カラカラに乾いた荒野に、もっと乾いた男たちの生きざまを描いた1970年代の作品。誰が「正」で誰が「邪」なのかは時代によって扱いが変わる。後にたくさんの作品に多大な影響を与えることになった世紀末作品。それが『マッドマックス』だっ(‘ω’)
■ マッドマックス – Mad Max – ■
1979年/オーストラリア/94分
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジェームズ・マッカウスランド、ジョージ・ミラー
撮影:デヴィッド・エグビー
音楽:ブライアン・メイ
出演:
メル・ギブソン(マックス・ロカタンスキー)
ジョアン・サミュエル(ジェシー・ロカタンスキー)
スティーヴ・ビズレー(ジム・グース)
ヒュー・キース・バーン(トゥーカッター)
ジョフ・パリー(ババ・ザネッティ)
ティム・バーンズ(ジョニー・ザ・ボーイ)
ロジャー・ワード(フィフ・マカフィー)
ヴィンス・ギル(ナイトライダー)
スティーヴン・クラーク(サース)
ジョン・リー(チャーリー)
■あらすじ
荒廃した近未来。暴虐の限りを尽くす暴走族集団が横行していた。
暴走族取締を専門にしていた警官マックスは相棒の死をきっかけに上司に辞表を出し、愛する家族と一緒に休養の旅に出る。が、旅先でトゥーカッター率いる暴走族集団に絡まれ、妻子を惨殺されたマックスは復習の鬼と化す-
Contents
監督 ジョージ・ミラー
『マッドマックス』で監督・脚本を担当し、長編映画デビューを果たした。
この作品で大注目された後は、プロデューサーや脚本家の位置づけでも活動している。
■主な作品
- マッドマックス Mad Max (1979年)
- マッドマックス2 Mad Max2:The Road Warrior (1981年)
- トワイライトゾーン/超次元の体験 Twilight Zone: The Movie (1983年)
- マッドマックス/サンダードーム Mad Max Beyond Thunderdome (1985年)
- イーストウィックの魔女たち The Witches of Eastwick (1987年)
- ロレンツォのオイル/命の詩 Lorenzo’s Oil (1992年)
- ベイブ/都会へ行く Babe: Pig in the City (1998年)
- ハッピー フィート Happy Feet (2006年)
- ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊 Happy Feet2 (2011年)
- マッドマックス 怒りのデス・ロード Mad Max: Fury Road (2015年)
- マッドマックス ザ・ウエイストランド Mad Max: The Wasteland
ハードなバイオレンス作品は『マッドマックス』くらいで後はファンタジーなものが多いのは意外だった。
主演 メル・ギブソン
この『マッドマックス』で注目され『リーサル・ウェポン』(1982)シリーズで人気が確定した。
今の今までオーストラリアの人と思ってたんだけどWikiによると1956年アメリカ生まれ。父親の事業の失敗で1968年に家族でオーストラリアに移住したということだ。
多数の出演作以外にも監督作として『ブレイブハート』(1995/アカデミー監督賞受賞)、『パッション』(2004)、『アポカリプト』(2006)がある。
自分が好きな出演作は『サイン』(2002)です。
『サイン』 (2002) – Signs –
M・ナイト・シャマラン監督作品の中で一番のお気に入り『サイン』がとうとうこのブログに…。この作品はスリラー味たっぷりのSFホラーなんだけど、ラストは何度観ても…
公開から40年以上たつのにこの日本でもコアなファンが多いこの映画。どういったところに魅力があるのか?
『マッドマックス』の魅力
1.世紀末思想
世紀末(せいきまつ)とは、一つの世紀の終わりの時期、世紀の末のことである。当然、どのような紀元の暦法であれ「世紀末」は存在するが、日本語では特に断りがなければ西暦の世紀末を指すのが一般的である。歴史的には、19世紀末の西洋文化思潮(Fin de siècle)を指す語として用いられる。
本来、「世紀末」という語自体は価値中立的であるが、日本では「世の終わり」と混同されることがままある。 Wikiより
このように本来の意味から一人歩きした「世紀末」という概念(荒廃した世界、未来への絶望)が1980~1990年代に映画や小説等フィクションの中で設定として使われるようになった。Wikiによるとその元となったのが『マッドマックス』や『北斗の拳』らしい。偉大だ。
ではなぜこれが人々に受け入れられるのか?
今の不満を全部捨てて何かの節目にかこつけ新しいことがしたい、新しいものが欲しい!「世紀末」もの作品には必ずと言っていいほどヒーローが登場し問題を解決してくれる。ようするに何か新しいことを始める際に抱く不安感、恐怖感をヒーローが拭い去ってくれるのだ。
1980年前後の日本にはこの『マッドマックス』のように暴走族が蔓延りだしていた。箱乗りした車で、五月蠅いバイクで、旗を振り暴走し一般車を襲撃。ホントにあったんです(当時、土曜の夜は車を出すなと言われたほど)。
日本でこの映画が人気なのはこんな理由もあるのかな、と思ってみたり。
2.かっこいい車と日本製バイク
(1の暴走族嫌悪と相反するようですが)
‘キュルキュルキュルーーッ’とタイヤを鳴らせて次々と出てくるんです。
※1970年代は日本でもフェラーリやランボルギーニなどの「スーパーカー」がブームになった。
元々低予算なのにその大半を改造につぎ込んだ警察車「インターセプター」他一般車両、暴走族達のHONDA、KAWASAKIバイク。それらを使ったクラッシュシーンは今のCGなんかを使ったものとは違って「生」の演出を多用。実際、クラッシュしたバイク運転手が頭を打って死亡したという噂があったほど(否定する意見もあり)。
では有名なクラッシュシーンなんかの一部をご覧ください。
3.個性強烈な登場人物
主演メル・ギブソンはじめ脇を固める個性豊かな俳優達はほとんど知られていなかったため、特に暴走族側の人はかなりリアル。実際に台詞の無い一部暴走族は当時オーストラリアで社会問題となっていた本物を登用。真実味を持たせかつ制作費を安く上げたということ。
では、ご覧いただこう
4.悲しきヒーロー
相棒の死後フィフ隊長に辞表を出したマックス。その理由を聞かれて「(暴走族を追って)暴走することが楽しくなってきた。それが怖い」と答える。
家族の敵を討って暴走族達を次々と血祭りにあげたマックス。
全てが終わった時、彼が感じたものは?
荒廃した砂埃舞う地に、傍若無人の輩が跋扈する世界観を描く『マッドマックス』。
この地に何があり荒廃してしまったのかはこの作品内では語られていないが、いつの時代にも置き換えることができる舞台設定と言える。
これが後の国内外の多くの作品に影響を与えた理由と言えるだろう。
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これからの『マッドマックス』
この第1作以降、マッドマックスは進化を続け、第4作目として2015年に公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、記憶に新しい(管理人momorexさんは3回、劇場に観に行ったよ。3回目は4DXというアトラクション仕様で(‘ω’)。
進化はまだ続いており、 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を1とした新3部作の計画があり、他にもフュリオサ隊長の過去を描くスピンオフ作品『フュリオサ(原題)』も始動しており2023年に公開予定とのこと。文句は言いません。文句は言いませんが、この乾いた荒野と吹きすさぶ風をなにとぞお忘れなきよう、どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた
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