「快楽の源となる苦痛、拘束と恐怖の下での道徳性」
セノバイトとも呼ばれる魔道士たちに試されるのは、あなた自身
■ ヘル・レイザー - Hellraiser -■
1987年/イギリス/94分
監督:クライヴ・バーカー
脚本:クライヴ・バーカー
特殊メーク:ボブ・キーン(『エイリアン2』)
音楽:クリストファー・ヤング
撮影:ロビン・ヴィジョン
製作:クリストファー・フィッグ
出演:
アンドリュー・ロビンソン(ラリー)
クレア・ヒギンス(ジュリア)
アシュレイ・ローレンス(カースティー)
ショーン・チャップマン(フランク)
ダグ・ブラッドレイ(ピンヘッド/魔道士)
グレイス・キルビー(フィメール/魔道士)
ニコラス・ヴィンス(チャタラー/魔道士)
サイモン・バムフォード(バターボール/魔道士)
1987年/イギリス/94分
監督:クライヴ・バーカー
脚本:クライヴ・バーカー
特殊メーク:ボブ・キーン(『エイリアン2』)
音楽:クリストファー・ヤング
撮影:ロビン・ヴィジョン
製作:クリストファー・フィッグ
出演:
アンドリュー・ロビンソン(ラリー)
クレア・ヒギンス(ジュリア)
アシュレイ・ローレンス(カースティー)
ショーン・チャップマン(フランク)
ダグ・ブラッドレイ(ピンヘッド/魔道士)
グレイス・キルビー(フィメール/魔道士)
ニコラス・ヴィンス(チャタラー/魔道士)
サイモン・バムフォード(バターボール/魔道士)
■あらすじ:
フランク・コットンが手に入れたルマルシャンの箱と呼ばれる小箱は、「組み替えることで究極の性的官能を体験できる」という伝説を持つ謎のパズルボックスだった。パズルの組み換えを成し遂げたフランクだが、同時にその肉体を失う。
数年後、フランクの弟であるラリーが妻子を連れて、現在は行方不明となっているフランクの家へ越して来た。ラリーの娘カースティーは、ラリーの新妻であり義母のジュリアが街の男達を家へ連れ込んでいることに気付き、2階の部屋へ侵入。彼女は、いなくなったはずのフランクがジュリアと共謀し、失われた彼の肉体を男達の血肉によって蘇らせようとしていることを知る。パズルボックスの正体を知らぬままにそれを奪って逃げるカースティー。何気なく触れるうち、偶然にもパズルの組み替えに成功した彼女の前に、異世界が姿を現す。Wikiより
Contents
ホラー界のカリスマ魔道士‘ピンヘッド’
初めての映画出演作。
ホラー界には愛すべきキャラクターがたくさんいるが、‘ピンヘッド’はその美とカリスマ性においていまだ他の追随を許していない。人間と議論することは好まず、「それがどうした」と切り捨てる強さを持つ一方で、地獄へ連れて行くべき人間をきちんと冷静に選び取る判断力をもあわせ持つ逸材。魔道士のリーダー。
そんな彼には人間界にもかなりのファンがおりまして、その出で立ちを賞賛するもの、その内面を探るもの、様々に研究されています。本当に面白い研究記事がたくさんあるので是非検索してみてください。
ピンヘッド率いる魔道士たち
フィメール
女性魔道士。
そのクールな外見とは裏腹に容赦なく人間をいたぶる。唯一リーダーピンヘッドの方向性に不満をぶつけることが出来る。
チャタラー
無口ではあるがその不気味な口元の歯を使い、カチャカチャカチャと人間を威嚇。簡単に恐怖のどん底に落とすことが出来る技を持つ。
バターボール
光に弱いのかサングラスを愛用。そのせいで一瞬人間らしくも見えるが、巨体を使った攻撃で相手をぶちのめす力業が得意なので気をつけたい。
彼ら4人の魔道士達が活躍するこの記念すべき第一作。
出てくる人間達は、‘ピンヘッド’に言わせれば赤子の手をひねるように簡単に操ることが出来るそうだ。
そもそも知識のあるなしに関わらず人間達が好きで回したパズルボックスなのだ。
呼ばれたから出て行き自分達の仕事を遂行しただけなのにギャーギャーとまるで被害者面。いい加減にして欲しいとは‘ピンヘッド’の談。
神の使いか地獄の使者か-
魔道士とは!?
魔道士とは本来「魔法使い」と同義だ。Wikiによると
魔法使いのうちでも、とくに賢明で思慮深く、魔法を正義及び善なる事のために使う者を「魔術師」(ウィザード)といい、「賢者」(ワイズマン)と同義であるとする作品もある。また日本語に翻訳した作品によっては訳者独自の訳語をたて、独立して自らの意思で魔法を使う者や導師的立場の者を「魔導師」、王侯などの命令で魔法を使う者や修行中の者を「魔導士」「魔道士」(団精二の訳語)というように表記を使い分けているものもある。
となっている。
これではピンヘッド達とはかけ離れている。
本作でピンヘッドは自らを「セノバイト」(Cenobite)とも呼んでいる。
「セノバイト」とは「修道士」のことだ。修道士とはキリスト教において「修道誓願を立て禁欲的な信仰生活をする人」のこと。いわゆる神の僕であり、これまたピンヘッドとはほど遠い。
が、ここで一つ思い出して欲しい。
映画『ダ・ヴィンチ・コード』の修道士シラス。十字架の前で太股にシリス(棘付きの鎖)を巻き付け、自らの肉体を激しく鞭打つ「肉体的苦行」を行うシーン。
【苦行】とは 広義には自己統一と精神性の開発を目的とする自己修練をさすが、厳密な苦行は肉体を精神的至福に対立する悪とみなし、精神的至福を得るために自発的に身体に苦痛を与える宗教的手段をいう。 出典:世界大百科事典 第2版
日本にもある。断食、冬期の滝行、そして最も過酷な「即身仏」(そくしんぶつ)である。
そして本作のテーマは
「快楽の源となる苦痛、拘束と恐怖の下での道徳性」。
どんどん難しくなっていくのはさておき、ピンヘッド達魔道士が悪魔か、天使か、と言われるのはこのあたりが理由だろうか。彼らが案内するのは単なる地獄でなく痛みによる「究極の快楽」の世界と拘束された中での「道徳」の世界。それを「地獄」と感じるか「至福」と感じるかは本人次第。それにより悪魔にも天使にもなる。
悪魔と天使は同義なのだろうか?
