ロブ・ゾンビ監督と奥さんシェリ・ムーンによる新作ホラー映画。『マーダー・ライド・ショー』のようなハチャメチャを期待したものの、かなり大人しめ。シェリ・ムーンのキレた演技も見られず..。その代わりと言っちゃなんですが、真っ裸になって不気味な老体をさらしつつ、歌って踊る魔女達にはいろんな意味で鳥肌が
■ロード・オブ・セイラム – The Lords of Salem -■
2012年/アメリカ/101分
監督:ロブ・ゾンビ
脚本:ロブ・ゾンビ
製作:ジェイソン・ブラム 他
製作総指揮:ブライアン・カヴァナー=ジョーンズ
撮影:ブランドン・トゥロスト
音楽:ジョン5、グリフィン・ボイス
出演:
シェリ・ムーン・ゾンビ(ハイジ)
ブルース・デイヴィソン(フランシス)
ジェフ・ダニエル・フィリップス
(ハーマン・サルバドール)
ケン・フォリー(ハーマン)
パトリシア・クイン(メーガン)
ディー・ウォーレス(サニー)
マリア・コンチータ・アロンゾ(アリス)
ジュディ・ギーソン(レイシー)
メグ・フォスター(マーガレット・モーガン)
■解説:
「マーダー・ライド・ショー」、リメイク版「ハロウィン」のロブ・ゾンビ監督が、魔女狩りの地として知られる“セイラム”の町を舞台に贈るサイケデリック・ホラー・ムービー。主演はシェリ・ムーン・ゾンビ。その他、ブルース・デイヴィソン、ケン・フォリー、ディー・ウォーレス、メグ・フォスターといったこだわりのキャスティングも見どころ。(allcinema)
Contents
■あらすじ:
アメリカの田舎町セイラムで仲間とラジオのDJをするハイジは、ある日、不気味な音楽が録音されたいるレコードを受け取る。それを聴いてから体調を崩した彼女は、不気味な幻影を見るようになり ―
見どころと感想
過去
かつて、17世紀の終わりに魔女裁判が開かれた米国マサチューセッツ州の町セイラム(現在のダンバース)。
その後、セイラム魔女裁判として知られることになったこの裁判では、判事ジョン・ホーソーンにより100人以上の女性が告発され、25人の魔女とされた女性が処刑された。が、特にその中でも凶悪とされた魔女マーガレット・モーガンは6人の仲間と一緒に火炙りにされた時、呪いの言葉をはく。
曰く、「セイラムの女の子孫には末代まで死を」「ホーソーンの子孫は、この世を引き継ぐ悪魔を宿す器となれ」
この7人の女は間違いなく魔女なんですねー。呪われた言葉をはきながら、火を囲んで歌い踊る、それも裸で。たるんだ腹、皺だらけの胸。思わず目を背けたくなるほどの醜い魔女達。その後の火炙りによる処刑まで、結構きちんと時間が取られていて、魔女の本質をじっくりと拝めることが出来る。そして全ての始まりはここに。本作一番の見どころかも。
現代
そして現代。
この町でラジオDJをしているハイジの元に、リスナーから1枚のレコードが届く。「The Lord(支配者)」とだけ書かれたそのレコード。ハイジは視聴してみたが、不気味な音楽が流れるばかり。その上、その曲を聴くたびに体調が悪くなる。
DJ仲間やアパートの管理人のおばさんが心配して声をかけてくれるが、一向によくならない。その上、白昼夢のような幻影に悩まされるようになっていくハイジ。
同時に、ハイジの住むアパートを徘徊するように現れる処刑されたはずの魔女マーガレット・モーガンの姿。これもハイジの幻影なのか。そうするうち、アパートの一室にふらふらと魅入られるよう入ったハイジは、とうとうこの世のものとは思えない光景の中に埋もれていく。これもハイジの妄想なのか―
ハイジの部屋の装飾や、彼女の見る幻影はとても突飛で綺麗で目を見張るものがある。だけど、ちょっとしつこくもたついて正直飽きてくる。『マーダー・ライド・ショー』のようなパンチとスピード感が無くてちょっとがっかり。冒頭の魔女のシーンはいいんだけどなー。
ラスト
