ダリオ・アルジェント 『ジャーロ』(2009) - Giallo –

momorexです。
今日はダリオ・アルジェント監督作品『ジャーロ』をご案内。


■ジャーロ■ 2009年/アメリカ=イタリア/92分
監督:ダリオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント、ジム・アグニュー、ショーン・ケラー
出演:
エイドリアン・ブロディ (Inspector Enzo Avolfi)
エマニュエル・セニエ (Linda)
エルサ・パタキ (Celine)
ロバート・ミアノ (Inspector Mori)



日本語の台詞で始まるこの映画。
「えっ?吹き替えだったか?」とびっくりするところから見始めることに(自分がそうでした)。

Giallo

イタリアの日本女性2人。犯人の毒牙に

監督はダリオ・アルジェント/Dario Argento。
代表作に

・ジャーロ (2009) 監督  
・サスペリア・テルザ 最後の魔女 (2007) 監督/脚本/原案  
・愛と欲望の毛皮 (2006) 監督  
・愛しのジェニファー (2005) 監督  
・デス・サイト (2004)<未> 監督/脚本  
スリープレス (2001) 監督/脚本/原案  
・ダリオ・アルジェント 鮮血の魔術師 (2000) 出演  
・スカーレット・ディーバ (2000) 製作  
・オペラ座の怪人 (1998)<未> 監督/脚本  
・ダリオ・アルジェント 鮮血のイリュージョンPART3 (1997)<未> 出演  
・肉の鑞人形 (1997) 原案/製作  
・スタンダール・シンドローム (1996) 監督/脚本/原案/製作  
・トラウマ/鮮血の叫び (1992) 監督/脚本/原案/製作  
イノセント・ブラッド (1992) 出演  
・デモンズ4 (1991)<未> 脚本/製作  
・ダリオ・アルジェント ビザール・オペラ/新・鮮血のイリュージョン (1991)<未> 出演  
・キング・オブ・アド (1991) 監督  
・マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴 (1990)<未> 監督/脚本/製作総指揮  
・デモンズ3 (1989) 脚本/製作  
・オペラ座/血の喝采 (1988) 監督/脚本/製作  
・デモンズ2 (1986)<未> 脚本/製作  
・アルジェント・ザ・ナイトメア/鮮血のイリュージョン (1986) 出演  
・デモンズ (1985) 脚本/原案/製作  
フェノミナ (1984) 監督/脚本/製作  
・シャドー (1982) 監督/脚本  
・インフェルノ (1980) 監督/脚本  
・ゾンビ/ディレクターズカット完全版 (1978) 音楽  
・ゾンビ (1978) 音楽  
・サスペリア (1977) 音楽/監督/脚本  
・4匹の蝿 (1971) 監督/脚本

などなど、そうそうたるホラー、サスペンス作品が並びます。
有名な作品はいくつもありますが、中でも代表作となるのは

とりあえず置いてありますけど的なジャーロ公式HPには

ジャーロの帝王・ダリオ・アルジェント×オスカー俳優・エイドリアン・ブロディが放つ、ダークでロマンティックな残酷スリラー!
『サスペリア』『フェノミナ』『サスペリア・テルザ最後の魔女』と、華麗なる恐怖で世界中のファンを熱狂させてきた鮮血の貴公子、ダリオ・アルジェントの新作が遂に日本解禁!イタリアン・ホラーの巨匠として名高いアルジェントが、自身の原点である“ジャーロ”と称される猟奇スリラーに回帰。同ジャンルの歴史的名作『サスペリアPART2』を放った“スリラー作家”アルジェントの集大成でありながら、観客の予想を覆す衝撃の展開を用意した全く新しいタイプの作品を完成させた。

と紹介されています。

ロマンティックかどうかはさておき、この『ジャーロ』の正しい楽しみ方は「誰が犯人なのか?」や「次の犠牲者は?」や「度肝を抜くようなどんな殺され方するのか?」や「最後にすごいどんでん返し」ではなく、まず過去のアルジェント監督作品を懐かしむ事にあります。

【以下、ネタバレ文や画像があるかもしれません】

簡単なあらすじは-
北イタリアの都市トリノ。外国人美女ばかりを狙う誘拐殺人事件が続発していた。犯人の手口は改造タクシーを走らせ、乗車してきた女性を秘密の隠れ家に拉致し、柔かな肌を鋭利な刃物で切り苛むもの。新たな標的になったのはファッションモデルのセリーヌ(エルサ・パタキ)。突然消息を絶った妹を探して、姉リンダ (エマニュエル・セニエ)は猟奇殺人専門のエンツォ警部(エイドリアン・ブロディ)を訪ねる。共に捜査をすることになった2人は、事件の被害者が死の間際に残した「彼は黄色い」という不可解な言葉から、謎の殺人鬼“ジャーロ(イエロー)”の正体に迫ってゆく-。

監督代表作をいくつか観たことがあれば、「おっ」という懐かしい場面が随所に。


↑は雷の鳴る雨の中、ホテルへ帰るタクシーを探す日本女性。
雨の中、異国の地で不安な様子が見て取れる。『サスペリア』の名場面を彷彿とさせる。

他にも (痛いシーンなので小さくサムネイルしてます。)

など、お馴染みのシーンに似た場面が。

しかし、どうしてなのか?なんか不完全燃焼感が残る。
・「赤」が「赤」じゃない。上品すぎる
・そこっ!目玉じゃない!
・首になんか嘘の肉を付けてるっ
・落ち方が中途半端だぁぁぁ。上からずっと見てたいのにっ
など、以前の代表作がストレートな表現だったのに比べると、今作はちょっと横にずれて寸止めされた物足りなさが。
それになんだか古くさく感じられる作りと音楽。

主演女優も一昔前な感じ。(あくまでも個人の感想です。他の女優は美人)

Giallo
エマニュエル・セニエ(ロマン・ポランスキー監督夫人)

猟奇殺人専門のエンツォ警部(エイドリアン・ブロディ)の設定はまるで某アメリカドラマの某有名モルダー捜査官だ。

子供の頃起こった家族がかかわる事件によりトラウマを持っており、変人に指定。
オフィスは一人地下の1室に追いやられ、壁には事件被害者の写真が一杯。
モルダー捜査官より部屋が広いのが唯一の救い。
気にかけてくれる上司が一人いるのはありがたい。

話には特になんのひねりもなく、よくある感じで進む。
変に刑事ドラマやサイコものを見過ぎてるせいか、ありえない捜査方法と進め方に疑問が起こり、イタリアはアメリカと違ってのんびりしてるのかな?などと色々と補完しながら見進めなくちゃならない。

それにエイドリアン・ブロディが煙草を吸う吸う。
もうすごいチェーンスモーカー。
煙草を吸うシーンがほとんど無くなったアメリカ映画を見慣れてしまっているのか、これには古い映画を見るような感じがすると同時に新鮮ささえ。

などとブツブツ思いながら映画は最後のクライマックスへ。
ずっと1970~80年代物風の作品を展開されて、もはや気になるのは最後だけという状態で
ストンっと終わる。
悪い意味ではなく、最近流行の夢落ち系作品に負けない素晴らしいエンディングシーン。
70年代だ、中途半端だ、アルジェントも終わった、などのがっかり感が全て吹っ飛ぶ。
監督はこのエンディングだけを作りたいためにこの映画を撮ったんではないか?と思えるくらいだ。

さぁ、あなたはこの『ジャーロ』観ますか?
面白いと感じるのも、時間を無駄にしたと思うのもあなた次第です。
ではまた

おまけ■
 Giallo他にも日本人設定の人が

Giallo

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