オムニバス・ホラー『V/H/S』シリーズ待望の第3弾。“待望”していたんだけど、何でしょう?この肩すかし感は・・?ベースとなるお話がうるさすぎたのか、話の組み合わせが悪かったのか、、、
■解説:
新世代ホラー監督によるオムニバスホラーシリーズ「V/H/S」第3弾。 本作は、世界中のファンタ系映画祭(イギリス:ロンドン・フライトフェスタ映画祭2014、ポルトガル:リスボン・国際映画祭(MOTELx)2014、アメリカ:オースティン・ファンタスティック映画祭2014、スウェーデン:ルンド・国際ファンタスティック映画祭2014、スペイン:サン・セバスティアン・国際映画祭2014、スペイン:シッチェス・カタロニア・国際映画祭2014等)で上映され、大絶賛を浴びている。■あらすじ:
数台のパトカーに追われ逃走中のアイスクリーム・バンを、スマホ片手にレポートしに外へ出たケビン。ところが、スマホを眺めていた周辺の住民が鼻血を流し始め ―
(amazon)
いつもなら不気味な屋敷で見つけた大量のビデオをデッキに入れていってくれるグループが登場するんだけど、3作目となる今回はそれは無し。代わりに冒頭から最後までを通してのホラー話が一つ。その合間に3話が出てくるが、4つともに関連は無く(それはいつもと同じ)、「一つところに置かれていた謎のビデオ」という接着剤も無いために、今思うと、何故あれらの話がいきなり始まったんだ・・・?(ポカン
ま、とにかくもいつものスタイルで各話をご紹介
Contents
#1 Vicious Circles
監督・脚本:マルセル・サーミエント
出演:エミリア・ゾリアン、パトリック・ローリー
あらすじ:逃げるアイスクリーム屋さんと複数のパトカーのカーチェイスに、彼女が止めるのも聴かずビデオカメラを持って家を飛び出したケビン。動画サイトにアップする事で頭が一杯の彼だったが、彼の後から茫然自失の体で家を出てきた彼女アイリスが逃走中のアイスクリーム屋に連れ去られ、目が覚める。猛然と自転車で車を追いかけるケビンだったが ―
可愛いんですよ、この彼女が。ケビンも男前の美男美女カップル。アッツアツの二人なんだけどケビンはプー太郎。その息子にケビン親がキレまくりケビンはストレスにさらされている(身勝手)。そこで「何か大きな事をやってやる」って美人の彼女アイリスに夢物語を語っている彼だけど、それには全く現実味が無い・・・。結婚しているわけでもないのに、どんどんやつれて所帯じみていくアイリスは可哀想なくらいの現実味。
そこに降ってわいたカーチェイス動画で一発当ててやろうと家を飛び出したケビンだが、同じ穴の狢はわんさかと街に出ており、よく似た動画がどんどんアップされていく。その上、彼女が逃走車に拉致されて、ケビンは目が覚め、車を必死に追いかける。が、同時に街の人々はどんどんと何かに変わっていくのだった、、みたいな話。
いつもと違ってかなり賑やかな最初の作品。ベースになる内容でも無く、今回は全部が独立しているため、ちょっと混乱した。この1作目が一番長く間に3作品を挟みながら続いていくものの、はっきり言ってあんまりオモシロクナイ・・・。
見どころは彼女の美貌がどんどん失われていく様でしょうか。そういう意味でもケビンは罪作りなヤツ。
#2 Dante The Great
監督・脚本:グレッグ・ビショップ
出演:ジャスティン・ウェルボーン、エミー・アーゴ
あらすじ:ある謎のマントを手に入れて強大な力を持ったマジシャン、ダンテ。ショーのチケットは完売に次ぐ完売で超売れっ子の彼だったが、彼の周りで人が消えていくことを不審に思ったFBIは捜査を開始、ダンテの一番の女性弟子の証言をとることに成功する。しかし、その内容はとても信じられるようなものではなかった ―
何かなー、この既視感。ところどころ面白かったものの、ありがちな話で退屈してしまった。それより何より、このうだつの上がらない、冴えない男がどうやってこのマントを手に入れた?だって歴代の有名なマジシャンが持っていたようじゃないですか?
