『ザ・ヴィジル ~夜伽~』(2019) - The Vigil

日本にもある「寝ずの番」とはお通夜の夜に夜通し故人に寄り添う慣習のこと。その意味は、一晩中お線香やろうそくを灯すことで悪霊が故人に憑かないように、無事に極楽浄土に行けるように見守ることだ。ユダヤ教にもあるんだね。今回はバイトで夜伽を引き受けた男が恐怖の一夜を過ごすことになるよ(-.-)

ザ・ヴィジル 夜伽

■ ザ・ヴィジル ~夜伽~ - The Vigil – ■
2019年/アメリカ/88分
監督:キース・トーマス
脚本: キース・トーマス
製作:ラファエル・マーグレス他
撮影:ザック・クーパースタイン
音楽:マイケル・イェツェルスキー

出演:
デイブ・デイビス
メナッシュ・ラスティグ
マルキー・ゴールドマン
フレッド・メラメッド
リン・コーエン

■解説:
オカルトホラーに宗教やホロコーストの歴史などの要素を取り入れた異色作。監督・脚本は、本作が長編デビューとなるキース・トーマス。「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020」上映作品。

■あらすじ:
ユダヤ教の信仰を捨てた青年ヤコブは、ユダヤ教の慣例である「死人の棺を一晩見守る」という役割を、謝礼目当てで引き受ける。しかし認知症を患う未亡人は、何かにひどくおびえている様子。そしてヤコブも、自身が恐るべき存在と対峙していることに気づく ─

映画.com


「寝ずの番」って怖くないのかな…。あ、そうか。親や兄弟なんかの近しい親族だから、また違うのか… みたいな事を考えたことはありませんか?私はあります(-.-) 誰しもいつかはそういう日が来るのかなって考えたことの一度や二度はあると思うんだけど、今回の主人公ヤコブは、バイトで知らない他人の寝ずの番を引き受けた。幼い弟を亡くし、信仰を失った彼は、お金のために引き受ける。どうしても親族が夜伽をできない場合は、今回のように誰かに頼むことがあるらしい。

お金のためとはいえ、もとは敬虔な信者だった真面目なヤコブ。「あと5時間だから。朝方には親族が集まって来るから」とラビに言われ、遺体を安置してある家を一緒に訪ねる。玄関ドアを開けた早々に夫人から「この人はだめだ!この人は無理だ!」と叫ばれつつも、気を落ちつけて彼は一人で遺体のそばに腰かけ、聖書などの朗読を始めた。これには亡くなった人の魂を鎮める力があるとされている。

ザ・ヴィジル 夜伽

気を落ち着けなくてはならない、ということは、どうも落ち着かないということだ。夜伽の仕事は初めてではないのに、ヤコブはどうも周囲の暗がりが気になる。目を凝らして見るものの、別に何もない。だが、天井から聞こえてくる音はなんだろう?アルツハイマーだと言われている夫人が何かやっているのか?
じっと遺体にかけてある白いシーツを見つめる。何故か、手の辺りが動いて見えるが、気のせいか?白いシーツを見つめていると、また天井から音が。暗い部屋に窓の外から眩しいほどの車のライトがいきなり差し込む。一筋の光が部屋の中を順に照らし出す。何かが動いたような気がしたが、見間違いか?

この家を訪ねてからの、もうほんの少しの間でヤコブは恐怖の世界に引きずり込まれた。
暗闇の物音、不明な発信者から送られてきたヤコブを撮った動画、水を飲んだつもりのコップに入っているものはドロドロの黒い液体、台所でしゃがみこみ床に爪をたてている何者か……

この後も、怒涛のようにヤコブを襲う怪奇現象。「悪夢じゃないわ。記憶よ。あなたの記憶ではない。」と夫人が言う。

では、誰の?

どうやら亡くなったこの家の主は、自分が悪魔に憑りつかれていると思っていたらしい。家の地下室でその事について話すビデオが映されているのを見てしまったヤコブ。

悪魔は命はあるが魂を持たず形もない
マジキム(ユダヤ神話の悪魔)どもは苦悩を抱えた人間に寄生する
逃れる方法は、初めて出会った日にマジキムの顔を燃やすしかない

この間も容赦なくヤコブを襲う怪奇現象。彼はたまらず家を飛び出すが ─

ザ・ヴィジル 夜伽

だから、私は何度も言っていますね?

悪霊と会話してはだめだ。悪霊は嘘つきで少しの真実に嘘を混ぜ、こちらを翻弄してくる。耳を傾けてはだめだ。

『エクソシスト』より

けれども、心の中に何か後ろめたいものを持っている人間は、すぐに悪魔の言葉に騙され、さらに苦悩する結果になるのだ。ではその「後ろめたいもの」とは?
この日、亡くなった主にも、夜伽をしていたヤコブにも、大きな罪悪感が心のほとんどを占めていた。それは、どうあっても消すことのできないものであった。やり直そうにも、謝罪しようにも、相手はもうこの世にいないからだ。そのような罪悪感をどうやって乗り越え、真の贖罪を得ることができるのか?

この方法は人それぞれだろうけど、ヤコブは自分の基本に立ち戻ることで乗り越える。胸の痛みは無くならないが、少しは明日に光が見えたようだ。その方法は何でもいいと思う。ただ、自分を守ることも大事だという事が分かりさえすれば

「悪魔・悪霊・魔女」作品

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