『人喰い人魚伝説』(2000/TV Movie) - She Creature –

伝説の人魚が牙をむく

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■人喰い人魚伝説 -She Creature-■
2000年TV映画/アメリカ/89分
監督:セバスチャン・グティエレス
脚本:セバスチャン・グティエレス
製作:ルー・アーコフ他
音楽:デヴィッド・レイノルズ
撮影:トム・キャラウェイ
出演:
カーラ・グギーノ(リリー)
ルーファス・シーウェル(アンガス)
リア・キルステッド(人魚)

解説:
伝説の人魚が自分を見世物にしようとした興行師一行を次々襲うサスペンス・ホラー。オリジナルは56年の「怪物の女性/海獣の霊を呼ぶ女」。監督は「裏切りのKiSS」のセバスチャン・グティエレス。出演は「スパイキッズ」のカーラ・グギーノと「ROCK YOU![ロック・ユー!]」「ダークシティ」のルーファス・シーウェル。
 (allcinema)

あらすじ:
SeeCreature_0820世紀に入って間もなくの頃のアイルランド。興行主アンガスはサーカスや偽物の「ゾンビ、人魚」などを客に見せる見世物小屋を運営していた。明日は出稼ぎ先のアメリカに出発という前夜、なりゆきから小屋に来ていた奇妙な老人の屋敷に人魚役の恋人リリーと一緒に招かれた。
「人魚は本当にいる。妻は人魚に殺された」とおかしな話を始めた老人。最初はバカな話と取り合わなかった2人だったが、では、と奥の部屋に案内され、水槽の中の鎖で繋がれた人魚を見せられる-


決してB級ホラーではございません。
TV映画ではあるけれど、きちんと作られ、俳優も豪華なゴシック・ホラーとなっております。

まず設定は1900年初頭のアイルランド。
街には馬車が通り、海には帆船。一般大衆にとっては、まだろうそくの時代だ。
アイルランドでは少し前に大飢饉がおき、多数のアイルランド人がアメリカ大陸へと移住している。
本作のアンガス達一行も一山当てにアメリカへ旅立とうとしていた。しかし出し物はいまいちパッとしない。そこに天から降ったような本物の「人魚」を見せられ、目がキラキラ。
その目がキラキラからギラギラになり、物語は興業一家を破滅へと誘っていく-。

元から目がキラキラの興行主アンガス ルーファス・シーウェル
SeeCreature_04決して人は悪くないが、欲に負けてしまって老人の屋敷から「人魚」を盗み出してしまった。あれほど老人が忠告したのに_。
演じたのはちょこちょこ見かけるルーファス・シーウェル。
イギリスの俳優で、ブロードウェイの舞台にも立っている。映画では『ダークシティ(1998)』『ROCK YOU!(2001)』『ツーリスト(2010)』などに出演。最近のドラマ『ダークエイジ・ロマン 大聖堂(2010)』では途中まで主役のトム役を、『ローマ警察殺人課アウレリオ・ゼン 3つの事件(2011)』では主役を演じた。

恋人リリー カーラ・グギーノ
SeeCreature_09不吉な予感がするからと、「人魚」を連れて行くのを止めたリリー。船が出帆してからは何かと「人魚」の世話をした優しい彼女だったが-。
シン・シティ(2005)』では指を食われた囚われの女を演じたカーラ・グギーノ。本作でも人魚に喰われてしまうのか!?
最新作は『ニューイヤーズ・イヴ(2011)』のモリセット医師。


本作は1956年製作のアメリカ映画『怪物の女性/海獣の霊を呼ぶ女』のリメイク作。
なんともおどろおどろしいタイトルだが、こちらは人魚というよりも「半魚人」の恐怖を描いたモンスター映画だ。
この検索結果でだいたいイメージして頂けると思う。
内容は

海辺のロッジで新婚カップルが殺害され、現場には海草と奇妙な足跡が残されていた。精神科医テッドは、助手の美女を相手に怪しげな催眠実験を行う男をマークするが……。(映画.com)

というもので、1930~1950年代に量産されたモンスター映画の中の1本のようだ。
脚本家でもある監督セバスチャン・グティエレスは、本作『人喰い人魚伝説』の他にも『ゴシカ(2003)』『スネーク・フライト(2006)』の脚本も手がけている。


mermaid「人魚」を扱った作品は、アニメだと割とたくさんあるようだが、映画となると案外少ない。
有名どころはトム・ハンクス主演『スプラッシュ(1984)』。他にも香港映画『人魚伝説(1994)』、『愛しのアクアマリン(2006)』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉(2011)』などがあり、どれもファンタジーとして描かれ、人間界では立場の弱い人魚(女性)を守る男性をイメージされているように思われる。
しかし日本の作品でこんなものが

 『ザ・ギニーピッグ マンホールの中の人魚』1988年/監督、原作、脚本:日野日出志

※注)ファンタジーではありませんので、決して検索しないでください。

本作の人魚は元モデルのリア・キルステッドが演じており、非常に美しい。非常に美しいのだが、なぜかゾクっとする怖さがある。一つは表情のない顔のガラス玉のような目。そしてもう一つは美しいはずの人魚のしっぽだ。
SeeCreature_05通常、人魚のしっぽといえば「リトル・マーメイド」のアリエルや『スプラッシュ』の薄いレースのようなさらさらした感じを想像する。が、本作の人魚のしっぽは、なんていうか爬虫類や昆虫を思わせるもので、それが特に空中で動く様はまるで太い蛇のよう。それも二つに分かれている。

 おわかり頂けるだろうか。

それを船に持ち込んだアンガス。タイトルに「人喰い」と壮大なネタバレがあるからもうお分かりかと思うが、鎖から放たれたこの蛇人魚は人を襲いはじめ、船上は修羅場と化す。しかもこの人魚は人を操る技を持ち、船長を支配。かくして船はアンガスが夢見たアメリカではなく、恐ろしい場所へと舵を切る-。

おぉー。どうやらこの作品を定期的に繰り返し観たくなるのは、この「しっぽ」とゴシックの組み合わせのせいかもしれない。「見世物小屋」というのも何か悪いことをしているようで、一人で電気を消して観るのに適しているように思われる。
が、本作の最後部分はちょっと残念な『スピーシーズ』的B級臭が漂う。しかしそれに目をつぶっても、この「しっぽ」の造形にはあまりある恐怖がある。
「フランケンシュタイン」のゴシック作家メアリー・シェリーが出てくる映画、その名も『ゴシック(1986/ケン・ラッセル監督)』。本作はこんな感じの作品が好きな方にオススメしたい映画です。

■ゴシック -Gothic- (1986年/イギリス)
監督: ケン・ラッセル
出演: ガブリエル・バーン, ジュリアン・サンズ,
ナターシャ・リチャードソン


1816年のある日、ディオダディ荘で『フランケンシュタイン』『吸血鬼』を生み出したという怪奇談義を舞台に繰り広げられる近代ホラー。監督は鬼才ケン・ラッセル。
スイス郊外にあるバイロン伯爵の壮大な屋敷にやって来た3人の客。詩人シェリーと愛人メアリー、彼女の義理の妹クレア。その夜、この屋敷の侍医でもあるポリドリと共にディナーパーティが開かれる。それは文学史上最も重大な一夜になる事を、未だ誰も知らなかった。
幻想と怪奇の世界を独特の映像美で綴る恐怖映画の傑作!! (Amazon)
 icon-arrow-circle-right このブログの記事『ゴシック』(1986)

これも久しぶりに観たくなってきた。しかしTSUTAYAには無いようだ。。
ではまた

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