『ゾンビランド』(2009) -Zombieland-

くっきりはっきり明るいところでよく見える。楽しいゾンビ映画

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■ ゾンビランド - Zombieland – ■
2009年/アメリカ/88分
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
撮影:マイケル・ボンヴィレイン
音楽:デヴィッド・サーディ
出演:
ジェシー・アイゼンバーグ
ウディ・ハレルソン
エマ・ストーン
アビゲイル・ブレスリン
大勢のゾンビのみなさんとビル・マーレー

 

あらすじ:
謎のウィルスに汚染された一つのハンバーガーが原因で世界全土の人類がゾンビ化。数少ない生き残りテキサスのオンラインゲームおたく大学生コロンバスは両親の住むオハイオへ向かっていた。ゾンビ撃退で壊れた車を捨てたコロンバスは自分とは真逆のワイルド筋肉射撃男のタラハシーに拾ってもらう。プロの詐欺姉妹とも合流し姉妹の希望であるゾンビがいないと言われているロサンゼルスを目指すが-


 icon-film  監督はルーベン・フライシャー
Ruben_Fleischer今作が長編デビュー作で、それまではテレビCM、ミュージック・ビデオの監督を務めていた。その経験は今作にもいかされている。
スローモーションとスピード感あふれる映像との組み合わせや、壊れたたくさんの車、多くのゾンビが出てくる雑多な場面も配置や動きが綿密に計算されており、何か全体がすっきりしていて無駄がない。
この『ゾンビランド』は高く評価され、3Dによる続編が企画されているが製作にはまだゴーサインが出ていない状態。そんななか「続編映画に代わって30分のTVシリーズ企画が進められている」とスクープされた(tv Groove/2011年10月現在)。
監督の公開済み最新作は同じくジェシー・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ 史上最凶のご注文 30 Minutes or Less』(2011/ 監督・製作)。

 
   主演コロンバス ジェシー・アイゼンバーグ
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1983年生まれ。童顔でこぢんまりした感じがどうもシャイア・ラブーフと重なる。
1999年にテレビシリーズの『ゲット・リアル』で俳優デビュー。テレビ映画やインディーズ映画などでキャリアを重ね『ソーシャル・ネットワーク』で主演マーク・ザッカーバーグ役に決定(シャイア・ラブーフも候補にあがっていた。やっぱりね)。この演技で第83回アカデミー賞・主演男優賞にノミネートされた。
 この映画でシャイア・ラブーフとの違いをはっきり認識しました。
 
 
   タラハシー ウディ・ハレルソン
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オリバー・ストーン監督の話題作『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)で頭角を現した彼は、1996年ミロシュ・フォアマン監督の『ラリー・フリント』で実在のポルノ雑誌編集者を演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされた。危険な男だけでなく間抜けな男も演じられるのが強み。
ナチュラル・ボーン・キラーズ』については2月20日のこちらのブログ記事で詳しく紹介させてもらってます。
 
 
   詐欺師姉妹 エマ・ストーンアビゲイル・ブレスリン
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エマ・ストーンは1988年生まれ。2007年公開の映画『スーパーバッド 童貞ウォーズ』で長編映画デビュー。その後コンスタントに映画出演を続けている。
 
Zombieland_20アビゲイル・ブレスリンは1996年生まれ。2002年にM・ナイト・シャマラン監督作品『サイン』でメル・ギブソンの娘役で映画デビュー。『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)でオリーヴ役を好演し、同年の放送映画批評家協会賞若手女優賞、東京国際映画祭女優賞を受賞。さらに第79回アカデミー賞では、史上4番目の若さ(10歳11ヶ月)で助演女優賞にノミネートされた。


 
今やゾンビは知らない人はいないほどその存在を定着させ、ホラーにコメディに大忙しだ。

ゾンビとは!?
おそらく実在するものではないので起源というのもおかしいが、Wikiではこうなっている。
Zombieゾンビは「生ける死体」として知られているが、元来は「お化け」や「妖怪」など『視認できる物の怪全般』を指す。ヴードゥー教のルーツであるヴォドゥンを信仰するアフリカ人は霊魂の存在を信じているが、こちらについては「目に見えないもの」として捉えている。 「ゾンビ」は、元はコンゴで信仰されている神「ンザンビ(Nzambi)」に由来する。「不思議な力を持つもの」はンザンビと呼ばれており、その対象は人や動物、物などにも及ぶ。これがコンゴ出身の奴隷達によって中米・西インド諸島に伝わる過程で「ゾンビ」へ変化し、対象も「不思議なもの」から「妖怪」へと変わっていった。

