『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)

2017年の『ジャスティス・リーグ』のディレクターズ・カット版で、元の監督ザック・スナイダーが関わったカットのみが使われており、追加撮影もされている。アスペクト比はIMAX対応の1.33:1、上映時間は2017年版の倍以上で242分あるものの、すぐに気にならなくなるほどの没入感が得られる。ヒーローものはこうじゃなくちゃ(‘ω’)

Zack-Snyders-Justice

■ ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット
  – Zack Snyder’s Justice League – ■
2021年/アメリカ/242分
監督:ザック・スナイダー
脚本:クリス・テリオ
原案:クリス・テリオ、 ザック・スナイダー 他
製作:チャールズ・ローヴェン他
撮影:ファビアン・ワグナー
音楽:トム・ホーケンバーグ

出演:
ベン・アフレック(ブルース・ウェイン/バットマン)
ヘンリー・カヴィル(カル゠エル/クラーク・ケント/スーパーマン)
ガル・ガドット(ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン)
エズラ・ミラー(バリー・アレン/フラッシュ)
ジェイソン・モモア(アーサー・カリー/アクアマン)
レイ・フィッシャー(ビクター・ストーン/サイボーグ)
エイミー・アダムス(ロイス・レイン)
ジェレミー・アイアンズ(アルフレッド・ペニーワース)
ダイアン・レイン(マーサ・ケント)
コニー・ニールセン(ヒッポリタ女王)
ウィレム・デフォー(ヌイディス・バルコ)
J・K・シモンズ(ジェームズ・ゴードン)
キアラン・ハインズ(ステッペンウルフ)
ジェシー・アイゼンバーグ(レックス・ルーサーJr.)
アンバー・ハード(メラ)
ジョー・モートン(サイラス・ストーン)
ハリー・レニックス(マーシャン・マンハンター)
ピーター・ギネス(デサード)
レイ・ポーター(ユクサス/ダークサイド)
ジョー・マンガニエロ(スレイド・ウィルソン/デスストローク)
ジャレッド・レト(ジョーカー)
ケヴィン・コスナー(ジョナサン・ケント)

■解説:
バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンなど、DCコミックのスーパーヒーローが集結したアクション大作「ジャスティス・リーグ」。2017年に公開された同作の製作を途中で降板したザック・スナイダー監督が、当初思い描いていた構想を実現させるため、追加撮影も行って完成させた新バージョン。2017年に公開された劇場公開版には使われなかった大量の蔵出し映像や新規撮影の映像も加え、再編集を施し、約4時間にわたる大ボリュームで描かれる。

2017年公開版には出番のなかったジャレッド・レト演じるジョーカーや、同じく初登場となる悪役マーシャン・マンハンターなど、新たなキャラクターも多数参戦。アクアマン、フラッシュ、サイボーグらヒーローたちのサイドストーリーも多く盛り込まれる。

映画.com


Contents

あらすじ

ドゥームズデイとの戦いでスーパーマンを失った地球。これからも人類の敵は次々現れるというルーサーJr.の言葉に、地球を守るためにはチームが必要だと考えたバットマンは、ワンダーウーマンと共にメタヒューマン(超能力を持っている人間やそれによく似た容姿をもつ者)である仲間を探し始める。

それぞれの事情もあり、バットマンの考えに簡単には賛同してくれないものの、一人また一人と集まる仲間たち。そうするうちにも古(いにしえ)の時代に隠された3つのマザーボックスを狙って地球にやって来るダークサイド一派のパラデーモンを従えたステッペンウルフ。ばらばらに隠されたマザーボックスが敵の手に渡り「ユニティ」として復活すれば、人類は、地球は、ダークサイドの奴隷と化し、大暗黒の時代が訪れてしまう。

なんとかそれを阻止するため、集まった5人のヒーロー。それでもかなわない強大な敵ステッペンウルフ。苦戦する中、彼らは一つのマザーボックスに「破壊されたものを再構築し、修復する力」があることを知る ─

