今まで何度か観ている割とお気に入りのホラー作品。とは言え、原題から想像できるモンスターものだと思ったら大間違いで、モスマンの姿がはっきりと出てこないのと主演がリチャード・ギアなのとで、ミステリー味がぐっとアップして最後まで楽しめる。
■ プロフェシー - The Mothman Prophecies – ■
2002年/アメリカ/119分
監督:マーク・ペリントン
脚本:リチャード・ヘイテム
原作:ジョン・A・キール「モスマンの黙示」
製作:ゲイリー・W・ゴールドスタイン他
撮影:フレッド・マーフィ
音楽:トムアンドアンディ
出演:
リチャード・ギア(ジョン・クライン)
デブラ・メッシング(メアリー・クライン)
ローラ・リニー(コニー・ミルズ)
ウィル・パットン(ゴードン)
ルシンダ・ジェニー(デニース)
アラン・ベイツ(アレクサンダー・リーク博士)
マーク・ペリントン(インドリッド・コールド)
■解説:
Wikipedia:プロフェシー
謎の怪現象に連続して見舞われた男がそれらに意味があることを突き止めてゆくミステリー作品。アメリカで実際に目撃されたモスマンを題材にしているが、制作に関わった関係者の謎の死が相次いで発生したという噂も。原作はジョン・A・キールによる、モスマン事件についての調査報告と実体験をまとめた「モスマンの黙示」。
■あらすじ:
ワシントン・ポスト紙の記者ジョンは妻メアリーと幸せに暮らしていた。クリスマス・イブの夜、妻が運転中に事故を起こし、謎の言葉とメモを残して死亡する。2年後、車で出張に向かう途中、ジョンは気が付くと1時間では到底、移動できない600㎞も離れた見知らぬ町に迷い込み、不思議な事件に遭遇する。やがてメアリーの死に繋がる手掛かりを発見し、自らも事件に巻き込まれていく -
非常に仲のいい夫婦ジョンとメアリーは、クリスマス・イブの日に車で事故を起こしメアリーは救急搬送され病院で治療が始まった。だが事故の怪我に加え、頭部にあった腫瘍が見つかり帰らぬ人となる。入院中にうわ言のように繰り返していた「あなたもアレを見た?」という奇妙な話や、看護師から教えられた描き続けていたという天使の絵…。
だが、それはどれも天使とは思えない、悪魔ともいうべき恐ろしいものだった。ジョンは腫瘍のせいで妄想や妄言が起きていたのだろうか、、とも思いつつ、妻を亡くした悲しみを記者の仕事に打ち込むことで忘れようとする毎日を送っていた。
そして2年 -
ある深夜、出張先に向かったジョンは道中、車の故障で立ち往生してしまい近くの民家に助けを求める。が、その家の主人は「昨日も、一昨日もお前は夜中にやって来た。一体何者だ!?」とジョンに銃を突きつけた。たまたま通りがかっただけの小さな町の一軒家。ジョンはこの主人の言葉が全く理解できなかったが、この町の場所を聞いてさらに混乱する。
ここはワシントンから600kmも離れたオハイオ州境の町ポイント・プレザント。だがワシントンを出発してから、まだ1時間ほどしか経っていなかったのだ…
さぁ、オープニングは仲のいい夫婦のやり取りとリチャード・ギアで「えっ?これってロマンスものだったっけ…?」と騙されたのかと思う間もなく、妻が亡くなったあたりから次々と不思議なことが起き始める(上のオレンジマーカー部分)。この謎は、これからも、というか最後まで続き「モスマンとはいったい何者なのか!?」まで展開していくんだけど、モスマンの姿は最後まではっきり分からない。ずっと研究していた博士によるとモスマンは「物、人の姿」に関わらず、目撃した人間の見たい(もしくは見たくない)形で現れ関わってくる、というのだ。
今までモスマンって『ジーパーズ・クリーパーズ』のクリーパーのようなイメージを持っていたから、クリーパーのように人を襲い、不幸のどん底に突き落とす悪魔のような奴だと思っていた。
けれど実際は小さな町で奇妙な音がした、赤く光る眼を見た、光る眼を見たら自分の目も赤くなってしまった等の目撃が相次ぐだけ。
人間側に被害がさほど無く、見る側によって姿かたちを変えられるとなると、これはただのモンスターではないな(-.-) っていうのが何となく分かってくるものの、正体不明なうえ妻の死に関わっているのではないかと考えているジョンは調査をやめることが出来ない。
それにモスマンの技はこれだけではなかった。
しゃべりたい相手には人間の言葉でコンタクトを取ってくる。ひっそりと近づいて背後から、夢の中で、または直接頭の中に、その上、電話を使ってまでも。ジョンには名前(インドリッド・コールド)まで名乗り、ジョンやゴードンに成り済ますことさえできる。
モスマンはそれだけでは飽き足らず、ゴードンやジョンを使って、とうとうプロフェシー(予言)までするようになる。
ここにきて、モスマンは害獣なのか?モンスターなのか?悪魔なのか?恐れる存在なのか?実は、妻が描いたものを見た看護師が言うように「天使」なのか…?と混乱するジョン。そして起きる「オハイオ川での大惨事」。
ところで、本作の原作「モスマンの黙示」はフィクションな小説ではなく調査報告書であるのをご存じですか?
本作がお気に入りと言いながらモスマンとチュパカブラを混同してたわ...
ここでUMA(未確認生物)も少しまとめておきましょう。
Contents
未確認生物 UMA
天狗や鬼、人魚などは小説なんかのために創作されたものだから、UMAに含まれないんだとか。恐れつつも夢があることには代わりないけども
で、モスマン。
人を混乱させることもあるけれど、予言により人の命を救う。特にあーーっと思ったのは冒頭の妻メアリーの事故。走っている車の前にいきなり現れ事故を起こしたが、事故による怪我は夫婦ともさほどではなく、重要だったのがメアリーの腫瘍発見。結局は治療もできず間に合わなかったのだけど、二人にとって少しは心の準備もできたのだろうか…。モスマンの優しさを感じたのは私だけではあるまい(-ω-)
でも、なんで蝶々でもなく蝙蝠でもなくモス(蛾)なんだろうなー。蛾も翼を少しは動かすよね?