この説明ではまるで「早く寝ないと●●が来るぞぉ」の●●の言い伝えみたいですね。
いやでも実はですね、以前ヒストリー・チャンネルか何かで見たんですが、ゾンビ・パウダーを使ってゾンビを作る術がある と。
確か「うちの娘がゾンビになって墓から戻ってきた。ほらこの子です」って映像にも流れてました。
それは虚ろに一点を見て座っている娘さんで生気は無し。でも映画にあるように歩き回ったり走ったりもちろん人を食べたりはしてなかった。ほんまかいな、と思って見てたけど。
↑のWikiの続きにはこの「ゾンビパウダー」と「ゾンビ化」についても記述があります。詳しくはそちらで。
 
 
 
Whitezombieで、こんなゾンビが初めてフィルムに登場したのは驚くべき昔で1932年。
ドラキュラで有名なベラ・ルゴシ主演『恐怖城』(White Zombie)。タイトルの「White Zombie」というのは白人の設定だからかな。なかなか史実に忠実ですね。
ちなみにベラ・ルゴシ主演『魔人ドラキュラ』は1931年。

それからもぞくぞくと作り続けられ、とうとう登場
ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』Night of the Living Dead(1968)
Night_of_the_Living_Dead ジョージ・A・ロメロ監督作。
理性の喪失、頭部の破壊以外は不死身など現在のゾンビの基本的なルールをつくった作品であり、全編に横溢するカニバリズムや反モラル的ラストなど、当時のタブーに挑戦した内容。
ゾンビはもちろん、人食い○○、暴力映画、ゲームなんかが溢れる現代とは違って当時は相当物議を醸したことでしょう。
でもこの時はゾンビはまだよたよたと歩いている。

この後は色々な亜流やおかしなものも含め、ありとあらゆるゾンビ映画が製作された。

 ・1978年 ゾンビ(Dawn of the Dead) ジョージ・A・ロメロ
 ・1979年 サンゲリア(ZOMBIE) ルチオ・フルチ
 ・1981年 ビヨンド(…E tu vivrai nel terrore! L’aldilà) ルチオ・フルチ
 ・1981年 死霊のはらわた(The Evil Dead) サム・ライミ
 ・1983年 スリラー(Thriller) マイケル・ジャクソン/監督ジョン・ランディス
 ・1985年 死霊のえじき(Day of the Dead) ジョージ・A・ロメロ
 ・1985年 デモンズ(Dèmoni) ランベルト・バーヴァ
 ・1985年 バタリアン(Return of the Living Dead) ダン・オバノン
 ・1989年 ペット・セメタリー(Pet Sematary) メアリー・ランバート
 ・1992年 ブレインデッド(Braindead) ピーター・ジャクソン
 ・2002年 28日後…(28 Days Later) ダニー・ボイル ← 走るゾンビの先駆け的作品
 ・2002年 バイオハザード(Resident Evil) ポール・W・S・アンダーソン
 ・2004年 ドーン・オブ・ザ・デッド(Dawn of the Dead) ザック・スナイダー
 ・2007年 REC/レック(REC) ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ
 ・2008年 ダイアリー・オブ・ザ・デッド(Diary of the Dead) ジョージ・A・ロメロ

いやもうとても紹介しきれないので、興味のある方はこちらをご参照ください。

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こんなもう、どうしようもないほどゾンビ映画飽和状態の中で作られた『ゾンビランド』。
ゾンビマニアにもホラーマニアにも普通の人にもなぜ受けたのか。
それはゾンビをやっつけるのが主題ではなく、ゾンビの世界でいつの間にか捨ててしまっていた個々の「人間性」を取り戻すことに主眼を置いたコメディだったからではないかと思う。
あくまでも軽く、あくまでもさらりと、人として人と関わり生きることを突きつけてくる。
 
  友人もいない家族とも希薄な孤独ゲーマーおたく
  子供を無くし銃だけを頼りに一人生きている男
  誰も信用せず人をカモって世渡りしている姉妹
 
あなたはどれにも当てはまりませんか?
自分は一つ当てはまるかも。。
 
ではまた 

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