『ポゼッション』(2012) - The Possession –

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クラシックな面持ちの可愛らしい少女に“何か”が取り憑く・・。サム・ライミ製作のこのオカルト・ホラーを楽しみにしていた管理人。全体的な感想は「やはりエクソシストには及ばない」だけれど、ユダヤ教が絡むところに新鮮味が感じられたし、まぁ、それなりに楽しめたが、これ、ホントに実話なの?
 

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■ポゼッション – The Possession -■
2012年/アメリカ/92分
監督:オーレ・ボールネダル
脚本:ジュリエット・スノードン 他
製作:サム・ライミ 他
製作総指揮:スタン・ワートリーブ 他
撮影:ダン・ローストセン
音楽:アントン・サンコー
出演:
ジェフリー・ディーン・モーガン(クライド)
キーラ・セジウィック(ステファニー)
ナターシャ・カリス(エミリー)
マディソン・ダヴェンポート(ハンナ)
マティスヤフ(ザデック)

 

解説:
「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミ製作で贈る低予算オカルト・ホラー。所有者に災いをもたらす木箱としてアメリカのオークション・サイトで大きな話題となった“ディビュークの箱”をモチーフに、ガレージセールで古い木箱を手に入れた少女とその家族に訪れる戦慄の恐怖を描く。出演はジェフリー・ディーン・モーガン、キーラ・セジウィック、ナターシャ・カリス。監督は「モルグ」のオーレ・ボールネダル。(allcinema)

あらすじ:
3ヵ月前に妻と離婚し、週末ごとにふたりの愛娘と一緒に過ごしている中年男クライドは、あどけない次女エミリーの異変に目を疑った。ふと立ち寄ったガレージセールでアンティークの木箱を購入して以来、エミリーがその箱に異常な執着を示し、時には凶暴な振る舞いを見せるようになったのだ。その後もエミリーの奇行はエスカレートし、天真爛漫だった我が子の信じがたい変わりように危機感を覚えたクライドは、現代医学では解明できない原因があるのではないかと独自の調査を開始する。しかしそのときすでにエミリーの小さな体には、この世ならぬ恐ろしい“何か”が棲みついていた-
 (公式サイト)


「Possession」=「悪魔が取り付くこと」というダイレクトなタイトルで懐かしい感じのするオカルト・ホラーをサム・ライミがどう製作しているのかと、とても興味を持って楽しみにしていた作品。きっと奇妙でコミカルな部分もある楽しくて怖いものだろーなーと想像していたけれど、王道で始まり王道で終わるという結構普通な物語。
エクソシスト』のリーガンにはそっと取り憑いた悪魔だったが、本作の悪魔は木箱の中でその時をじっと待っていた。それは「ディビュークの箱」と呼ばれる木箱。これは実在し、L.A.タイムズでも紹介されたというのだが..。
 

「ディビュークの箱」
The Possession(2012)_212004年7月25日のロサンゼルス・タイムズ紙に驚くべき記事が掲載された。大手オークション・サイトのeBayに、所有者に厄災をもたらすアイテムが出品されていたというのだ。そのアイテムは一見すると何の変哲もない木箱だったが、出品者の大学生は自らが体験した奇怪な現象を生々しく書き連ね、その後も箱をめぐる忌まわしい逸話が続々と判明。オークション・ページは14万回以上のページビューを記録し、超常現象、都市伝説、神秘主義などの研究家の興味もかき立てていった。何とその箱の正体は、ユダヤの民話で伝えられる邪悪な存在“ディビューク”を封印した“決して開けてはならない箱”だったのだ。
 
あまりにも続く奇妙な出来事のせいで、転々と持ち主が変わる木箱。このような「呪われた物」の例は他にもあって有名なのが「ホープダイヤモンド」。こちらはその歴史も古く17世紀には存在している。(Wiki:ホープダイヤモンド

 
 
The Possession(2012)_16というわけで、この木箱を素敵なアンティークと気に入ってガレージセールで買ってもらった少女エミリー。しかし手に入れてすぐからエミリーの様子がおかしくなっていく。最初は子供によくある“目に見えないお友達”に始まり、箱に異様なまで執着し、新築の家に大量の蛾が出没し、目つきが悪く攻撃的になっていく彼女。
それらは両親の離婚で傷付いているのが原因だという学校側に納得できない父親クライドは、他にもこんな例がないかと調べるうち、「悪魔憑き」に行き当たる。お、ここで黒服のエクソシスト登場か?と思ったら、この箱の由来から登場したのはユダヤ教ハシド派に所属するザデック氏だった。
 
 
日本でも昔は精神錯乱を起こしているような人を「狐憑き」などと呼称したが、西洋では一般に「悪魔憑き」と言われる。しかしこの「悪魔憑き」は日本のものに比べてはるかに症状がひどく
凶暴に振る舞い、邪魔な人を滅ぼしたり呪い、本来その人が決してしないような行動を取ったり、周囲の人にも同様の行動を取るよう仕向けたりし、その結果周囲の人々との良好な関係が破綻したりその人の魂が破滅に陥る(自殺など)といわれる。また、悪魔憑きの周囲では、自然・動物も異変を来たす(Wiki:悪魔憑き)
などなどが。
 
The Possession(2012)_11以上はあくまでも第三者による見た目の症状だが、本作のエミリーに取り憑いた悪魔は、精神的なものだけではなく実際に物体としてエミリーの身体の中に巣くう。これは苦しい..。
しかし現代では科学的見地により「悪魔憑き」は医学的にも説明出来る、多種多様な精神あるいは身体的疾患によるものだとされている(パニック発作、夢遊病、統合失調などなど)。
だいたいにおいて「悪魔」とは?

「神」の存在を実体化するために創られたものだとか、人間の弱さ、残虐さを具現化するために創造されたものだとかという話も。どちらにせよ信仰を持っていないとその存在の恐ろしさを充分に理解することはできない。だから海外では「失神者続出」系の映画でも日本では平気なんですね(ホラー好き限定)。
それでも『エクソシスト』『エミリー・ローズ』なんかが人気なのは、その悪魔的ともいうべきあり得ない少女らの症状、首が一回転するとか、身体がボキボキとかの分かりやすくショックな映像が受けているのかと。それにどちらも可哀想だったしね..。
The Exorcist The Exorcism of Emily Rose
 
『エクソシスト』が正真正銘の悪魔憑きと悪魔払い、本作と同じ実話ベースの『エミリー・ローズ』が「少女の死と悪魔払いを行った神父の裁判」という現実的アプローチであったのに比べて、本作はパンチに欠けると感じたのはこのあたりが理由なのか、と思う。
あ、それでも一つだけ「おーっ!これは苦手で怖いよー、いいよ、いいよー」というシーンがあるのでお楽しみに。日本的な怖さなのですぐ分かると思います。
ではまた
 

【おまけ】
邦題に「ポゼッション」と付いている映画はこれを含めて知る限り3本ある。
・ポゼッション(Possession)1981/フランス・西ドイツ(Wiki:Possession)
ポゼッション (Strandvaskaren) 2004/スウェーデン
・ポゼッション (The Possession) 2012/アメリカ
1981年のイザベル・アジャーニ、サム・ニール主演の作品が結構面白そう。なかなかレンタルに無いみたいだけどDISCASに発見。今度観てみよう。
Possession(1981)