『ムービー43』(2013)　- Movie 43 –

「コメディ」カテゴリが無いからどこに入れようか迷ったけれど、結局「ホラー」に入れた『ムービー43』　下品コメディがちょっと苦手な自分ですが、（ちょい理解出来ない部分を除いて）プッと時々笑えて結構面白かった。あれだけ、下品、最低、お下劣とあおられれば観たくなりますよねー。なんでも果敢に挑戦することは大事だなー。

■ムービー43 – Movie 43 -■　2013年/アメリカ/94分
製作：チャールズ・Ｂ・ウェスラー、ピーター・ファレリー他
製作総指揮：ティム・ウィリアムズ、タッカー・トゥーリー他
　
監督：
スティーヴン・ブリル、ピーター・ファレリー、ウィル・グレアム、スティーヴ・カー、グリフィン・ダン、ジェームズ・ダフィ、ジョナサン・ヴァン・タルケン、エリザベス・バンクス、パトリック・フォーシュベリ、ブレット・ラトナー、ラスティ・カンデッフ、ジェームズ・ガン
出演：
エリザベス・バンクス、クリステン・ベル、ハル・ベリー、レスリー・ビブ、ケイト・ボスワース、ジェラルド・バトラー、ジョシュ・デュアメル、アンナ・ファリス、リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ヒュー・ジャックマン、ジョニー・ノックスヴィル、ジャスティン・ロング、クリストファー・ミンツ＝プラッセ、クロエ・グレース・モレッツ、リーヴ・シュレイバー、ショーン・ウィリアム・スコット、エマ・ストーン、ジェイソン・サダイキス、ユマ・サーマン、ナオミ・ワッツ、ケイト・ウィンスレット、キーラン・カルキン、デニス・クエイド、セス・マクファーレン、グレッグ・キニア

■解説：
「メリーに首ったけ」のピーター・ファレリーが企画し、ハル・ベリー、ヒュー・ジャックマン、ナオミ・ワッツ、ケイト・ウィンスレット、リチャード・ギアはじめ錚々たるハリウッド・スターが出演しながら、全米ではその出来の酷さからほとんど話題になることもなく、ひっそりと公開されて大コケし、世紀の失敗作となってしまったオムニバス・おバカ・コメディ。オープニングを含めた全12編のお下劣エピソードが、驚きの豪華キャストと下品な下ネタ・ギャグ満載で描かれていく。(allcinema)

■あらすじ：
大物プロデューサーのグリフィンのところに無理矢理押しかけた売れない脚本家チャーリー。「絶対に大ヒット間違いなし！」と売り込みをかけた彼の脚本には、とんでもないネタが詰め込まれていた ―

日本での公開時コピーが

「レッツ！ドン引き」
「豪華オールスターを無駄遣い！かつてないエクストリーム3G（スリージー）【下品（ゲヒン）・下劣（ゲレツ）・下衆（ゲス）】映画上陸！」

だって。ひどいなー
ハリウッド大作主演級の役者さんが勢揃いしているのもあって、俄然興味が沸いて速攻借りてみたもののビクビクしながらDVDをセット。レンタルDVDの楽しみは、最初に延々と流れる予告編だったりもする。この映画もここで見つけたのだった。

内容は売れない脚本家チャーリー（デニス・クエイド）が大物プロデューサー（グレッグ・キニア）に、渾身の一作を売り込みに来たところから始まる。アポも取らずに無理矢理押しかけた彼は、全然乗り気で無いプロデューサーにネタを次々と披露する。その小ネタが11本。ご丁寧に画期的な映画内CMまで入れての猛プッシュ。
それらを上記のそうそうたる俳優が演じている。

タイトルは

1.ネック・ボール
ブラインドデートの相手の喉仏部分に奇妙な物体が..
2.自宅学習
息子を自宅学習させている両親の行き過ぎた様子をアットホームに描く
3.プープ・オン・ミー！
プロポーズを決意した男性が彼女から異常なお願いをされる
4.ムラムラ・スーパーマーケット
一度は失った恋を取り戻すまでの奇妙な展開
5.合コン・アベンジャーズ
ゴッサムシティで開催されたカップリング・パーティーでの顛末
6.iBabe
大ヒットした人型音楽プレイヤーには大きな問題が隠されていた
7.初潮騒動
彼氏の家で初潮を迎えてしまった女子中学生は..
8.アダルトこびとづかん～妖精捕獲作戦
友人の誕生日プレゼントに用意されたのは、こびと妖精レプラコーンだった
9.フィーリング・カップル　下衆でドン！
出会い系で知り合った2人はゲーム「真実か、挑戦か」を始めるが
10.ブラック・バスケットボール
1959年。アメリカ史上、初の州タイトル戦に挑む事になった黒人高校生バスケチームの悩みとは
11.Ned ネッド
恋人の飼い猫にジェラシーから嫌がらせを受けたエイミーは反撃するが

詳しくは「ムービー43公式サイト」を見てもらうとして、、上のお話にチャーリーが特別に作ったCMまで映像化。全て「どんな人が考えたの、これ・・・」という内容。

だけども、1本ずつが短いせいか、有名な俳優のおかげなのか、中には面白い物があるせいなのか、最後まで観続けることが出来る。ちょっと勘弁ネタもあるにはあるが、俳優さんの演技がよくてあっという間に終わるからなのかなー（最近、これのホラーバージョン『ABC・オブ・デス』というのも観たが、あっちは本数が26本と多いため、途中で苦痛に感じることも）。

特に面白かったのが2.自宅学習のナオミ・ワッツ。男子高校生を自宅学習させている両親のお話だけど、机の勉強だけでなく体育に学校生活までも再現。その都度、両親が意地悪なクラスメイトやクラスの女子になりきるというリアルさ。
特に面白かったのは息子と階段ですれ違う女子高生ワッツ。ドンっと肩をぶつけて「何よ、ブサイク！」みたいなことを言うのがまるで学園ドラマみたいで、一番笑った。

これが面白かったから、つい続く作品に期待感が　結局、このナオミ・ワッツが一番よかった。

一番かっこよかったのはこの人ジョシュ・デュアメル（11.Ned ネッド）。
彼の飼う愛猫ビーゼルが恋人に嫉妬して、ひどいイタズラを仕掛けていくという話だけども、まぁ彼をこの上は無いほど男前に撮っている。猫も思わず恋してしまうほどに。話は単純で面白く、ビーゼルだけがアニメになっているからこそ、出来る内容。

アイデアが良かったのは6.iBabeかなー。思いっきりアレをモチーフにしているけれど、出来上がったソレは全くモバイルに適さない仕様。その上、恐ろしい欠陥が隠されていた。この商品「iBabe」のCMも途中で挿入。雰囲気はアノ商品そのものだけど、真ん中に立っているこの商品が真っ裸でビックリ。
CMは他にもあって、一番驚いたのがジョーズかな。すごく好きかも。2回見ることが出来て嬉しかった。

という感じでなんだかんだと、この映画の魅力にはまっていたみたい。
ほとんどのスタジオで製作を断られたり、出演俳優を決めるのに時間がかかったりで完成するまでに10年もかかったというこの大作。食わず嫌いは損ですよー。ぜひ観てあげましょう。