『ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ』(2000)

20世紀最後の年に公開された「ヘルレイザー」シリーズ第5作。主人公は刑事ジョーで、魔導士たちは彼が破滅へ向かうお手伝いをするに過ぎない。物語はしっかり作られているものの神々しいピンヘッドの出番は少ないし、お付きの者も少数な上にキャラクター性も足りずで、ちょっと物足りない(-.-)

Hellraiser-Inferno

■ ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ
  Hellraiser: Inferno – ■
2000年/アメリカ/99分
監督:スコット・デリクソン
脚本:ポール・ハリス・ボードマン他
製作:W.K.ボーダー他
撮影:ネイサン・ホープ
音楽:ウォルター・ワーゾワ

出演:
クレイグ・シェイファー(ジョー・ソーン刑事)
ニコラス・タートゥーロ(トニー・ネノーネン刑事)
ジェームズ・レマー(グレゴリー医師)
ダグ・ブラッドレイ(ピンヘッド)
ニコラス・サドラー(バーニー)
ノエル・エヴァンス(メラニー・ソーン)
リンジー・テイラー(クロエ・ソーン)
マイケル・シェイマス・ワイルズ(パーマージ)
マット・ジョージ(レオン)
サーシャ・バレス(ダフネ)
キャスリン・ジューステン(ジョーの母親)

■解説:
前作『ヘルレイザー4』までは、主人公と魔道士ピンヘッドとの対決がストーリーの軸であったが、本作以後のシリーズ作品は、ピンヘッドを狂言回しとして、主人公の心の闇をめぐるストーリー展開となる。また本作以降スプラッターからサスペンスへと設定が変わっている。ただし第9作目の『ヘルレイザーリベレーション』でスプラッター路線に戻している。

■あらすじ:
刑事のジョーは、ある怪死事件の捜査に呼び出され、相棒のトニーと共に捜査を開始する。 被害者チョウはジョーの高校時代の同級生だった。 ジョーは現場で、奇妙な模様のついた箱と切断された子供の指を発見する。その夜、妻メラニーには仕事と偽り夜の街に出かけ、街娼のダフネとモーテルで一晩を過ごす。 翌朝、出勤したジョーにダフネから電話がかかってくる。 電話の様子から異常を察したジョーがかけつけると、モーテルの浴室でダフネは惨殺されていた。そして浴室には、切断された子供の指が残されていた ─

Wikipedia


何故に今まで4作目までで感想をあげるのを止めていたのか理由を思い出した(-.-)
解説にもある通り、5作目からは人間を主人公とした割と普通の分かりやすいお話に「そんなことだから、こういった罰があたるんだよ」的なピンヘッドの絡みがあるだけ。なんでしょう、4作目(3作目はちょっと除く)までの物語性は二の次の、神々しい音楽と共に壁が割れて後光と共に地獄から使者がやって来る。それが見たこともないようないでたちのピンヘッド率いる魔導士たちで、快楽の果てにある、とても逃れるすべはないという絶望の存在が良かったのだった。

綺麗にまとまっている感じは不要で、あの少し粗削りな80年代風がヘルレイザーの持ち味だったのだ。で、5作目からは書いてなかったんだなー。

とは言え、主人公ジョーのお話はとてもよく出来ている。愛情あふれる両親に育てられ、刑事の仕事は順調、愛する妻と娘もいる、家もあるという彼。なのに毎夜、「仕事があるから」と妻子に嘘をつき娼婦を買いに出かけるジョーは、いったい何を求めているのだろうか?施設に預けっぱなしの重病の父、年老いた母。「今夜もパパはいないの?」と泣く可愛い娘と突き刺すような眼差しの美しい妻。

Hellraiser-Inferno

ドラッグや女で、ただただ一時の快楽に身をゆだねるジョー。一度も会いに行っていない施設の両親を忘れるために、愛してやまないはずの妻と娘の相手をしないことを忘れるために、今夜も自宅に戻りすぐに家を出る。いつまでも終わらない悔恨と忘却の繰り返し。

そんなジョーにこともあろうか、あの「ル・マルシャンの箱」が事件の証拠品として目の前に現れる。

Hellraiser

もうこれは運命としか言いようがなく、今までの被害者同様なぜか触って開けてしまうのだ、導きの元に。
だが今回は開けてもすぐには何も起こらない。が、しかし、ここからジョーはドラッグのせいなのか、疲れているせいなのか、はたまた悪夢なのか分からない奇妙な世界を行き来するように。
とても人とは思えない女2人や、胸から上だけの生き物。時々迷い込む古びた家や子ども部屋。何かが彼に訴えかけてくるものの、うろたえるばかりで混乱するジョー。

同時に並行して起きる連続殺人事件の現場に残される子どもの切り落とされた指は6本を数え、彼はまだ生きているだろう子どもを探すことに執念を燃やす。事件すべてに関わる暗号のような名前「エンジニア」。ジョーはエンジニアを追って事件の解明に奔走するが ─


彼を追えば、彼に追われる

続けて起きる凄惨な殺人、殺人現場の子どもの指、「エンジニア」という全てのラスボスであり辿り着けない男の存在、ジョーに起きる悪夢などなど、事実と虚構が絡み合ってラストに向かっていくお話は、オカルト刑事ものみたいで普通に楽しめる。

けれど決定的に足りない「ヘルレイザー」感。だってタイトルに付いてるもん“ヘルレイザー”って(-“-)
なぜ、今回は「エンジニア」と呼ばせたのか?それに関わる人間も多すぎて、ほんとにただの組織のボスみたいなイメージに。彼ら魔導士は決して人と慣れ合ってはならない。人に隠してもらったり、人に助けてもらったり、ましてや人に変身するなどもってのほか(‘Д’)!

話の筋は面白いものの、まだかまだかと、その登場を心待ちにしたラスト。割れる壁もうなる地響きも無かったけれど、一部の後光と共に現れたピンヘッドのありがたいお話は、いつもの通り説得力があってジョーなどひとたまりもない。

Hellraiser-Inferno

己の肉欲や魂を悟ることはできないか
人間の永遠なる繰り言か
無知を訴え、情けを乞う?
どういうことだ?
他人を傷つけ、己の欲望にふける
お前は肉欲によって魂が蝕まれるのを許した

ゲームというものは最後は王を倒すもの
ジョー お前自身が王だったのだ
残る指は1本
己の悪魔と何度も何度も対峙せよ

このお説教をくらった人間は、もう元には戻れない。永遠なる地獄で自分の犯した罪を何度も何度も繰り返しては、その罰を受け続けることになる。今回も快楽からの痛みつきですかね。

さて、今回のお付きの魔導士たちは3組4人。いいような悪いような判断に困る感じで個性もあまりない。一つポイントを挙げるとすれば、ホラーの双子ってどうしてこんなに怖いの(-_-;)ってことかな。

Contents

このブログの「ヘルレイザー」

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

URLをコピーする
URLをコピーしました!
Contents
閉じる