A~Zの26話オムニバス・ホラー第2弾。2012年の第1弾に比べて荒削りなものは少なく、お下品系もほとんど無く、より洗練された感じ(少し無難とも言える)。ほとんどは観やすく分かりやすい。が、グロ的センスはかなり高まっているので苦手な方はご注意。
■ ABC・オブ・デス2 - The ABC’s of Death2 – ■
2014年/アメリカ/125分
製作:アント・ティンプソン
ティム・リーグ
2014年/アメリカ/125分
製作:アント・ティンプソン
ティム・リーグ
■解説:
人気ホラー・オムニバス「ABC・オブ・デス」の続編。「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリや「屋敷女」アレクサンドル・バスティロ&ジュリアン・モーリー、「へんげ」大畑創など、世界各国の新進気鋭の監督26名が勢揃いしたホラー・オムニバス。26名の監督による26通りの“死に方”とは……。アルファベットの文字を割り当てられた各監督が、それぞれのアプローチで“死”というテーマに挑戦。
(Movie Walker)
さてさて、待ちに待ったABCオムニバス第2弾。前回は最後に日本のお下品系にやられて辛い思いをしましたが、そんなことではめげないmomorexさん。今回も期待を持って観てみました!今回も冒頭に26話の一つかとも思えるようなホラー秘宝のコマーシャルが入っていて、気分を盛り上げてくれます!いいですよねー、この一連のCM。
では早速26話一気にあらすじと一言コメントを。もしかしたらネタバレがあるかも・・・
Amateur アマチュア(エバン・カッツ監督『ポゼッション』)
一人の殺し屋が標的の家に忍び込むが、彼はまだ殺しを始めたばかりの初心者で・・・ プロの殺し屋のお話は多々あるけれど、アマチュアでなおかつコメディでは無いものは初めて観たかも。爽快なエンディングまで一気に持っていく。
Badger アナグマ(ジュリアン・バラット監督『ラッキー・ブレイク』出演)
原発の影響で全滅したアナグマを取材していたテレビクルーに襲いかかったものとは・・・ 最近観た『ゾンビーバー』を思い出しちゃったー
Capital Punishment 死刑(ジュリアン・ギルビー監督『クライムダウン』)
村の少女を殺したとされる男を裁き刑を下す者とは・・・ 緊迫感はあるんだけれど、どこかで観た感じのオチの分かるありふれたお話だった。
Deloused 駆除(ロバート・モーガン監督)
謎のゾンビ集団に殺された男は“虫”の力で復活し復讐するが・・・ 気持ちの悪いクレイアニメで非常にグロく見応えがある。粘土でよくここまで、グチョグチョ、ネットリとした質感を表現しながら気分の悪いモノを作り出したと驚き、感動した。
謎のゾンビ集団に殺された男は“虫”の力で復活し復讐するが・・・ 気持ちの悪いクレイアニメで非常にグロく見応えがある。粘土でよくここまで、グチョグチョ、ネットリとした質感を表現しながら気分の悪いモノを作り出したと驚き、感動した。
Equilibrium 平衡(アレハンドロ・ブルゲス監督『ゾンビ革命 ファン・オブ・ザ・デッド』)
無人島で暮らしていた2人の男の元へ新たに1人の女が漂着し、2人のバランスが崩れていく・・・ これも最後のオチが分かってしまったかなー。こうじゃないと、あまりに普通だものねー。
Falling 落下(アハロン・ケシャレス&ナヴォット・パプシャド監督『オオカミは嘘をつく』)
イスラエルの女戦士が落下傘で敵国に潜入するが、木に引っ掛かってしまい・・・ 死ぬ運命は変えられない。
Grandad 祖父(ジム・ホスキング監督)
無礼で態度のでかい居候の孫にとうとうキレた祖父は・・・ ちょっとお下品系。どうもこっちは苦手だワ。でも言いたいことはわかる。利用するだけ利用する子、孫への老人の復讐だ。
Head Game 駆け引き(ビル・プリンプトン監督『東京オンリーピック』)
口づけする男女のちょっとした諍いがエラいことに発展して・・・ 人が2人寄れば諍いが起こるっていうからね
Invincible 無敵(エリック・マッティ監督(『牢獄処刑人』)
殺しても殺しても死なない老母を前に遺産を狙う子供たちは・・・・ 遺産を狙って母を殺す兄弟たちと、妖怪と化し、決して死なない母親。もうどっちも悪魔憑きであることは間違いない。
Jesus(デニソン・ラマーリョ監督)
ゲイの息子を許せない父は、悪魔憑きとして息子をエクソシストに託すが・・・・ これは最後まで観て2人の愛に感動した。あちら側が悪魔に見える表現も頷ける。
Knell 凶兆(クリスティーナ・ブオジーテ&ブルーノ・サンペル監督(『ナイトメアは欲情する』)
ある夜、向かいのマンションの上に浮かぶ奇妙で大きな液体状の球体を目撃した少女は・・・・ ここれはなかなか良く出来たオカルト系ホラーで、5分とは思えないほど充実した内容。
Legacy 遺物(ランスロット・オドゥワ・イマスエン監督)
あるアフリカ部族の王族にかけられた呪いにより生まれたモノとは・・・・ 話はあんまり面白くはなかったけれど、突然登場したモンスターがとてもオーソドックスで楽しめた。
Masticate かみつき魔(ロバート・ブーチェック監督/一般公募作品)
通行人を次々となぎ倒していく街を暴走する裸の男・・・・ あれ(『ゾンビランド』)に似ているなーって思ってたら、ほとんどそうだった。でもゾンビじゃない?
