『プロメテウス』(2012) - Prometheus –

人類は、どこから来たのか?
その永遠なる疑問の答えは、宇宙の果てに眠っていた-

■プロメテウス - Prometheus -■

Prometheus

2012年/アメリカ/124分
監督:リドリー・スコット
脚本:デイモン・リンデロフ、ジョン・スパイツ
製作:リドリー・スコット、トニー・スコット、デヴィッド・ガイラー他
製作総指揮:マーク・ハファム、マイケル・エレンバーグ、マイケル・コスティガン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:マルク・ストライテンフェルト

出演
ノオミ・ラパス(エリザベス・ショウ)
マイケル・ファスベンダー(デヴィッド)
ガイ・ピアース(ピーター・ウェイランド)
シャーリーズ・セロン(メレディス・ヴィッカーズ)
イドリス・エルバ(キャプテン・ヤネック)
ローガン・マーシャル=グリーン(チャーリー・ホロウェイ)
ショーン・ハリス(ファイフィールド)

解説:
巨匠リドリー・スコットが人類最大の謎である<人類の起源>に挑戦した、壮大にして深遠な3Dエピック・ミステリー
『エイリアン』『ブレードランナー』『グラディエーター』などで映画史上に幾多の金字塔を打ち立ててきたリドリー・スコット監督。革新的なヴィジュアリストであり、野心的なテーマの探求者としても名高い希代のフィルムメーカーが、輝かしいキャリアの集大成というべき空前絶後のエンターティメント巨編を完成させた。  (作品パンフレットより)

Contents

あらすじ:

2089年。スコットランドのスカイ島で3万5000年前の洞窟壁画を発見した考古学者エリザベスと公私ともにパートナーであるチャーリー。その「宇宙に浮かぶ星を指さす巨人」の壁画は、世界のあらゆる場所、あらゆる時代の古代遺跡にある壁画と同じ構図であることにも気づき、これこそが地球外に知的生命体が存在する証であり、人類の起源を明かす事への第一歩ではないかと考える。

2093年。エリザベスとチャーリーは他の科学者と一緒に、巨大企業ウェイランド社が完成させた宇宙船プロメテウス号で巨人が示す星へと向かっていた。精巧なロボット、デヴィッドの管理の下、催眠状態で2年を過ごした彼らは、ようやく巨人が指さす宇宙の果てにある星に到着した-


見どころと感想

確信をもって言えるのは、
この宇宙に知的生命体は人類だけであるはずがないということだ。
 (リドリー・スコット)

エイリアン(1979)』が公開されてから30余年。同じ監督リドリー・スコットによって『エイリアン』の前日譚である本作『プロメテウス』が今夏ようやく公開された。
どんなストーリーになるんだろう、「エイリアンの前日譚」という事だったが「人類の起源」とも言っているし、あのギーガーの「エイリアン」とは全然関係ない話なんだろうか?などと、わくわく、そわそわしながら公開を待っていた。
ようやく昨日、映画館へ(今年1月からブログを始めて映画館で観た作品の記事は2本目という…)。

Prometheus

映画開始10秒で、「おぉー!映画館に来て良かった!」と一人心の中で叫ぶ。
自分の乏しい経験からは見たことも無い壮大な景観が続くプロローグ。これは実際の撮影なのか?それともCG?
パンフレットによると、プロローグとクライマックスの撮影はアイスランドで行われたという事だ。プロローグの大事なシーンで使われた滝は「デティフォスの滝」。アイスランドには、この他にも一種神がかったような壮大な景色と滝が多くある。(Wiki:アイスランドの滝)

ブレードランナー』監督リドリー・スコットの『エイリアン』がらみのSFということで、息が詰まるような閉塞感いっぱいの作品だと勝手に想像していたから、これには面食らった。
あの『グラディエーター』でさえ、作り込んだセットにかぶせてCGが多用されていたため、空撮されたコロシアムのシーンは、半ば夢の中のような実在感の乏しさを感じたものだった。
しかし本作は、まるでナショナル・ジオグラフィックの作品のような本物の自然大写しで始まる。それもそうだ。おそらくこのシーンは、生まれて間もない地球の躍動、山が形成され、水が流れ落ち、生物が発生する(ここまでで約20億年経っている)。これらを表現しているのでは。しかし、そんな生物発生前の地球で

