『シン・ゴジラ』 (2016) - Shin Godzilla

もう何回観たかわからないほどのお気に入り。目的不明なまま上陸してくるゴジラ。人間側の攻撃に反応して身を守るゴジラ。ゴジラは地球上の生命体の一つでしかない。本作は、その生命体による今回の大災害と政府による対応を時系列に沿って淡々と描いている。
ゆえに『シン・ゴジラ』の”シン”とは、真実の”真”なのである。

■ シン・ゴジラ - Shin Godzilla – ■
2016年/日本/119分
総監督:庵野秀明
監督:樋口真嗣
脚本:庵野秀明
製作:市川南
製作総指揮:山内章弘
撮影:山田康介
音楽:鷺巣詩郎、伊福部昭


出演:
長谷川博己
竹野内豊
石原さとみ
高良健吾
市川実日子
高橋一生
津田寛治
余貴美子
國村隼
平泉成
柄本明
大杉漣 他総勢329名

■解説:
「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。総監督・脚本は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が務め、「のぼうの城」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎が准監督。14年のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出し、リピーターが続出するなど社会現象とも呼べる大ヒットを記録。興行収入は81.5億円に上り、第40回日本アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか7部門で最優秀賞を受賞した。

■あらすじ:
ある時、東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生。首相官邸で開かれた緊急会議では、地震や海底火山の噴火など事故原因をめぐって議論が紛糾する。そんな中、内閣官房副長官の矢口蘭堂は、海底に正体不明の巨大生物が生息し、それが事故の原因ではないかと推測するが -

映画.com

度重なる大きな地震、それに続くウィルスによるパンデミック。地球そのものも生きている星なのだとすれば、人は常にあらゆる生命体からの危険にさらされていると言える(お互い様なのであるが)。
今回の巨大生命体出現もそうだった。太古から生き残っていた深海海洋生物が、人によって海洋投棄された放射性物質を食べて適応進化した結果、動く原発となったのだ。貯めたエネルギーを放出するために上陸を繰り返しながら、さらに進化する生命体。

始まりは大きくうねるしっぽ(第一形態)にしか過ぎなかったが、上陸を開始した第二形態は人を脅かし恐怖させるには十分すぎるほどのビジュアル。

なんなんだろう、この何とも言えない恐ろしい見てくれは(-.-) 小さな手足がありながらも、這いずり回る大きな爬虫類のような昆虫のような、それでいて柔軟さも持ち合わせていて、魚のえらのような部分からは、もう不要になったぜ!とばかりに排出する赤い液体状物質。蛇なんかとは、また違う大きくて不気味な目。濁っている感じがまたなんとも死んでいるような目なのだ…。それでいて元気に、案外スピーディに、わしゃわしゃうねるように人間世界をなぎ倒しながら移動する。あまりに自由なその動き。
初めてこの第二形態を見たときは、あまりのそのグロテスクさにゾッとしたのを思い出す(そして病みつきに)。

あぁ、そうだ、、アレに似てるんだ、アレのイメージに(-“-)    

そして、あっという間に第三形態、おなじみの第四形態へ。

この頃には呼び名の付いたゴジラは、場所を少し移して相模原に上陸。真っ直ぐ東京を目指すかのような動きに、とうとう自衛隊が出動。緊急対策本部の研究者たちに「この星で最も進化した生物」と言わしめたゴジラを総攻撃することに。
この世に一体しかいないかもしれない巨大生物。研究者、化学者たちにとったら貴重なサンプル、進化している最中の生きた化石。捕獲、駆除、排除と対策はいろいろと考えられたが、今となっては駆除(害になるものを追い払い、また殺して取り除くこと)あるのみ。

それにしても、ここに来るまでの政府内のやり取りが臨場感たっぷりで、無駄な話や場面の無い、これでもかと削ぎ落された駒回しのような場面展開がとてもいい(‘ω’) 日本政府内のやり取りは短く早回しに、反対にゴジラの攻撃は長く丁寧に描写。これで主役はゴジラだとわかる。人間は決して自然に逆らえない、逆らうとどうなるか、思い知るがいい、とでも言わんばかりの巨大生命体の咆哮 -

この後、しばらく続くシーンは悲惨、悲劇としか言いようがないのでありますが、私はずっと鳥肌もので観てました。大好きなシーンなのです… 本作は音楽もいいですね。おなじみのゴジラのテーマから、この悲劇のシーンで大きくかかるその名も「Who will know/悲劇

この悲劇は人間にとってのものなのか、それともゴジラなのか、両方なのか、、
終盤、矢口が人類は「ゴジラ共存」の道を模索しなければならないと言っていた。まさしく「withゴジラ」。
そして、それはゴジラにとっても同じで、種を存続させるために彼が考えなくてはならない「with人間」への道が、最後にチラッと映る小型化であり人間型なのではないかと思うわけです(政治家調)。巨大なままでは攻撃を受けることを理解した種・ゴジラの更なる進化第五形態
でもね、きっとゴジラは「with」なんて考えてないと思うわ。進む方向を邪魔するものは全力で駆逐あるのみ。ゴジラにはそれだけの力がある -

 
  

で、次は『ゴジラvsコング』。こちらはアメリカ産だし、『シン・ゴジラ』とは全く関係ないんだけども、ま、観に行くかな、きっと…

行きました

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Contents