ま、そこが最大の謎ですな。
#3 Parallel Monsters
監督・脚本:ナチョ・ビガロンド
出演:ガスタボ・サルメロン、マリアン・アルバレス
あらすじ:平行世界に通じるドアを作り出した発明家アルフォンソ。ある夜、ドアの向こうを覗いてみると、そこにはこちら側と全く同じだが左右逆の鏡の世界が広がっていた。そしてそこに、同じく向こうの世界の自分と出会うことになった彼は、住む世界を15分だけ交換してみることに ―
鏡の世界に迷い込んだ男の悲劇なお話。鏡の世界の住人達はこちら側と外見は瓜二つであるものの、その実態は世にも恐ろしい生き物だった、と。それを監督は歪んだエロさで表現しております。それにしても最初の儀式みたいなモノはいったい?どうにも想像つかなくて、いまだにモヤモヤする。
■監督の主な作品
・TIME CRIMES タイム クライムス (2007)
・エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる (2011)
・ABC・オブ・デス (2012)
・ブラック・ハッカー (2014)
・TIME CRIMES タイム クライムス (2007)
・エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる (2011)
・ABC・オブ・デス (2012)
・ブラック・ハッカー (2014)
#4 Bonestorm
監督・脚本:ジャスティン・ベンソン、アーロン・ムーアヘッド
出演:ニック・ブランコ、チェイス・ニュートン
あらすじ:毎日退屈しているチョイ悪スケボー少年達は、クールな映像を撮るためにわざわざメキシコのティファナへ出向くものの目指していた場所を見つけられずにいた。そこで、奇妙な儀式の後のようなモノが散乱する排水路で楽しむことに。が、しばらくするとボロを着た不気味な奴らが突然現れ、武器を持って彼らを襲い始めた ―
短編はいいよねー。原因とか理由とか正体とか。その全部が分からなくても、解明されなくてもお話になっちゃうからねー。これもその類い。メキシコの亡霊と戦うことになってしまった少年達のお話だけど、亡霊の正体は不明。その上、適度に弱いから、どんどん、まるでゲームみたいに少年達が倒してく(ま、中にはいきなりヤラレるのもいるんだけど)。
それだけのお話を今流行のアクションカメラ(か?)をヘルメットに付けて撮る映像は斬新で、故に何故彼らは皆、男前なのかがここで判明する。
ということで、案外このお話が一番のお気に入りかも。
お気に入りな理由が分かりましたわ。割と好きな『キャビン・イン・ザ・ウッズ』の監督達じゃありませんか。それにもうすぐレンタル開始の『モンスター 変身する美女』の監督でもある。なるほどねー
ということで全4話。
今回は狂言回し的なベースになるお話が無かったためか、どうも纏まりが悪く、前2作品に比べて全体的に面白くなくなった印象。
・・・と文句だけではアレなんで、ちょっといいところも。それは4話とは直接関係ないものの、1話目のカーチェイスの裏側で起きていた悲惨な(もとい笑える)ショート・ストーリーが案外面白かったこと。タイトルも無いその一つは「あるギャングの末路~フォークワンコの砦」。もう一つは「今時女子の憂鬱~お気軽動画へようこそ」。
ついでだからサブタイトル付けておいてあげたよ。本編中で探してみてね。
このブログの前2作品の感想はこっち
・V/H/S シンドローム
・V/H/S ネクストレベル
コメント
コメント一覧 (1件)
V/H/S ファイナル・インパクト
V/H/S: VIRAL
2014年
アメリカ
82分
ホラー
劇場未公開
監督:
マルセル・サーミエント
「Vicious Circles」
『ABC・オブ・デス』
グレッグ・ビショップ
「Dante The Great」
『悪魔の毒々パー…