『スリープレス』(2001) - NON HO SONNO –

discasではホラーに分類されていたけれど、これはダリオ・アルジェント監督による、きちんとした猟奇サスペンスもの。アルジェント風の鮮烈な赤や青はあまり出てこないが、最初の列車シーンは無機質に輝く車両と照明、逃げ惑う女性、それを追う姿無き殺人犯に目が釘付けに。そして最後の最後まで、何も見逃さないぞ、と目を見開いたまま観続けた自分がいたのだった。

■スリープレス – NON HO SONNO -■

Sleepless

2001年/イタリア/117分
監督:ダリオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
製作総指揮:クラウディオ・アルジェント
撮影:ロニー・テイラー
音楽:ゴブリン
出演:
マックス・フォン・シドー(モレッテイ警部)
ステファノ・ディオニジ(ジャコモ)
キアラ・カゼッリ(グロリア)
ロベルト・ジベッティ(ロレンツォ)
ロッセラ・ファルク
ガブリエル・ラヴィア

解説:
イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督が、名優マックス・フォン・シドーを主演に迎えて描くスタイリッシュなサスペンス・スリラー。 (allcinema)

あらすじ:
17年前に起きた女性ばかりを狙った猟奇連続殺人事件。モレッティ警部が陣頭指揮を執り捜査を進めていたが、容疑者の男が謎の死を遂げ幕を閉じたのだった。しかしその17年後、同じような女性連続殺人が起き、犯人が残した動物の切り抜きから、この事件は模倣犯ではなく同じ犯人によるものだと推理した元警部は、17年前にこの犯人に母親を殺された青年ジャコモと一緒に捜査を始めるが-

英題:Sleepless


「小人殺人事件」
1983年、イタリア北部の街トリノで起きた猟奇連続殺人事件である。犠牲者は3人でみな女性。殺され方は様々で首をナイフで切られた娼婦、楽器で滅多打ちにされ殺された母親などがいた。当時、市警の警部だったモレッティはこの捜査の陣頭指揮を執り、容疑者をある1人の作家に絞っていった。この作家ヴィンチェンゾは小人症で身体は小さいが、その著作はサイコ殺人を題材にしており怪しまれていた。

2人目の犠牲者である女性の息子ジャコモは、母親が滅多打ちにされ殺されていく現場にいた数少ない証人だったか゛、犯人の顔は見えておらず決定的な証拠は挙がっていなかった。そしてある日、川で腐乱死体が流れているのが発見された。その死体がヴィンチェンゾだったことから、この人々を震撼させた連続殺人は容疑者死亡という形で幕が下りたのだった。

そしてその17年後。またあの悪夢の殺人が始まった。
最初の犠牲者は娼婦で列車内で殺され、駅で待っていた彼女の友人も殺されているのを発見される。担当の刑事は今は退職しているモレッティに話を聞きに行くが、報告書にある以外には何も覚えていないと言う。そうこうしている内に次の犠牲者が出て、あせる警察は、前の犯人は死んでいることから模倣犯だと考えた。

そんな中、モレッティがふと思い出した奇妙な子守唄。
眠れない農家の男がその原因となっている動物を一匹ずつ殺していき、終わったところでぐっすり眠る、といった内容で、前回の連続殺人事件の時に犠牲者の近くに置かれていた切り絵が、その動物の順番であったことに気がつく。
今回始まった連続殺人の犠牲者の1人にも、この切り絵が置かれてあったことから、これは模倣犯ではなく同じ犯人ではないかと考えるモレッティ。おりしも17年前の犠牲者の息子ジャコモが久しぶりに故郷に帰っており2人が出会えたことで、警察とは別に独自の捜査を始めたモレッティとジャコモだったが-

犠牲者は女性ばかりということで、今回もアルジェント監督は女性をいたぶり、痛めつける。とは言え、ピンで目の玉を刺すなどの思わずのけぞる殺し方ではなく、がんがん頭を打ち付ける、ナイフで切り裂く、物で顔を滅多打ちなどの力任せの殺し方が多い(ので、いつもよりマシ)。

後ろを振り向きながら殺人者から必死で逃げようとするか弱き女性のシーンは、本作でもいい。 今回は闇夜の道や薄暗い廊下ではなく、メタルな列車内で追われる。どちらにせよ細長く逃げ場のない列車内。客はおらずがらがらで、唯一助けを求めた車掌さんも血を流して倒れている始末。この恐怖と絶望感がとてもアルジェントです。

また本作はサスペンス・ミステリーなので一応、最後まで犯人は分からないことになっているが、結構はじめの方に犯人が落とした高価な万年筆から「アイツだな」という大いなるヒントが(隠しもせず)置かれている。
物語全体も2009年の『ジャーロ』に感じたような、ちょっとへんちくりんなストーリーと違ってきちんとサスペンスとして描かれており、マックス・フォン・シドーの重厚感も合わさって安心して観ることが出来る。
なので、あの独特のキンキンしたダリオ・アルジェントの世界にどっぷりつかることが出来るゾ。

が、最後だけ。どうしてあそこで警察が来たのかは台詞に理由があったとして、何故、発砲したのかがちょっと分からなかった。気になったのはソレくらいカナ..
それにしても事件のヒントになった子守唄。こんなの聞きながらホントに眠れるのかいな、怖すぎる。
ではまた

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • ダリオ・アルジェント作品は女性を虐めたり殺したりの初っ端がいいですよねー。
    途中は案外、普通のサスペンス風になっているのも特徴でしょうか。
    この映画でも最初のピカピカした列車内での事件が印象に残ってます。

    (途中は忘れちゃったのをごまかしてます^^;)

  • >何故、発砲したのかがちょっと分からなかった。気になったのはソレくらいカナ..
     
    いきなり発砲しましたもんね(笑)
    いくら窓から銃を持ってるのがわかったとしても、
    どっちが悪かなんて外からじゃ~わからない、
    その適当なところにもダリオ節を感じてしまいました(笑)

  • スリープレス

    1983年トリノで起きた「小人殺人事件」は犯人死亡ということで一見落着したかのように思われてきた。ところが17年後、奇妙な性癖を持つ男に関わったコールガールとその女友達が相次いで惨殺され…。
    当時の担当刑事役のマックス・フォン・シドーさんと遺族である青年ジャコモが犯人を追うという展開です。
    ストーリーの合間に次々と若い女性が殺されていきます。一応子守唄になぞらえて殺していくという大筋です…

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