリカ/58分

監督:ドン・コスカレリ
脚本:ドン・コスカレリ、スティーヴン・ロマーノ
原作:ジョー・R・ランズデール
製作総指揮:キース・アディス、モリス・バーガー他
音楽:クリス・ストーン
出演:
ブリー・ターナー(エレン)
ジョン・デサンティス(ムーンフェイス)
イーサン・エンブリー(ブルース)
ヘザー・フィーニー
アンガス・スクリム

あらすじ:
森に住む殺人鬼“ムーンフェイス”に捕まった人妻エレン。夫に教わった戦闘術と殺人術で果敢に立ち向かうが-


120km先まで給油所が無いような山中の真っ暗な道を一人車を走らせるエレン。思い詰め疲れたような様子で運転していた彼女が一瞬前方から目を離したとき、道の真ん中に放り出されていた車が突然目の前に現れぶつかる。田舎道で事故を起こしたエレンは、停まっていた車の持ち主の安否を気遣い車外へ。しかし運転手の姿は無く、代わりに見つけたのは後部座席の大量の血痕。その血の跡は崖下まで続いていた。

Incident on and Off a Mountain Roadこうして安全な車中から、真っ暗な山の中へと身を置いたエレン。しかしそれはすぐに失敗であったことが分かる。運転手の代わりに崖下から飛び出してきたのは、見るもおぞましい2mを超す大男“ムーンフェイス”だった。

“ムーンフェイス”は山中の小屋に人知れず住む殺人鬼。通りすがりの人を捕まえては、目をくりぬき惨殺。その死体をキリストのように十字架にかけてモニュメントを作り小屋の前を飾る。小屋の前はさながら死体の万国博覧会のようになっていた。

しかしエレンはただの人妻ではなかった。軍事オタクの夫が徹底的にサバイバル術、戦闘術、殺人術を彼女にたたきこんでいたのだ。山中に逃げ込んだ彼女は、持てる全ての術を使って果敢にムーンフェイスに挑むが、最後には捕まり小屋へと連れて行かれる。そこには目をくりぬかれた大勢の犠牲者達が、静かに眠っていた-


Incident on and Off a Mountain Road1作目はドン・コスカレリ監督作「ムーンフェイス」。殺人鬼ホラー王道の設定に戦う美女が主役だが、この美女がただの美女ではない。夫に必要以上にしごかれ教えられた殺人術を持っている。この術を使っての殺人鬼との戦いに平行して、この夫とのやり取りが挟まるが、この夫がなぜこれほど妻へ術を教え込むのかがはっきりせず、不気味。夫婦が住むのも山中の小屋で、もしかしてこの世界は第3次世界大戦後か、エイリアンが攻めてきた後か何かの設定なのか?と思ってしまうほど。
夫はさかんに妻に対して「強くなれ。君は強い人のはずだ。見込みがある」と言うが、この夫の見立てはばっちり当たっていて、それは最後の最後に証明される。
人って見かけじゃわからないよ。というお話。

監督は『ファンタズム』のドン・コスカレリ。

 監督 ドン・コスカレリ
アメリカの映画監督、脚本家。リビア生まれで、3歳の時にアメリカに移住。
1979年に監督したホラー映画『ファンタズム』(アヴォリッツァ国際ファンタスティック映画祭審査員特別賞受賞)のヒットで、一躍有名になった。以後シリーズ化して4作目まで製作しており、この作品がライフワークと化している感がある。そのため『ファンタズム』以外の作品もあるにはあるのだが、あまり知られてはいない。

■主な作品
・誰よりも素敵なジム(1976)
・ボーイズ・ボーイズ/ケニーと仲間たち(1976)
ファンタズム(1979)
・ミラクルマスター/7つの大冒険(1982)
・ファンタズムII(1988)
・ファンタズムIII(1994)
・ファンタズムIV(1998)
・プレスリーVSミイラ男(2002)
・ムーンフェイス(2005)

Masters of Horror season1

  1. ムーンフェイス Incident On and Off a Mountain Road (ドン・コスカレリ)
  2. 魔女の棲む館 H. P. Lovecraft’s Dreams in the Witch-House (スチュアート・ゴードン)
  3. ダンス・オブ・ザ・デッド Dance of the Dead (トビー・フーパー)
  4. 愛しのジェニファー Jenifer (ダリオ・アルジェント)
  5. チョコレート Chocolate (ミック・ギャリス)
  6. ゾンビの帰郷 Homecoming (ジョー・ダンテ)
  7. ディア・ウーマン Deer Woman (ジョン・ランディス)
  8. 世界の終り Cigarette Burns (ジョン・カーペンター)
  9. 閉ざされた場所 Fair Haired Child (ウィリアム・マローン)
  10. 虫おんな Sick Girl (ラッキー・マッキー)
  11. ハンティング Pick Me Up (ラリー・コーエン)
  12. ヘッケルの死霊 Haeckel’s Tale (ジョン・マクノートン)
  13. インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~ Imprint (三池 崇史)

 

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