『ホーンテッド』(2006) - The Abandoned –

製作国がスペイン、イギリス、ブルガリアで舞台がロシアという、どこ産の映画として認識していいのかちょっととまどう作品。ホラーにありがちな逃げ惑う若者や美女も登場せず、登場人物は地味な中年男女。しかし!あまり馴染み無いロシアの、川に四方を囲まれた森の中の廃屋という閉鎖空間が舞台ということで、緊張感を盛り上げる!盛り上げる!出てくる異空間の存在はあまり怖くなかったけれど、主人公の救われないエンディングに、観ているこちらは救われた(ヒドイ)-
 

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■ホーンテッド – The Abandoned -■
2006年/スペイン、イギリス、ブルガリア/98分
監督:ナチョ・セルダ
脚本:カリム・ハッセン、ナチョ・セルダ
製作:フリオ・フェルナンデス
製作総指揮:フリオ・フェルナンデス
撮影:シャビ・ヒメネス
出演:
アナスタシア・ヒル(マリー)

カレル・ローデン(ニコライ)
ヴァレンタイン・ガネフ
パラスケヴァ・デュケロヴァ
モニカ・ボウノヴァ
 

解説:
アメリカでヒットを記録したスペインの鬼才、ナチョ・セルダ監督の長編デビュー作。 TSUTAYA DISCAS

あらすじ:
生まれてまもなく母親を殺されたマリーは、母親の相続の件で誕生の地ロシアへ向かうことになった。相続することになったのは廃屋の建つ広い農場。しかし雨漏りのする屋敷を見て回るマリーの前に現れたのは、この世の者とは思えない自分の姿をした生霊だった-

abandoned :見捨てられた、放棄された
 


The Abandoned_19生後まもなく母親を殺された双子の片割れマリー。養父母の元イギリスで育てられ、結婚しアメリカへ。映画のプロデューサーの仕事をしながらロスに住んでいる。自分の生まれも、父親、兄弟のその後も分からずじまいだったが、ある日、ロシアから母親の持つ土地の相続の件で連絡が入る。土地などは欲しくないマリーだったが、自分の出生の秘密を探る目的で空路ロシアへ。40年ぶりの故郷となった。
 
案内人に連れられ訪れたその地は広大な農場で、四方を川で囲まれている孤立した土地。その中にマリーの家族が住んでいた屋敷が廃屋となり残されていた。土砂降りの雨の中、案内人とはぐれ、その廃屋にたどり着いたマリーはおそるおそる中を確認する。広い屋敷の中は荒れ放題で誰も住んではいなかった、、、はずだったが、開いたドアの向こうから全身ずぶ濡れの、この世の者とは思えない女性が現れ、屋敷を飛び出し逃げ出したマリー。彼女は勢い余って、雨の中滑り川に転落して意識を失う。
 
The Abandoned_18目を覚ましたマリーは屋敷の中にいた。目の前には見知らぬ男性が。その助けてくれた男性は生き別れになっていた双子のニコライで、自分も相続の件で呼び出されたと告げる。そしてここには自分たち二人の生霊や得体の知れない何かがうごめいている、とも。
そうしているうちに、夜中の12時になり現れる2人の生霊。母親が殺されたと思われる寝室からは、男の怒声が聞こえ、母親を何度もナイフで突き刺す男の背中。そして乳飲み子2人を今まさに殺そうとする父親の姿が。
ここは、40年前に起きた事件を延々と繰り返す、恐怖の異次元空間だった-

  

 
The Abandoned_22陽光きらめくロサンジェルスから、こんな怖いところにやって来ることになってしまったマリーとニコライ。そこでは毎晩、両親の事の顛末と、か細く泣く2人の赤子が殺されそうになる事が繰り返されている。その赤子は自分たちだ。母親の機転でなんとか命は救われたものの、結局、この地に呼び戻されることになった2人。2人の運命は40年前のあの夜に決まっていたのか。
 
何度も繰り返され、再現されているのは、あの夜の事件だけではない-というのがエンディングで、なかなか大筋では楽しめた本作。暗い夜の雨の中、森を逃げ惑い、川で小舟を見つけ対岸に逃げるが、、というのもなかなかハラハラするのだが、唯一出てくる生霊が全然怖くない..。一番の怖いシーンは、赤子を殺そうとする父親のその方法。そしてその方法こそが、この2人のその後に大きく関わるというところがポイントか。そして無間地獄へ-。

双子の片割れニコライ役はカレル・ローデン。どっかで見たことある、見たことあると気になって出演作を確認すると、なんと『ボーン・スプレマシーグレツコフだった。わーい、とちょっと喜んだ自分(あまり意味ないけど)。
ではまた
 
世界各国でヒットを記録ってホントかな(ボソッ) でも↓トレーラーは結構怖い。

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