『マーダー・ライド・ショー』(2003) - House of 1000 Corpses –

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田舎に潜む殺人一家。よくあるパターンは見るからに恐ろしげな風貌で、出会ったその時に命の危険を感じるが、この町に住む一家は陽気で一見美男美女揃い。しかし出会って5分もすると、しみ出してくる狂気..。助けを求めようにも隣の家までは何キロもあるような寂しい場所で車もほとんど通らない。頭に「絶望」の2文字が浮かんだ時、あなたをさらなる悪夢が襲いかかるっ!
 
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■マーダー・ライド・ショー - House of 1000 Corpses -■
2003年/アメリカ/89分
監督・脚本:ロブ・ゾンビ
製作:アンディ・グールド
製作総指揮:アンドリュー・D・ギヴン 他
撮影:アレックス・ポッパス 他
音楽:ロブ・ゾンビ 他
出演:
シド・ヘイグ(キャプテン・スポールディング)
ビル・モーズリイ(オーティス・ドリフトウッド)
シェリ・ムーン(ベイビー・ファイアフライ)
カレン・ブラック(マザー・ファイアフライ)
デニス・フィンプル(グランパ)
マシュー・マッグローリー(タイニー・ファイアフライ)
ロバート・ミュークス(RJ・ファイアフライ)
クリス・ハードウィック(ジェリー)
エリン・ダニエルズ(デニース)
ジェニファー・ジョスティン(メアリー)
レイン・ウィルソン(ビル)
トム・トウルズ(ワイデル警部補)
ウォルトン・ゴギンズ(ナッシュ保安官)

解説:
ヘヴィ・ロック界の風雲児ロブ・ゾンビが映画監督に初挑戦したホラー映画。殺人一家の館に迷い込んだ若者たちを恐怖の殺人ショーが待ち受ける。もともとホラー映画に通じているばかりか、自身のアルバムのアートワークも手掛けるなど、イラストやデザインにも才能を発揮するロブ・ゾンビ監督ならではの、怪奇テイストと悪趣味満載の毒々しい極彩色の猟奇世界が展開する。 (allcinema)

あらすじ:
全米各地のユニークな場所を取材するため旅を続けていた男女4人のグループが最後に立ち寄った田舎町ラグスヴィル。あるガソリンスタンドに併設されていた「バケモノ博物館」を見てテンションの上がった男子は、店のオーナーに教えてもらった殺人鬼ドクター・サタンの首縊りの木を嵐の中、見学することに。途中で美女ヒッチハイカーを乗せ目的地に向かったが、タイヤがパンク。急遽、ヒッチハイカーの家に避難させてもらった4人だったが-
 


Xfiles home

田舎にひっそりと住んでいる狂気の殺人一家といえば、古くはトビー・フーパー監督『悪魔のいけにえ(1974)』、『サランドラ(1977)』、「Xファイル」の“ホーム”(第4シーズン2話/1996)、『クライモリ』シリーズ(2003~)、サランドラのリメイク『ヒルズ・ハブ・アイズ』シリーズ(2006~)などがある。悪魔のいけにえも『テキサス・チェーンソー』シリーズ(2003~)としてリメイクされている。


都会の人間を忌み嫌い、通りがかった旅人を襲うこれらの作品は、あり得なさそうで、もしかしたらホントにあるの?と思わせてしまうあたりが巧妙な「殺人一家ホラー」で、管理人は結構何度も観てしまうほど、実は好きなカテゴリーだったり。

House of 1000 Corpses_11共通するのは、一家に見るもおぞましい怪物まがいの人物が含まれている(もしくは全員)ことだが、本作『マーダー・ライド・ショー』は見た目は普通もしくはそれ以上。女性陣は陽気で明るく天真爛漫とさえ形容できるほどだが、一緒にいて楽しいのは最初だけ。キャハハッと可愛らしく笑いながら襲ってくる。
そんな家に立ち寄らざるを得なくなった若者グループ。最初は美人の娘ベイビーと色っぽいお母さんマザーにでれでれだった男子チームだが、すぐにここがおかしな家であることに気付く。が、時は既に遅し。このファイアフライ一家と一緒に暮らすオーティスが登場すると、それは確信となり、もう逃げ出すこともかなわない事態へと。

そしてじわじわと↓こんな感じにされていく。
House of 1000 Corpses_18だからあれほど女子2人が早く帰ろう、と言ったのにね..。

オーティスの趣味は人体を使って美術作品を造ること。そのお手伝いをしているのがこの一家だが、もちろん嫌々では無く嬉々として旅人を巧妙に誘導しては楽しげにブスっ。しかし、この一家、この土地に潜む狂気はそれだけではなかった。この土地の地下墓所には大いなる悪魔が潜んでいたのである―。

いろんなホラー要素を盛り込んだ、この物語は狂気の音と場面で進んでいくが、一見味方かと思えるこの男。
House of 1000 Corpses_01まぁ、どう見てもオカシイんだけど、この作品の表看板になっているこのキャプテン・スポールディングの一家との関わりは基本的には描かれていない。
若者グループが立ち寄ったガソスタオーナーで、かつ不気味なモノ収集家であり、それを展示する「バケモノ博物館」も経営している。そこには「殺人鬼の世界」というアトラクションまで併設。有名な殺人鬼を紹介するこのアトラクションは短いし、ライドの移動も人力だけど結構よく出来てる(邦題はここから付いている)。

このアトラクションで紹介される殺人鬼。アルバート・フィッシュ、エド・ゲインときて3つめのドクター・サタンであれ?と思った人は殺人鬼通。設定はよくあるマッドサイエンティストだけれど聞いたことないなーと思っていたら、ある意味これがキーパーソンだった。
ということで、詳しくは描かれないが、このキャプテン・スポールディングも殺人一家の一員なのには間違いない。4人の若者の人生は終わったが、この殺人一家の日々は続く。
ということで続編『デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2(2005)』へ。
ますます過激に、ますます残虐に。 本作がファンタジーと思えるほどリアルなショックホラーになっていたと記憶(まぁ、一緒に借りてるんですが)

続編へ続く

 監督 ロブ・ゾンビ
Rob Zombie本名ロバート・カミングス(Robert Cummings)はアメリカ合衆国のミュージシャン、映画監督。
1985年、ニューヨークでホワイト・ゾンビを結成し、音楽活動を開始。現在はソロ名義で活動中。音楽以外にも映画の監督・脚本、ミュージックビデオの監督、テレビ番組のホスト、コミックスの制作等、マルチな活動を続けている。妻は女優のシェリ・ムーン・ゾンビ。

■主な監督作
・マーダー・ライド・ショー(2003)
デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2(2005)
・ハロウィン(2007)
・グラインドハウス(2007/フェイク予告「ナチ親衛隊の狼女」)
・ハロウィンII(2009)
ロード・オブ・セイラム(2012)

他にも「殺人一家、狂気村」を見る

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