不気味な現象が続いた後、最後の壮大なラストに向かうも、それ自身も現象扱いの一つのような描写。そしてラスボスがショボイ.. 何と評していいのかわからないけど、ショボイ。
そして何より主演のハイジ役シェリ・ムーン・ゾンビが大人しすぎて、これにもがっかりしてしまった。綺麗なことには変わりないけど以前より痩せすぎで、はじけるような狂気は感じられなかった。
イメージ画像の羅列映画のようではあったけど、魔女の邪悪さはよーく分かった作品でした。
このブログのロブ・ゾンビ作品
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『マーダー・ライド・ショー』(2003) - House of 1000 Corpses –
田舎に潜む殺人一家。よくあるパターンは見るからに恐ろしげな風貌で、出会ったその時に命の危険を感じるが、この町に住む一家は陽気で一見美男美女揃い。しかし出会って5分もすると、しみ出してくる狂気..。助けを求めようにも隣の家までは何キロもあるよ… -
『デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2』(2005) - The Devil’s Rejects –
監督は続編ではなく前作のキャラを使った新しい物語だと言うが、内容的にはほとんど続編。とは言え、前作は雨降る暗い夜の中での惨劇であったため、いかにもなサイコホラーだったが、今作では明るい日差しの元で残虐な行為が繰り広げられるため、ホラーと…
コメント
コメント一覧 (6件)
いつもは点数甘目な私でも10点中、4.5点くらいでした。
『マーダー・ライド・ショー』が好きなんで楽しみにしていたんですけど…
音楽と魔女は良かったんですけどねー。いっそのこと、あの時代だけでいけばよかったかもしれません。
早く面白いもの作ってくれないと、シェリ・ムーンの賞味期限が切れそうだー
自己陶酔映画になっちゃってましたね
なんせ、意味がようわからん(´・_・`)
どの辺がサイケデリック・トリップ・エンターテインメントなのかと。
トーンチチチドーンチチチという音と全裸ババアたちはまあまあ良かったものの
3人の魔女が乗り移ったみたいな女性の意味合いもよくわからないし
これはあいませんでした
借りる前に不安に思ったのですが、予感的中でした
ロード・オブ・セイラム
ジャケット画をみて不安に思ったが、実際にあった「セイラム魔女裁判」を題材に作られた、サイケデリック・トリップ・エンターテインメント・ホラー…ってなんじゃらほい、と思ってレンタル。
セイラム魔女裁判で裁判にかけられた女性が判事に呪いをかけたのですが、現代その判事の子孫に当たるラジオDJハイジのもとへ届いた一枚のレコードにより解き放たれた魔女の呪いは、次第にセイラムの街全体を蝕み始める―。
…
久しぶりの作品ということで楽しみにしてたんですけどねー。
壮大なラストは魔女の予言通り、器となったハイジが聖母マリアのような姿でセイラム女性の屍の上に立っている、ということでしょうか。
あの不気味な魔女を使って、もっと面白いものを作って欲しかったです。
分かったような分からなかったような話で、終盤辺りは意味不明でした(^o^;)
監督は自己満足かもしれませんが、私としては何のこっちゃいな、な作品で、もう少し説明的な描写が欲しかったです。
自分の才能に酔っちゃってこんな作品作ってしまったんですかねぇ。
ロード・オブ・セイラム
THE LORDS OF SALEM
2012年
アメリカ
101分
ホラー
R15+
劇場公開(2013/09/28)
監督:
ロブ・ゾンビ
『ハロウィン II』
製作:
ロブ・ゾンビ
オーレン・ペリ
脚本:
ロブ・ゾンビ
出演:
シェリ・ムーン・ゾンビ:ハイジ・ホーソーン
ブルース・デイヴィソ…