『 恐怖ノ白魔人』(2014) - Aux yeux des vivants

謎の白い怪人と戦うことになった3少年の物語というよりは、「少年よ。いたずらもほどほどに」という意味合いが大きくて、ちょっとした出来心が大きな代償を払うことになったお話。やっぱり親の言うことはきかないとね

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■ 恐怖ノ白魔人 - Aux yeux des vivants – ■
2014年/フランス/90分
監督・脚本:ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
製作:ファブリス・ランボ 他
撮影: アントワーヌ・サニエ
音楽: ラファエル・ゲスカ
 
出演:
アンヌ・マリヴァン
テオ・フェルナンデーズ
フランシス・ルノー
ザカリー・シャセリオ
ダミアン・フェルデル
ファビアン・ジェグーデ
ニコラ・ジロー
ベアトリス・ダル

解説:
屋敷女」「リヴィッド」のジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督によるフレンチホラー。親友同士の3人が、女性拉致現場を目撃したことから巻き起こる戦慄の体験を描く。出演は「裏切りの闇で眠れ」のアンヌ・マリヴィン、「そして友よ、静かに死ね」のフランシス・ルノー。2015年10月開催の特集上映“シッチェス映画祭”ファンタスティック・セレクション2015にて上映。
(Movie Walker)

あらすじ:
悪友の少年たち3人が、ある日、学校を抜け出し、今や廃墟となっている映画の撮影所に忍び込む。うろついてタバコを吸ったりしていた彼らだったが、不気味な男が女性を拉致する現場に居合わせたことから、命を狙われる羽目になり ―


 icon-arrow-up 上のあらすじを読む限りでは、あ~、なんだかんだで少年たちは白魔神の危機を回避しハッピーエンド?みたいに思うかもしれないけれど、、、これはフレンチホラーなのです。とことん残虐。とことんイタく、ほとんど救いはない・・・と言いたいところだけど、

フレンチホラーにしては若干ユルくて、ご都合主義。とても信じられない・・・(´д`)みたいな展開はなく、それより何より、白魔神とかいう人の「白魔神」さが全く見受けられない(-.-) 別にあなた、ほとんど普通ですよ、みたいな感じでして、何故に白魔神の母親がそこまで忌み嫌ったのかが分からない。だって“レザーフェイス”には全然及びませんから。
今思うと、レザーフェイスはとても家族に(は)愛されていたよね
●このブログの感想 icon-arrow-right  悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲
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じゃあ、どんなお話かと言いますと
まず白魔神の正体はオープニングに堂々と説明、描写され、白魔神の謎は全くなく、外見がいったいどんなのか!?という一点だけが気がかりに観ていくことになる。ただし、確かに白魔神の生い立ちは悲惨。あることが原因で持って生まれた障害のために母親に忌み嫌われる。だが父親は彼を愛し大事にしており、父親の存在が唯一の救いに。けれどもその父親本人が神経障害を煩っている上、癌にも罹患。
ということで白魔神の未来はクライ――
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話変わって学校でも問題児の悪ガキ3人組。
その日も居残りがイヤで学校を抜け出し、人様の納屋に火を付けようとしたり、畑でタバコをふかしたりとやりたい放題。そろそろ帰るかとなったものの、1人の少年が「あそこに行こうぜ。ブラックウッド撮影所」。
そこは以前は賑やかな映画の撮影所だった。が、使われなくなってずいぶん経ち、今や廃墟となり不良たちがたむろする危険な場所になっている。で、3少年も久しぶりにたむろする。
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だがそこへ1台のレッカー車が赤い車を引いてきた。運転していた男の姿が見えなくなった隙に近寄ってみると、赤い車のトランクを中からたたく音がする。そして開けてみると、手を縛られ猿ぐつわをされた女性が必死の形相で何かを訴えてくる。男が戻ってきたのを知って物陰に隠れた3人。女性は男に抱えられ建物の地下に連れて行かれてしまった。
やばい!逃げようぜ!となったところを、何故か正義感の強い1人の少年が「助けに行く!」と走り出す。
ここが彼らの運命の分かれ道。最悪な方へと転がり出すことに
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ここからがフレンチホラー真骨頂のスプラッタとなるわけですが、あまり手元は写さず、血しぶきもそんなに。だから他と比べて見やすい。
 icon-arrow-right このブログのフレンチホラー作品

それに冒頭にも書きました通り、白魔神さんのご尊顔にはがっかりでして、次々やらかす恐怖ノ所行も案外普通。割と弱いし・・・
この作品の怖いところは実は白魔神さんではなく、白魔神を次々生み出すことになる「あの人」の存在。「あの人」はどうしても“愛する家族とともに素敵な家で幸せに暮らす”という夢を捨てきれない。だから我が息子がどんなだろうと愛しはするが、それがイコール正しい育て方ということでも無くて、結局は次々失うことになる。
悪ガキ3少年もそれぞれに家庭は複雑で、一見、お金持ちの子供であっても決して幸せな毎日を送っているのではない、という点に皮肉がきいている。

さて、ここで思い出されるのは、またしても私の中の殺人一家作品金字塔「Xファイル S4-2:Home」。この話の母親も「家族と家」に非情に執着してました。どの生物も自分の子孫、自分のDNAを残すという基本的なところは同じ、ということでしょうか。
しかし、このXファイル「Home」が100点だとすると本作の殺人一家はせいぜい30点。その他の登場人物についてもそれだけやられたら普通は○ぬよね?的なやたら強い人がいたりしてちょいご都合主義。

シッチェスの【恐怖ノ黒】シリーズに続く【恐怖ノ白】シリーズということで期待していたものの、いろんな意味で肩すかしでありました。一番コワかったのは声のしゃがれた学校の先生だったかも。
  このブログの【恐怖ノ黒シリーズ作品
次に期待

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