Zack-Snyders-Justice-League
ステッペンウルフ

大筋はこんな内容で、ステッペンウルフとの闘いが6章とエピローグに分けて描かれていくスナイダーカット版。

  1. 諦めろ、バットマン
  2. ヒーローの時代
  3. 最愛の母、最愛の息子
  4. チェンジ・マシーン
  5. 王家の家来
  6. 暗い何か
  7. エピローグ

第1章では仲間に声をかけていくバットマンと目覚め始めるマザーボックスの様子を。
第2章の「ヒーローの時代」では、古代の地球で今回と同じダークサイドの敵と戦うために一致団結した古代の神々、アトランティス人、アマゾン族、人間が描かれる。それまではバラバラだった者たちがこの時だけは一つになったと伝えられていた。そしてこの時に勝ち取った3つのマザーボックスをアトランティス人、アマゾン族、人間がそれぞれの方法で1つずつ隠したのだ。

Zack-Snyders-Justice-League

ここで一言。
隠したと言いましても本当の意味で隠したのは人間のみ(シンプルに穴を掘って埋めた)。他の種族の皆さんは、もうほんとに、ここにしまってありますよ、と言わんばかりの場所に見張りまでおいての隠し場所。本当にこれでいいのかと、ちょっと心配になりましたが、やっぱり思った通りの結果に…

それとこのマザーボックス。これがあの映画のパズルボックスにしか見えなくて、出てくるたびにワクワクしてしまったのはどうしてだろう…?
あの映画  究極の快楽へ『ヘル・レイザー』(1987)

第3章では、フラッシュとサイボーグの家族との背景を。
第4章「チェンジ・マシーン」では、バットマンの新しい乗り物が登場(ダイアナはおもちゃと呼んでいた)。これが人が乗って操縦できるポケモンのメタグロスか攻殻機動隊のタチコマみたいで、なぜだかとっても親近感がわく。なんか、とっても羨ましい…

この章では、他にも重要な概念「反生命方程式」が出てくる。

反生命方程式とは

DCコミックスの出版するアメリカン・コミックスに登場する架空の概念。
あらゆる感覚と知恵を持つ種族の意志を支配することが可能で、さらに生と死を捩じ曲げ現実を改変する力を持つ。意志の支配は直接の命令によって心を制御されるが、操作や催眠とは区別されている。名前の由来は「誰かに絶対的な支配をされているということは、本当の意味で生きているとは言えない」という理由から反生命と名付けられた。

Wikipedia

最終目的とも言えるこの「反生命方程式」は地球人の潜在意識の中に隠されていると知ったダークサイド。何世紀にもわたって地球を攻撃し全てを奪おうとするこの敵に、たった6人で太刀打ちできるのだろうか…

でも、ここでまた一つ疑念が…
自分たち以外の種族を思うままコントロールした世界。それって楽しいのかな?ダークサイドにとっては自分以外はただの手先に過ぎないだろうから、種族以外というよりは自分以外を全てコントロールするという事に。それって退屈じゃないのかな?
「生きる」って自分の思うようにならない事もあるからこそ、努力したり怒ったり泣いたり喜んだりしながら人生が過ぎていく。自分以外は全て命令をきくロボットみたいな世界って面白い…?
今度会ったら聞いてみるわ、ダークサイドに(‘ω’)

新たなバットマンのマシーンも投入しつつ、ステッペンウルフとの闘いに向かう終盤。自分が苦戦しているときに、自分の前に前に出てくれる仲間がいる安心感。それぞれが素晴らしい力を持つと同時に、“チーム”で戦うことの意義をバットマンは知るのだ。
だがこの強敵ステッペンウルフさえ、ただの手先に過ぎない。強大なラスボス“ダークサイド”は6人のヒーローの前にまだ姿さえ現していないのだ。

そして最後のエピローグではルーサーJr.が脱獄し、バットマンであるブルースが見た妙な夢が描写される。夢には空を覆うダークサイドの宇宙船や仲間の一部、ジョーカーが現れ、決して輝かしい未来ではないことを暗示する。だが同時に新しい仲間になるらしい新たな登場人物“マーシャン・マンハンター”の姿も。

Zack-Snyders-Justice-League
Joker

だが、しかし、これからの一番の問題はダークサイドでもジョーカーでもない!
一番の問題は、この後の続編が作られるのかっ!?ということ。それも入れてのジャスティス3部作を構想していたスナイダー監督。本作のラスト、大勢の兵士と共にいるダークサイド、ジョーカーのたわ言、他にも、例えばロイスの部屋にあった妊娠検査薬などなど、このままでは全く終わっていないのだ。全くだっ!


