実在する世界『グランツーリスモ』(2023)

久しぶりのレーシングもの作品。なんでしょうね、この血わき肉躍る感じは(*’▽’) それも以前に観た大好きな『ラッシュ/プライドと友情』と同じく実話が元になっている。こんなことがあったとは、それも日産で…
肉躍ると同時に何か悲しくなってくるのは私だけでしょうか・・・?

■ グランツーリスモ  – Gran Turismo – ■

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2023年/アメリカ/134分
監督:ニール・ブロムカンプ
脚本:ザック・ベイリン、ジェイソン・ホール
製作:ニール・ブロムカンプ他
製作総指揮:ジェイソン・ホール、山内一典 他
撮影:ジャック・ジューフレ

出演:
デビッド・ハーバー(ジャック・ソルター)
オーランド・ブルーム(ダニー・ムーア)
アーチー・マデクウィ(ヤン・マーデンボロー)
ジャイモン・フンスー(スティーブ・マーデンボロー)
ジェリ・ハリウェル・ホーマー(レスリー・マーデンボロー)

■解説:
世界的人気を誇る日本発のゲーム「グランツーリスモ」から生まれた実話をハリウッドで映画化したレーシングアクション。

映画.com


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感想

レーシングスーツってどうしてあんなにかっこいいんだろーなー(*’▽’) ぴったりしたスーツにたくさんのブランドと共に自分の名前を神々しく貼り付けて、折りたたむように乗り込む最新鋭のコックピット。このマシンは大勢の知恵と勇気と汗と涙の結晶であり、それを自在に操る若者の人生と命までをも包み込む。
そして滑り出すのだ、轟音と共に ─

以前観て大好きになった作品『ラッシュ/プライドと友情』。
これは1970年代のF1レーサーの物語。タイプの違う2人のレーサーが主人公で、彼らのレースにかける生き様と人生を、最新鋭のマシンとスピード、独特の映像美を使って表現していくロン・ハワード監督作品。F1のスピードに乗せて2人のレーサーと周囲の人間を深堀していく人間ドラマが展開していく。ゆっくりで速く、冷たくて暖かい。そんな作品をぜひ観てほしい。


今度の作品はどんなのだろう?それも監督はSFが得意のニール・ブロムカンプ監督だよ?と興味津々で楽しみにしていた本作『グランツーリスモ』。CGでどんどん未来の世界を描き出していくニール・ブロムカンプ監督が、本作はほぼほぼ実写で撮影していったという点も興味深い。けれど今回わかった気がする。あの実写と見紛うばかりのCGの世界を創り出すには実写で撮り表現することができるからこそなのだって。

並の人間ではとうてい目で見ることが出来ない時速360kmの世界。
それをまるで大型テレビに映るTVゲームの一場面のようにわかりやすく見せてくれる監督。レースが始まる時、踏み込むアクセルと共に身体に打ち付けるG。バンパー付近にへばり付き、まるで一緒にレースに参加しているような黄色い落ち葉。『ラッシュ/プライドと友情』でも書いたくいッと動かす小さなハンドル。そう言えばマリオカート含むレーシングゲームをする時は、大きくハンドルを動かすとコースから飛び出ちゃう。昔からレースゲームは実際のレーシングカーを運転する感覚で作られていたんだなーと今更ながら考える。

今回の題材『グランツーリスモ』はご存じの通り、1997年に誕生した国産のプレイステーション用ゲーム。今まで知らなかったけれど、このゲームはただのレーシングゲームではなく山内一典氏が作り出したレースシュミレーションソフトとも言われている。レーシングカーのパーツ組み合わせから実在するレース会場の風の向きに至るまで全てが本物と言っていい。
だからこそこのソフトを長時間やりこんだ本作主人公ヤンはただのゲーマーではなく、誰よりもレーシングカーとトラック・コースに詳しい者の一人になった。

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レースの世界をゲームに落とし込んだ山内氏と同様に、今度はゲームの世界の人間を現実世界に引きずり出す、どう考えても向いてないんじゃないんだろうか?と思えるインドア派(と思われる)ゲーマーをプロのレーサーに育てていくというプロジェクト「GTアカデミー」。これを思いつき企画と咲いて打ち出したダニー・ムーア(オーランド・ブルーム)とGOサインを出した日産はすごい!

そして何よりゲーマーの中に複数の潜在的プロレーサーがいたことにも驚く。もちろん簡単になれるはずもなく、映画のシーンであった厳しい訓練の様子はほんの一部に過ぎないだろうけど…。けれど彼らは食いつき決して離さず諦めなかった。
本作は先の見えない時代の中で、決して諦めなかった若者と決して見捨てず応援を惜しまなかった男たちの物語。もちろんこういった話にお決まりの、わかってくれない父親や嫌な感じのライバルも登場してますます彼らを盛り上げてくれるよ(*’▽’)


ラッシュ/プライドと友情』に比べてスピード感を持って進んでいく本作は、わかりやすく決してだれることのない134分を保証してくれる。日産の車と、あまり車に詳しくないとしてもレーシングカーのスピードを嫌いでないのであればぜひ映画館で鑑賞を。
やっぱり映画館はいいわ、こういった作品は特に(‘ω’)

ニール・ブロムカンプ監督作

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