こんなごちゃごちゃ考えずとも充分楽しめるホラー『ヘル・レイザー』。
人間側の登場人物もささっとご紹介。
全編を通して映像はかなり凝っており、スプラッター好きにも充分満足できる仕上がり。
2011年までに計9作が作られ、本作のリメイクも予定されている。
一度はこの究極の世界を体感してみてはいかがでしょうか。
ではまた
究極の快楽 ヘルレイザーの世界
彼らが案内するのは単なる地獄でなく痛みによる「究極の快楽」の世界と拘束された中での「道徳」の世界。それを「地獄」と感じるか「至福」と感じるかは本人次第。それにより悪魔にも天使にもなる。
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『ヘル・レイザー』って何?
いかがお過ごしですか? 今日も寒いですね(大阪)。 寒い中、一緒にもっと凍えてみませんか -
『ヘルレイザー2』(1988) -Hellbound: Hellraiser II-
完璧な続編となる2作目。 精神病院に入院させられているカースティを中心に我らが魔道士達の活躍が今作も描かれている。 -
『ヘルレイザー3』(1992) -Hellraiser III: Hell on Earth-
大都会ニューヨークに現れた魔道士たち。人間の欲望の渦がうごめく街にピンヘッドは何をもたらすのか ■ヘル・レイザーⅢ - Hell on Earth-■1992年/アメリカ/93分監督:… -
『ヘルレイザー4』(1996) - Hellraiser IV: Bloodline –
宇宙ステーションというSFの舞台にゴシックな魔道士達が登場し、なかなかシュールな『ヘルレイザー4』。だが、割と違和感は無い。 博士にとことん愚弄されたピンヘッドと、そのつぶやきのような台詞が一番の見所となっている。笑えます。 -
『ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ』(2000)
20世紀最後の年に公開された「ヘルレイザー」シリーズ第5作。主人公は刑事ジョーで、魔導士たちは彼が破滅へ向かうお手伝いをするに過ぎない。物語はしっかり作られてい… -
本物のリブートを見た『ヘル・レイザー』(2022リブート版)
徹底的に究極の快楽を追い求めた1作目以降、数々のピンヘッド様物語が創られてきたものの、どれもいまいちな出来としか言いようがなかった「ヘルレイザー」界隈。だがこ…
アメリカでは米huluにて2022年10月7日から配信予定。日本での配信は未定だけれど、おそらくDisneyプラス・スターじゃないかって(°▽°)
そしてこんなのも
ドラマ情報は2020年のもの。けれど米HBOってところにとっても期待できる。上の映画版はリブート、このドラマ版は過去作品を継続・拡大させる内容に。どちらにせよ、あのヘルレイザーの世界観(特に1作目)がそのまま蘇ることを願います!(°▽°)!
コメント
コメント一覧 (4件)
まとめteみた.【『ヘル・レイザー』(1987) -Hellraiser- WOWOW放送記念】
2/3にWOWOWで放送された『ヘル・レイザー』3作。3/27(火)にもう一度放送があるので予習と復習を兼ねて記コットンが手に入れたルマルシャンの箱と呼ばれる小箱は、「組み替えることで究極…
まとめteみた.【『ヘル・レイザー』(1987) -Hellraiser- WOWOW放送記念】
2/3にWOWOWで放送された『ヘル・レイザー』3作。3/27(火)にもう一度放送があるので予習と復習を兼ねて記コットンが手に入れたルマルシャンの箱と呼ばれる小箱は、「組み替えることで究極…
しろくろShow様
ようこそいらっしゃいました。コメントをありがとうございます。
ちょうど『ヘル・レイザー2』を書いていたところでした。
ブログはまだ始めたばかりで記事を書くにも時間がかかって更新頻度はあまり高くは無いのですが、よろしければいつでものぞいてください。
好きな映画を観たりして頭の中に沸いたことを忘れないように記録しているだけですが。。
※使っているブログテンプレートはしろくろShowさんと同じ作者様のをお借りしてるんですよ。
はじめまして。「ヘルレイザー」ひじょうに懐かしいです。画面見ながらなんて痛そうな映画だろうと(__;)まんまな感想を持ったことを思い出してしまいました・・・当時原作も読んだのですが映画の方がインパクトあって私は好きでしたね。
それにしてもWOWOWのチョイスは趣味が良いと思います(__;)もう少し月額が安くなれば絶対入るんですけど。。。
※こちらのブログはレイアウトがとてもキレイで見やすいですね。そのうえ内容が自分好みだったので思わず長時間立ち寄ってしまいました。また時々出没させていただこうと思いますので宜しくお願いいたします。