『SUCK /ヴァンパイア・サック』(2009) - Suck –

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どうせ、つまんないヴァンパイアものだろ、っと観始めたらビックリ。遊び心満載で製作国はカナダだけどとってもイギリスっぽい作りのコメディ・ホラー映画。主演のジェシカ・パレは綺麗だし、ロックンロール・ホラーというだけあって音楽は効果的に使われ、大物ロッカー達も真面目に演技していて、全編が見どころに。

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■ SUCK /ヴァンパイア・サック - Suck – ■
2009年/カナダ/91分
監督・脚本:ロブ・ステファニューク
製作:ロビン・クラムリー
製作総指揮:ジェフ・サックマン 他
撮影:D・グレゴール・アジェ
音楽:ジョン・カストナー
 
出演:
ロブ・ステファニューク(ジョーイ)
ジェシカ・パレ(ジェニファー)
デイヴ・フォーリー(ジェフ)
モービー(ビーフ)
イギー・ポップ(ヴィクター)
ヘンリー・ロリンズ(ロッキン・ロジャー)
ディミトリー・コーツ(クイニー)
アレックス・ライフソン(国境警備員)
アリス・クーパー(バーテンダー)
マルコム・マクダウェル(エディ・ヴァン・ヘルシング)

解説:
売れないロックバンドが、危険な魅力で人気を獲得すべく、メンバー全員ヴァンパイアとなってしまうロックンロール・ホラー・コメディ。イギー・ポップ、アリス・クーパー、ヘンリー・ロリンズはじめ大物ロック・ミュージシャンの豪華出演にも注目。監督は、本作の主演も務めこれが長編2作目の新鋭ロブ・ステファニューク。
(allcinema)
 
あらすじ:
鳴かず飛ばずのまま巡業を続けるカナダの貧乏インディーズ・バンド“ウィナーズ”。ある夜、巡業先で別行動した紅一点のジェニファーがヴァンパイアになって帰ってくる。妖艶な魅力を放つようになった彼女を中心に、バンドの人気は急上昇。それならと、次々にヴァンパイアになっていくメンバー達だったが ―


Suck_27売れないバンド“ウィナーズ”(バンド名が“ウィナーズ”・・・プッ)。 移動は払い下げの霊柩車。これに乗って貧乏旅行の巡業に各地を回る。けれどもメンバー達は結構真面目で、曲もいい。地道に努力しているが報われない。
 
だがある夜、ジェニファーが見るからに怪しい、イヤらしい、スケベそうなヴァンパイア、クイニーに虜にされて、パーティがあるからとついて行ってしまいヴァンパイアの餌食に(このクイニーの登場シーンが『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア(2002)』のアカーシャにそっくり)。
 
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かくしてジェニファーはヴァンパイアの仲間入り。しばらくバンドのメンバーには隠していたが(太陽の光は大丈夫。鏡には映らない)、隠しようも無い溢れ出てくるヴァンパイアとしての魅力がライブで話題に。バンドの人気が出てくると同時にメンバーにばれてしまう。そしてバンドの、ひいては自分たちの人気のため、ジェニファーの力で一人また一人とヴァンパイアにしてもらうメンバー達。
 
このバンドの人気具合も容赦無いほどリアルな今風表現が使われていて、少し前まではバンドのオフィシャルサイトにコメントなどなく、ジェニファー絡みでようやく10件。けれどアメリカでのライブでブレイクしてからは、新曲の動画再生回数が160万回越えに。
おんぼろ車で移動していたウィナーズはいつしか自家用飛行機で次のライブに向かう人気バンドに成長したのであった。
 
どこか冷めた感じのバンドメンバーが、情熱の赤が似合うヴァンパイアに。冷たい色合いの背景に、いきなり映される大量の血液。で、やっぱりどこかとぼけたメンバー達のやり取り。見ていて飽きない構成の中、時折挟まるコレ↓
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これね、一瞬、トイカメラ風アレンジに見えるんだけど、ホントにミニチュアなんですよ。オモチャのようなミニチュアの車や飛行機を飛ばして、緊張感を解きほぐす、解きほぐす(元よりあまり緊張感は無いケド)。この場面だけでも、この映画の虜になりますよ、なんでか。
最初の赤い空に浮かぶ動物的な瞳の絵はマルコム・マクダウェル繋がりで『キャット・ピープル(1982)』みたいですね。
 
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そして名も無きバンドメンバーに関わってくることになる、そうそうたる大御所ロック・ミュージシャン。どこか抜けてるメンバーに対して、このロッカー達とマルコム・マクダウェル演じるところのヴァン・ヘルシングは大真面目ですごく上手。これがまたいいんだけど、これら大物ロッカー達は次々とヴァンパイアバンドの餌食になって命を落としていく。
事故を装っているけど、何だろうな、きっと心の奥底にこびり付いている潜在的な大御所への妬みだとかがあるんじゃないのかなー。それにしてもザックザックとやっていくから、気持ちいい。
 
Suck_13ただ一人!残る大物は役どころでも大物で、「スーパーナチュラル」の初期(シーズン1しか見てない)に出てきたような十字路でバンドリーダーに事の真実を語りかける。彼の正体は何なんでしょうねぇ
 
あと一つ分からないことがある。それは若き時代のマルコム・マクダウェルが出てくるところ。あれは何か他作品から切り貼りしたのであろうか。絶対本人だし、すごく不思議だ。
 
Suck_28ということで、コメディらしく最後はハッピーエンドといきたいところだが、どうやら違うみたい。どちらにせよ一番可哀想だったのは、まるで『魔人ドラキュラ』のレンフィールドみたいな位置づけで働き者だったヒューゴだと思う。

 

 
SUCK/ヴァンパイア・サック [DVD]

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • どこか白けた空気感、分かりやすい音楽、起きている事は吸血鬼パニック。
    ホントに掘り出し物でした。雰囲気がすごく好みで楽しかったです。
     
    >アリス・クーパー
    他の皆さんもそうですが、いい味出てますよね。ロックミュージシャンの人は年取るごとに魔物のようになっていくのは、何なんでしょうね^^
    ふじつぼさんも、そんな感じですか(あ、まだ途中経過ということですよ)

  • SUCK 【映画】 = こういうバンドになりた・・・くないな、やっぱり

     
     
    制作=2009年・カナダ 91分
     
    これは中々の掘り出し物。ヴァンパイア・ロックンロール・ロード・ムービー
    (って、どんなジャンルだ?)といった感じで、ノリもよかった。
    ヴァンパイアになることによって聴衆を魅了し、売れないバンドが超売れっ子に
    なっていくといった内容。ホラー仕立てのコメディってことになりますかね、一応。

  • これは掘り出し物でしたねえ。
    お間抜けなとこもあったし、シニカルな感じもあったし、
    楽しめました。アリス・クーパーはホンマもんのヴァンパイア
    と言っても過言ではなかったし…。
    ジェニファーの深遠なる瞳が極めて印象的でした。
     
    バンド野郎としては、レコーディングシーンがえらい真面目
    だった点も妙に納得感あったりして…。
     
    確かに言われてみれば英国風テイストもあったかな。
    オチも二段構えで凝ってましたね。

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