「ツイン・ピークス The Return」(2017) - Twin Peaks /Season3

放送が開始されたカルトTVドラマ「ツイン・ピークス」の続編―。ファンの皆様は何の不安も躊躇いも無く、心を無にしてどうぞツイン・ピークスの世界へ。ただし25年前のものよりも更にリンチワールドが濃く、深くなっております(-ω-)
 

■ツイン・ピークス The Return
 - Twin Peaks /Season3 -■
 2017年/アメリカ
 
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ
製作総指揮:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ
出演:
カイル・マクラクラン(デイル・クーパー)
シェリル・リー(ローラ・パーマー)
デイヴィッド・リンチ(ゴードン・コール)
ミゲル・フェラー(アルバート・ローゼンフィールド)
デヴィッド・ドゥカヴニー(デニース・ブライソン)
マイケル・ホース(ホーク副署長)
キミー・ロバートソン(ルーシー・モラン)
ハリー・ゴアズ(アンディ・ブレナン)
レイ・ワイズ(リーランド・パーマー)
グレイス・ザブリスキー(セーラ・パーマー)
シェリリン・フェン(オードリー・ホーン)
リチャード・ベイマー(ベンジャミン・ホーン)
デビッド・パトリック・ケリー(ジェリー・ホーン)
ジェームズ・マーシャル(ジェームズ・ハーリー)
エヴェレット・マッギル(エド・ハーリー)
ウェンディ・ロビー(ネイディーン・ハーリー)
デーナ・アッシュブルック(ボビー・ブリッグス)
メッチェン・エイミック(シェリー・ジョンソン)
ペギー・リプトン(ノーマ・ジェニングス)
ラス・タンブリン(ドクター・ジャコビー)
キャサリン・E・コールソン(丸太おばさん)
アル・ストロベル(片腕の男)(フィリップ・マイケル・ジェラルド)
ナオミ・ワッツ
ハリー・ディーン・スタントン
 
解説:
TVシリーズ最終回でローラがクーパー捜査官に「25年後に会いましょう」と告げた通り25年後の世界を描く新作。前作同様デヴィッド・リンチが監督をする新作は、2017年5月に米SHOWTIME局で放送し、 カイル・マクラクラン、アマンダ・セイフライド、アシュレイ・ジャッドなどキャスト217人が発表されるものの、内容は謎のまま期待は膨れ上がっている。
(WOWOW)
 
あらすじ:
現在のニューヨーク。ある建物の一室で、カメラが向けられた大きな硝子ボックスを監視するバイトに就く男子大学生がいた。雇用主もボックスの正体も不明。が、そのボックスには突然何かが現れる事がある、と言われていた。
一方、サウスダコタ州バックホーン。あるアパートの一室で死後数日経った女性の死体が見つかる。複数残されていた指紋から地元の小学校長がすぐに逮捕されるものの、その部屋には行ったことが無いと主張する。
同じ頃、ツイン・ピークスでは副署長ホークに「大切な何かが失われた」と丸太おばさんから連絡が入る -



おなじみのメロディーに乗って、雄大な滝と町を支える製材所、成功を象徴する立派なホテルが悠然と映し出される…。この新バージョンを観ることが出来る日がまさか来るとはっ・・・(;ω;)
ということで、いつものごとくその日を待ちつつ、虎視眈々と旧作を見直し、WOWOWに再加入手続きをしていた最近ずぼらーな管理人momorexさん。なんと、本放送を前に4話も一気にやってくれるというものですから、なんていうのかなー、すごく大事に、お気に入りのブランデーをちびちび舐めるかのように(やったことない)、新シリーズ4話をじっくり観はじめました。
・・で、1話目の途中くらいで口から出た感想第一弾、

 リンチ監督が帰ってきた ・・・
 それも、集大成バージョンで (-ω-)・・・

と、こんな感じでしょうか。

と言いますのも、あの(旧作)続きは一体どんな風に始まるのだろうか?ダイナーか?保安官事務所か?高校?もしかしたらFBI?
想像力の乏しい管理人の考えそうなことですが、そんな考えをよそに、旧作よりも更に素敵に映し出されるオープニングの滝の後、なんと目の前に広がったのは世界一位の大都会、ニューヨークの夜景だったのです。まさかツイン・ピークスで煌めく高層ビルを鑑賞することになろうとは・・っ。
何か間違えたかっ?私?などと考え始めた矢先に飛び込んできたこのシーン・・

ご存じの方も多いと思われますので、あえて詳しくは説明しませんが、↑これを見て、「あぁー、間違いない、リンチさんだ」と思ったのは言うまでも無く、加えて「ここから、とんでもない物が待ってるんだろうなー」と胸をなで下ろしたというか、不安に苛まれたというか、どちらにせよ、ワクワクが始まったのは間違いなかったある日の昼下がりでした・・。

大きな硝子ボックスに向けられたカメラ、それらをテレビのごとく鑑賞するように設置されたソファ。そこに座るは一人の青年。だがよく見ると彼はアニー(旧作でクーパーと恋仲に)に似ている。あ、もしかして彼はアニーとクーパーの息子か?あの後、息子が産まれてアニーが一人で育てたんだ、、などとごくごく一般的な想像力しか持たない者が、その範囲で考え出した頃、舞台はニューヨークからサウスダコタへ。そしていきなり登場したんです、彼がっ