2017年公開当時に観た 『ジャスティス・リーグ』 に監督交代があり、短く明るいムードの作品にされたなんて知らなかった・・・。けれど、当時の感想をブログに書いていないことからも「もう、いいかな、ジャスティス・リーグは。バットマンも終わったな…(-.-)」くらいに思っていたと思う。この頃はMCUとその関連作がどんどん作られていて(今も続いているけれど)、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)は置いてけぼりにされていってる感があったような。

DCEUとは

DCエクステンデッド・ユニバースとはDCコミックス原作のスーパーヒーロー映画を中心とするアメリカ合衆国のメディア・フランチャイズ及びシェアード・ユニバース。DCフィルムズ製作し、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズが配給している。DCEUには、コミックブック、短編映画、小説、ビデオゲームなども含まれている。DCEUは原作のDCユニバースと同様に、共通のプロット、設定、キャスト、キャラクターをクロスオーバーさせている。

Wikipedia

DCEU作品

  • マン・オブ・スティール(2013年)
  • バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年)
  • スーサイド・スクワッド(2016年)
  • ワンダーウーマン(2017年)
  • ジャスティス・リーグ(2017年)
  • アクアマン(2018年)
  • シャザム!(2019年)
  • ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年)
  • ワンダーウーマン 1984(2020年)
  • ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット(2021年)
  • ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021年)
  • ブラックアダム(2022年)
  • ザ・フラッシュ(2022年)
  • アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(2022年)
  • シャザム! フューリー・オブ・ザ・ゴッズ(2023年)

本作『ジャスティス・リーグ』についてスナイダー監督は制作会社WBから、もっと明るいお話にせよ、と言われていたらしいけれど、それは無理ってもん。だってバットマンは“ダークナイト(闇の騎士)”だよ?悩んで苦しむ大人のヒーローなんだから。そのバットマンが、あの孤高のダークヒーローのバットマンが頭を下げてチームを作り、まとめ役をやってる。すごく前進したと思うけどね、以前に比べて。

以前

2017年『ジャスティスリーグ』やMCUとの違い

ザック・スナイダーカット版本作では、解説にもある通り、チームのヒーロー一人一人の背景や人となりが分かりやすく親しみが持てて、より我々人間に近い存在に感じられる。皆、地球のどこかで(多くは米国だけど)、人として毎日を暮らす普通の人間なのだ(ご存じであろうが、スーパーマンはクリプトン星人、アクアマンはアトランティス人と人間との子)。
普通の生活をしている秘密のヒーロー。何かことが起きた時に街角の路地でシャツのボタンを引っ張ると初めて“S”が見える。それでも彼には愛する恋人がいて支えてくれている。

ここがMCUのヒーローたちと少し違うところかな。もちろんアイアンマンやホークアイにも家族がいるんだけど、人間社会に馴染んで暮らしている描写がDCEUに比べて圧倒的に少ない(スパイダーマン除く)。いつもいつもヒーローで、簡単に声をかけられない存在のように思える。
と言いながらも、殆どの作品を観てはいる管理人。だが、感想記事が一つもない・・・人って正直だな(‘ω’)


Zack-Snyders-Justice-League

今こそ、スナイダーカット版が簡単に観られるようになった今こそ!続編の話をどんどん進めていくべきではないでしょうか?観た者はみんな待っている。6人のヒーローとその家族、ルーサーやジョーカーやダークサイドがどうなっていくのかを知りたくて。
ザ・バットマン』の新しいシリーズが終わらないことには無理などという話もあるようですが、全く、見誤ったと思う。『ジャスティス・リーグ』を終わらせてからやるべきだった。どんどん置いてけぼりになってくよ、MCUに。

これが今回の感想の総まとめになるとは ─

とは言え、ロバート・パティンソンの 『ザ・バットマン』 も楽しみにはしてるんだけどね(‘ω’)

Zack-Snyders-Justice-League

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Contents