空には巨大な物体が浮かび、滝の縁に佇む一人の生物

こうしてリドリー・スコットの『プロメテウス』は始まる-

プロメテウス(古典ギリシア語:Προμηθεύς, Promētheus)
prometheus_brings_fire_to_mankind
ギリシア神話に登場する神で、ティーターンの1柱。
エピメーテウスの兄である。その名は、pro(先に、前に)+metheus(考える者)で、「先見の明を持つ者」「熟慮する者」の意。

ゼウスは人類から火を取り上げたが、プロメテウスはヘーパイストスの作業場の炉の中にトウシンソウを入れて点火し、それを地上に持って来て人類に「火」を渡した。
火を使えるようになった人類は、そこから生まれる文明をも手に入れることになった。その行いに怒ったゼウスは、権力の神クラトスと暴力の神ビアーに命じてプロメテウスをカウカソス山の山頂に張り付けにさせ、生きながらにして毎日肝臓をハゲタカについばまれる責め苦を強いた。
プロメテウスは不死であるため、彼の肝臓は夜中に再生し、のちにヘラクレスにより解放されるまで半永久的な拷問が行われていた。  (Wiki:プロメーテウス)
    

プロメテウス号

Prometheus

プロメテウス号はウェイランド社の莫大な資産によって作られた宇宙船だ。その目的はただ一つ。考古学者エリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイの両博士が提唱する、人類の想像主を捜す旅につくこと。

それは両博士が2089年に発見した遺跡をはじめとする、世界中に散在する古代の洞窟壁画に端を発している。その壁画にはどれも宇宙の星を指さす巨人が描かれており、博士はその巨人こそ、人類を創造した‘エンジニア’で、その壁画は創造主からの招待状ではないかと考えたのだ。

Prometheus

この途方もない説に乗った巨大企業ウェイランド社(注。老齢の社長ピーター・ウェイランドは、その惑星を探査するための一大プロジェクトを立ち上げ、宇宙船を建造し、両博士に同行する科学者を含むクルーを選抜。同時に、搭乗する人間の世話をするロボット「デヴィッド」の用意もした。
こうして2年後、プロメテウス号は地球を出発した。乗員は以下を含む17名。

注)ウェイランド社は『エイリアン2』で船を出した企業

考古学者エリザベス・ショウ

Prometheus

「人類の起源」という偉大なる発見のために、純粋な探求心を持ち船に乗り込んだ。
敬虔なキリスト教信者でもあり、十字架を肌身離さず付けている。優しげな女性で一見ひ弱にも見えるが、芯は強く、一度決めたことは必ずやり通す信念を持っている。

<ノオミ・ラパス> 1979年、スウェーデン生まれ。7歳の頃より女優活動を始め、2009年『ミレニアム ドラゴン・タトクーの女』で異色のヒロイン‘リスベット’を演じ、スウェーデンのアカデミー賞にあたるガルドバッジ・アワードで主演女優賞に輝く。続編2作でも絶賛された。この3部作の世界的成功によってハリウッドでも活躍の場を広げている。

Wikipedia

あのリスベットが『プロメテウス』に出ると知ったとき、普通の女性の役が出来るのか?と思った人もいるはず..。本作で優しげで恋人もいるエリザベスを見て、「ふぁー、女優ってすごい」と感じ入りました。しかし!本作にもリスベットに通じるすごいシーンがあるので、男性がたには女の強さをたっぷり堪能してもらえるかと思われます。

デヴィッド(ロボット)

Prometheus

2年以上も睡眠状態で移動する人間達の世話役として乗務。その合間に映画、音楽、スポーツ、古代語までもマスターし、時間をつぶす。
本作では『エイリアン』で使っている‘アンドロイド’と言わず‘ロボット’と作品内で紹介されている。『エイリアン』の時代よりも前なので、表現の仕方が違うのか、と思われる(実際は分かりません)。

それでも『エイリアン』のアンドロイド達の所行が頭にちらちらするわけで、いいやつなのか、悪いやつなのか、彼の一挙手一投足から目が離せない。

<マイケル・ファスベンダー> 1977年、ドイツ生まれのアイルランド育ち。HBOのTVミニシリーズ「バンド・オブ・ブラザース」で注目され、ザック・スナイダー監督『300<スリー・ハンドレッド>(2007)』で映画デビュー。

Wikipedia

え??なに?300?っと調べてみたら、なんとあの‘ステリオス’だった。あまりの線の細さと、ロボットさに気がつかなかった..。俳優って….