通行人を次々となぎ倒していく街を暴走する裸の男・・・・ あれ(『ゾンビランド』)に似ているなーって思ってたら、ほとんどそうだった。でもゾンビじゃない?
Nexus 連鎖(ラリー・フェッセンデン監督)
ハロウィンに起きる悲劇的な連鎖・・・・ 登場人物はそれぞれ個性があって楽しいんだけど、肝心の連鎖の予測ができちゃって最後のタイトルを見て、フムと。バラバラに起きる事が最後に集約される醍醐味を味わう設定は5分じゃ難しいのかも
Ochlocrasy(Mob Rule) 愚民政治(大畑創監督(『へんげ』)
ゾンビ化の特効薬が開発されたために、今まで生きるためにゾンビを殺してきたある女性が裁判にかけられ・・・・ これは今までに無い設定で楽しめた。これは可哀想だなーって思ったけど、被告人以外みな元ゾンビだから仕方が無いか・・(-ω-)
P-p-p-p Scary! ピ ピ PS怖い!(トッド・ロハール監督『ハンナだけど、生きていく! 』)
3人の恐がり脱走犯が出会った男とは・・・・ なんだろう、この脱力感は・・・!でも決して嫌いじゃない!嫌いじゃない!やたら高い鼻も、リーランド・パーマー(「ツイン・ピークス」)似のおじさんも!
Questionnaire アンケート(ロドニー・アッシャー監督(『ROOM237』)
街角で知能テストを調べてくれるアンケートに答えた男が連れて行かれた先には・・・・ ぃゃもう、最初から最後までいかにも怪しいアンケートなんだけど、最後の最後にああなるとはねー、誰も想像できなかったに違いない・・・(-.-)
Roulette ルーレット(マーヴィン・クレン監督(『パラサイト・クリーチャーズ』)
地下室でロシアン・ルーレットを行う3人の男女。誰が弾を引き当てるのか・・・・ 絶対誰もがこの作品の主題はロシアン・ルーレットだと思うはず。まさかこんな感動的でホラーなラストを迎えるとは・・・!やられたなー、面白かった。
Split 破局(ファン・マルティネス・モレノ監督(『人狼村 史上最悪の田舎』)
出張先からかけた妻への電話。だが電話口の向こうから妻に襲いかかる侵入者の物音が・・・・ これ絶対“浮気”でしょ(-ω-)って見てたら違ってて緊迫した状態に。続けてドキドキして見てるとまた違った展開に。ク○、またやられたー
Tprture Porno 残虐ポルノ(ジェン・ソスカ&シルヴィア・ソスカ監督『アメリカン・ドクター・X』)
ポルノ映画のオーディションで女優を散々いたぶっていた製作者たちの末路・・・・ これは世界中で嫌がらせ、パワハラを受けている女優たちの怨念の賜であり、自業自得の物語である。
Utopia ユートピア(ヴィンチェンゾ・ナタリ監督『CUBE』)
容姿端麗な者しか生きることが許されない近未来・・・・ これもちょっと何かで見た気がする。こんな世界にも関わらず、まだ容姿端麗じゃ無い人がいることに少し違和感が…
Vacation バカンス(ジェローム・セイブル監督『絶叫のオペラ座へようこそ』)
バカンス先で羽目を外しすぎた若者の末路・・・・ オーソドックスでありながら、社会的な問題も少し挟み込まれているスプラッターホラー。
Wish 願い(スティーヴン・コスタンスキ監督『マンボーグ』)
憧れのヒーロー・ファンタジーの世界に迷い込んでしまった2人の少年の末路・・・・ これ、なかなか面白かったんですけど(・∀・) 子どもが出ているというのに情け容赦なくグロっているし、ラストのお仕着せヒーローじいさんも良し。いったいどこへ連れて行かれたんだろーね…
憧れのヒーロー・ファンタジーの世界に迷い込んでしまった2人の少年の末路・・・・ これ、なかなか面白かったんですけど(・∀・) 子どもが出ているというのに情け容赦なくグロっているし、ラストのお仕着せヒーローじいさんも良し。いったいどこへ連れて行かれたんだろーね…
Xylophone 木琴(ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督(『屋敷女』)
可愛い少女の子守をしていた女は、彼女の出す雑音に絶えられなくなり・・・・ 前半の木琴部分のイライラ感をかきたてる所は申し分無く不快。けれど後半からラストにかけては、あまり目新しいものも無くちと残念な仕上がりに。辛口なのは『屋敷女』の監督さん故ですゆえ…
Youth 若さ(梅沢壮一監督『暗殺教室』特殊メイク)
碌でもない両親への怒りが今、爆発する!・・・・ 幼少の頃から高校生の今まで貯まりに貯まった怒りは、もうしごく当然のことばかりで、女子高生に同情し応援してしまう。下品さもギリギリのところで抑えられて女子高生の品性を保つことが出来たと思う。ヨカッタ…
Zygote 受精卵(クリス・ナッシュ監督)
夫の留守中に産気づくものの、特殊な植物の根を食べて出産を抑えていた妻は・・・・ 京極夏彦氏の小説にもちょっと似たのがあった気がするけど、一体何が産まれてくるのか?と、こういう系はなんかコワイ。なのにまさかのあのラスト。一体どうなるのやら。もしかして一度じゃない・・!?
以上26編。全体的に前回より大人しめ。反対に言えば安心して観られるとも。けれども血液ドバーッなスプラッター要素はたっぷりですので、お気をつけを。
このブログの第1弾感想はこちら ABC・オブ・デス
3はあるかなー、あるだろうーなー、きっと・・・