怒れる怪物を観た『ゴジラ−1.0』ゴジラ マイナスワン(2023)

『シン・ゴジラ』超お気に入りの管理人momorexが公開されるのをとても楽しみにしていた本作『ゴジラ−1.0(ゴジラマイナスワン)』。劇場の巨大スクリーンに映し出された黒い巨体と劇場のスピーカーから聞こえる耳をつんざくばかりの雄叫び ─。そこのあなた、これを体感するには映画館に足を運ぶしかないですよ(‘ω’)

■ ゴジラ−1.0 ■
– Godzilla-1.0 –

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2023年/日本/125分
監督:山崎 貴
脚本:山崎 貴
原作:
原案:
製作:市川 南
製作総指揮:臼井 央 他
撮影:柴崎幸三
音楽:佐藤直紀

出演:
神木隆之介(敷島浩一)
浜辺美波(大石典子)
吉岡秀隆(野田健治)
佐々木蔵之介(秋津清治)
青木崇高(橘 宗作)
安藤サクラ(太田澄子)
山田裕貴(水島四郎)

■解説:
日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズをはじめ「永遠の0」「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFXを手がけた。

映画.com


Contents

あらすじと感想

時は1945年。終戦まじかから敗戦、戦後の日本を心身ともに傷を負った復員兵や、それでもたくましく生きようとする人々に、復興していく街に、更なる恐怖が襲い掛かる。

今回のゴジラの舞台は戦後間もなくの日本。訳ありの復員兵・敷島が故郷に戻ってきたところから始まる。彼は終戦まじかに起きた(というより起こした)出来事により自分を許せないまま日本に戻ってきており、心に大きな傷を負ったまま。そしてその信じられないような出来事のために毎夜、悪夢を見続ける…。

だが故郷の周囲の人々を見ろ ─
誰もが家族も家も無くし、ぎりぎり残った自分の命をつなぐため懸命に一日一日を生きている。悪夢は敷島だけのものじゃない。日本全土が、世界中が、勝ちも負けもない同じ状況だった。そんな中で一日一日を生き、社会を動かしていくのは町の人々だ。少しずつ復興が進み、街が賑わいを取り戻そうとしていた、ちょうどその頃。
東京湾を目指して進む巨大生命体。

ゴジラ ─

今回のゴジラ作品はアメリカが太平洋で行った原子爆弾実験によって、より巨大・狂暴化したゴジラが日本を襲うさまが描かれる。なぜに日本を襲う…?というのはおいておいて、時代が戦後まもなくであり実験も行われたところということもあって、よりゴジラの受けたものが何だったのかが分かりやすい。
と言っても以前からゴジラは凶暴で人類を敵視していた存在ではあったのだけれど。

戦争の時代を舞台にしたことで、ゴジラが受けた傷は、平和な海をも戦場にして山のように爆発物を投機。自分たち人間だけでなく、地球上のすべての生物の命を危険に陥れ、ないがしろにしたことへの罰で贖われる。
戦争や実験が起きたところでもあるので、今回のゴジラはいつもより怖い(-.-)
非常に怒っている。いつもより怒っている。怒りの巨神のようだ。

ゴジラの大きさは諸説あるが、今回、野田博士が体重2万tとか仰っておられたから、身長50mサイズかな。何にせよ、そのビルのような(15~20階相当)怒れる巨体がのしのしと咆哮し暴れながら歩き回る様子を下から眺めることの恐ろしさ。今までゴジラと言えば斜め少し上からの全体像が映し出されることが多く、その大きさや近くに現れた時の恐怖感はそれほど生々しくは感じられなかった。
けれど今回のゴジラは、ゴジラの足元から巨体を見上げるように描かれる。顔の横のビルの上にいる報道陣、胸の前を走る電車、なにより足元を逃げ惑う人々が同時に映し出され、その大きさへの恐怖、破壊へのなす術のなさ、大きな足に踏みつぶされ、大きな顎に咥えられ放り投げられる。

そしてゴジラの秘密兵器(秘密ではない)。彼の最大にして最終秘密兵器「熱線」。
本作でもそれは声高らかに披露されます。今回のソレは尾の先から(今回のゴジラではことさらに大きく刺々しく表現されている)背中のヒレに向かって順次、ブルーに光り輝きながら蓄えられ、充分に溜まったものが一気に前方に噴射。その効果は人間が作り出した原爆そのもの…

 たまったもんじゃない(‘Д’)

(が、しかし、管理人は『シン・ゴジラ』のパープル熱線のほうがお好み)

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『シン・ゴジラ』と比べても、このあたりの災害の様子はかなり詳細に描かれ、より現実的に、より反戦イメージとして表現されている。そう、今作は反戦に対するメッセージが今までよりもとても分かりやすい。特攻できなかったことへの罪悪感、戦争により否応なく被害を受けたゴジラ(地球上の自然、生物)、事実を隠蔽し責任逃れに終始する為政者、、。

今まで自分たちのテリトリーで穏やかに暮らしていた者がその命を脅かされたとき、なんの落ち度もないというのに毎日の生活を突然壊されたとき。その次に起きることは命あるものとして当然のことだと思わなくてはいけない。けれどやはりここにも不毛の連鎖が起きやしないだろうか ─


さて、今回も今までのゴジラ作品と同様、日本人はゴジラとの戦いを決意。この戦いにアメリカが手を貸してくれない(ソ連とのあれこれ)、政府も動けない、などの諸事情から民間主導(と言っても集まってきたのは元軍人たち)で作戦を立てる。今回の作戦名は「海神(わだつみ)作戦」。
※ちなみに『シン・ゴジラ』の作戦名は「ヤシオリ作戦」。
※『パシフィック・リム』でもカイジュウと戦っていたのは民間組織だったね。

海神作戦の内容は化学とか物理とかにあんまり詳しくない私のようなものにも分かりやすい内容で、2段階の攻撃が組み合わされている。街が壊滅状態になっていく様子をつぶさに目撃した管理人momorexはずっと自分の腕を抱きかかえるようにしてスクリーンに見入っていたが、この元軍人たちの作戦が始まる頃には(いつものように)ワクワクと前のめりになりつつも背筋がピンッとしてくるような感覚を持ちながら敬意をもって彼ら日本人たちの行動を眺めることになる。あぁ、私にも愛国心とかあるんだなっとか思いながら

本作『ゴジラ−1.0』は『シン・ゴジラ』に比較して、少々の人間ドラマも挟み込まれているものの、それほどゴジラ物語の邪魔にはならず安心して観ていられた。ラストなどは感動さえしてしまった(‘ω’)。
そのラストなのだが、『シン・ゴジラ』のラスト近くに登場したゴジラしっぽの先。そして本作にもちらりと映った首元(本当のラストはそのもの過ぎるので、あえてここでは書きませんが)。あれらの意味するところは何なのだろうか?『シン・ゴジラ』のしっぽはmomorex的に第五形態と捉えたのだが、本作のあれは(゜o゜)?

当然“シン”と付くものや“1”など数字の付くものには続編があると考えられる。私は楽しみにしている。違うゴジラ物がどのように並走されていくのかは知らないけれど

このブログのモンスター作品

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