300

探査チーム

2年もの長い眠りから覚め、クルー達は目指す惑星がすぐそこにあることを知らされる。
物語はここから始まり、そしてここで終わる。
人類の起源、人類の創造主とはいったい何なのか?本作を観る者はエリザベス達と一緒に惑星に降り立ち、はやる気持ちを抑えて探査に出ることになる。
初めて見る星。初めて降り立つその地上。
さっと見る限りでは大小様々な奇岩がそびえ立つ不毛の地に見える。しかし遠くに見える直線のものは、いったいなんだ?神が作り給う自然に「直線」は無いと、そこへ急ぐ探査チーム。
そしてそこに発見した物とは!?

Prometheus

THE SEARCH FOR OUR BEGINNING COULD LEAD OUR END.


本作は、『エイリアン』『ブレードランナー』に続く新たな金字塔とも言える作品だ。これら2作と違った新しい世界観が広げられ、どの場面も美しく何度でも見返したくなるほどの素晴らしいクオリティーに満ちている。それは、この監督らしく、なるべくCGを使わずセットやロケで撮影された事も理由かもしれない。
そして音響。映画館の座席が震えるほどの音が迫ってくる。
悩んだ末、IMAX 3Dで鑑賞したが、3Dである必然性はあまり感じられなかったものの、音に関してはIMAXでよかった。ぜひぜひ映画館で観て欲しい作品です。

内容についてもっと書きたいけれど、今回はこの辺で終わりにしよう。映画館での公開が終わってしばらくしてから、もっと内容についてつっこんだ記事を書ければいいなーと思ってます。

ではまた

Prometheus

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • プロメテウス 【2012年製作:映画】

    リドリー・スコット監督制作の「プロメテウス」です。
     
    公開前から注目の作品でした。
     
    と言うことで、
    ネタバレもあるかもしれないので、
    気になる方はここから先読まないように…

  • 思てたんと違ーーーう!!

    と、叫んだのは数年前のM-1グランプリで決勝に残れなかったときの笑い飯・西田だったけれども(退場間際に吐いた名セリフだったがこの日はどのネタよりこの一言が面白かった(__;)

  • いつもありがとうございます。
     
    おー、肩すかしをくらわれましたかー。
    私は、リドリー・スコットの作品を初めて映画館で鑑賞したので
    その壮大な世界観にどっぷりとつかって帰ってきました。
    3Dじゃなくて、バーチャル・リアリティな装置があれば、デヴィッドと同じ
    体験が出来るのになー、なんてことまで想像してしまいましたっ。
     
    しろくろshowさんのレビューも読ませて頂いたところです。
    冷静な視点で書かれていて、とても参考になりました。
    やっぱり続編あるんですね。楽しみです。
     
    映画好きが集まって、色々と議論が出来る作品がまた増えましたね!
     
    PS)TB打たせて頂こうと思っています。
      もしよろしければ、しろくろshowさんも打って下さい。

  • こんばんは、ツイッターに更新報告出したらmomorexさんに5分遅れだったのに驚いてこちらへやってきました(ーー;) なんと見事なタイミングでしょう・・・
     
    たぶん十人十色の意見が出るような映画だと思いますが僕はやや肩すかしの印象でしたねー(でも好き嫌いの二極論で言うとと好きな方に入ると思っていますが(^_^;))
     
    何よりIMAXで見られたというのがめっちゃ羨ましいーっ!(>_<)と思いながら記事を拝読してました。せめて3Dで見れば良かったとそこは後悔しています・・・
     
    あとマイケル・ファスベンダー、「300」の彼とは僕もまったく気がつきませんでした(ーー;)

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