貫禄ある悪いヤツってな風情のままに、口も行動も面構えも悪人のミスターC。ミスターCってあの「C」か?そう、あのCだったのです。
田舎町でやくざな稼業を営むミスターC。しばらく見ている内に潜入捜査かなー(・∀・)?って思ってみたものの、平気で人を殺してる。
あー、、この人は紛れもないブラック・クーパーだったのです。

ブラックがいるということは、ホワイトもいるのか?ご安心を、いました、例の場所に。


クーパー特別捜査官。
あなたに憧れの気持ちを持たない女子がおろうか・・?ミスターCがあまりにブサイクだったので、不安が不安を呼んで大きな不安の塊になり始めていたのですが(口調がリンチワールド化しています)、さすが、役者さん。痩せて素敵なままのクーパー捜査官。
この彼はホワイト・クーパーで25年もの間この赤い部屋に囚われたまま。日々、踊る小男や巨人さん、片腕のビル、リーランドやローラなどととりとめも無く時を過ごしている。そう言えばビルから切り離された片腕は、今じゃ、↓こんな風に進化を遂げたのだった・・・

もうー、ごめんなさいねぇ、何のことか分からないでしょう?私も分からないんだけど、色々と話しているのを聞いてみると、片腕=小男さんが脳を持つ枯れ木にトランスフォームしたのかなーって思いました。それぐらい、分かりません。が、いつも言うようにリンチ作品ではこれでOKだと思います。

こんな感じでデイル・クーパーは2つに分かれて各々時を過ごしているのだが、実はもう一人。グレー・クーパーともいうべき人も登場する。その人の奥さんはダイアンという名前で、なんと演じるのはナオミ・ワッツ。
ダイアン → ナオミ・ワッツ → ダイアン → クーパー

という、とても妙な流れが気になり始めた頃、画面にはあの懐かしい保安官事務所のアンディとルーシーが映し出されておりました。何人もの人間が殺され、FBI捜査官が行方不明になるという前代未聞の田舎町の事件から、早25年。この町の人々はたくましく前向きに日々を暮らしてきたようです。
そんな時、今では副署長のホークへ一本の電話が。
それは丸太おばさんからのもので、「大事なものが無くなった。それはクーパー捜査官に関係するもので、ホーク、あなたのルーツにも関係する」という暗示めいた内容。でもこの町の保安官は分かっている。丸太おばさんの言葉の大事さが。

このようにしてニューヨーク、サウスダコタ、ツイン・ピークス、赤い部屋、(ついでに言うと宇宙空間)、で起きた、一見、何の関係も無いと思われる出来事が、一体どうやって一つに纏まっていくのでしょうかっ!?
一人寂しく死んでいた女性、点滅するライト、ちぎれて落ちている肉片、赤いドレープカーテン、一瞬見えて消えていく黒い男、ダイアン、歌手・・・
ま、こんなものがある限り、それなりに纏まっていき、あれは一体どういうことかっ?と又、何年もの間、考え続けなくてはならないんでしょう、きっと・・・ リンチさんだから・・・

オープニングの滝↑については旧作よりもダイナミックに空撮されて、一緒に流れ落ちていく感覚を味わえます。大きな岩で2つに分かれ、豪快に水しぶきを上げながら落ちていく滝。けれどもすぐにそれは下につき一つの大きな流れとなって海へと運ばれていく。
今回は出てきませんが、旧作のオープニングでは製材所で切られた大木が大写しになっていました。これら大木も加工され、いずれは一つの建物に組み込まれていくのでしょう。
どちらも一つに溶け込み、また自然の中に帰って行く。

だというのに赤い部屋に囚われたままのローラは今も苦しんだまま。父親も同じ場所に囚われている・・

クーパー特別捜査官も2つに分かれたまま、苦しみさえ感じない操り人形のよう。本来彼はコーヒーと人と自然を愛する情け深い人間のはず。早く彼も本来の姿に戻してあげたいものです・・・
 

 icon-bookmark スノコルミー滝 Snoqualmie Falls
シアトル近郊にある滝で高さは81mあり、ナイアガラの滝の落差を上回る規模がある。水量が多く、冬場には凍って氷瀑を見ることもできる。
ドラマ「ツイン・ピークス」で使われたホテルは実際には「サリッシュ・ロッジ・アンド・スパ」という高級リゾートホテルで、観光客が気軽に立ち寄れるものではないそう。ドラマで使われたホテル内装は別のホテルのもの。

さて、リンチ監督作品の特徴はご存じの通り、です(もはや説明は無い(・∀・)。この作風には慣れるのが一番。というわけで、監督の他映画作品をとくとご覧あれ、というしかありませぬ。
で、手前味噌でアレですが、今まで書きためたリンチワールドの感想は以下の通りです。よければ視聴と合わせてお読みくださいませ。
ではっ