23年ごとの春、23日間、それは蘇る
■ジーパーズ・クリーパーズ -Jeepers Creepers-■
2001年/アメリカ/90分
監督:ヴィクター・サルヴァ
脚本:ヴィクター・サルヴァ
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ他
製作:トム・ルーズ他
音楽:ベネット・サルヴェイ
撮影:ドン・E・ファンルロイ
出演:
ジーナ・フィリップス(トリッシュ)
ジャスティン・ロング(ダリー)
アイリーン・ブレナン(キャット・レディ)
■解説:
巨匠フランシス・F・コッポラが製作総指揮を務めたサスペンスホラー。G・フィリップスとJ・ロング演じる姉弟が、車で帰省中に無気味なトラックが迫り、戦慄の恐怖に襲われる…。 (キネマ旬報)
■あらすじ:
春休みになり、一緒に帰省することにした大学生の姉弟トリッシュとダリー。
年の近い姉弟らしく、つまらない口喧嘩をしながら車を走らせていたが、突如、後方から現れたトラックに警笛と共に煽られる。
なんとかやり過ごした2人だったが、廃屋の陰に先ほどのトラックが停まっているのを発見。しかも運転手が何やら不気味な物を運んでは大きな通気口に捨てているのを目撃してしまう-
やめりゃいいのに、好奇心と妙な正義感から恐怖の出来事に巻き込まれてしまった弟ダリー。
「だから男はバカなのよ」と言って弟を止めた姉トリッシュも、否応なく巻き込まれ恐怖の一夜を体験させられる。
こんな若者ホラーの王道をいく楽しい本作。
観たのは何回目だろうか..。とってもお気に入りの1本だ。
というのも、この作品には色々な映画の有名シーンがたくさん盛り込まれている。どれも有名な映画の有名なシーンだから、自分にとってとても親しみやすく愛らしい作品となっている。
そのシーンは後でご紹介するとして、愛すべき作品となっている理由は他にもある。
一つは姉弟の車内でのやり取り。もう大学生なんだから流石に友達とは言い合いしないだろう的な小学生のような口喧嘩が、姉弟ならではで微笑ましい。
(「全部がある世界の2乗ー!こっちの勝ちー!」とか)
このシーンを観て、小学生の頃に「じゃあ、何年、何月、何日、何時何分だったか言ってみー」と友達と言い合いをしたことを思い出す人も多かろう
こんな子供っぽい2人だけれど、それは姉弟の間だけの事で、あとはきちんとしており好感が持てる。
そんな2人が実家に帰省中、いきなり後から来たトラックに煽られる。警笛を何度も鳴らし左右に揺れて煽るトラック。運転していたのは弟ダリー。さっさと路肩に寄って停まればいいのに、パニクりながら走り続けるんですよね。
何とかトラックを先に行かせて、しばらく行くと廃屋にさっきのトラックが停まっているのを見かける。しかも運転手が、血に染まったシーツに包まれた人の形をしているものを、地下へと伸びる通気口へ何体も放り込んでいるのを目撃。
そのまま行き過ぎて警察に通報しようとするも携帯電話の充電がから。どうしようかと言っているところに、さきほどのトラックが追いかけてきた。姉弟、絶体絶命
そして本作がお気に入りのもう一つの理由は、やはり、本作の主人公クリーパーでしょう。
「田舎のサイコか」として登場する最初のトラックのシーンから、徐々に明かされるその実体。そのゴシックな造形と廃屋にある彼の展示物には、人の「怖い物見たさ」が凝縮されていてワクワクさせてくれる。
特に悪魔のような翼が始めて出てくるシーン。本当に死にかけの鳥のようでリアル。(←一部、文字を白くしています。)
ところで、この作品は「23年ごとの春に、人を食らうため23日間だけ蘇る化け物」の都市伝説をベースとしているそうだ。そんな都市伝説がホントにあるのかは分からないが、この23という数字。
これは「13」などと同じように特殊な重要性を持つ数字と捉える考え方がある。
■23エニグマ(23 enigma) 23エニグマとは、23という数が、特別かつ特殊な重要性を持つという思想。 以下はその一例 ・両親は、子供のDNAに、各々23本の染色体を寄与する。 ・2012年12月23日はマヤ暦最後の日付であり、黙示的事件が予言されている。 ・地球の自転周期は、正確には24時間ではなく、23時間56分である。 ・ユリウス・カエサルは、暗殺された際に、23回突き刺された。 ・テンプル騎士団には23人の総長が存在していた。 ・ジョン・F・ケネディは1963年11月22日に暗殺され、刺客であると思われる リー・ハーヴェイ・オズワルドは1963年11月24日に殺害された。 これらの中間の日付は23日である。 ・シカゴ・ブルズ時代のマイケル・ジョーダンは、背番号23だった。 ・デビッド・ベッカムの、レアル・マドリードでの背番号は23番である。 ※以上はあくまでも物事をある一方から見たにすぎない、とも言える。 Wiki「23エニグマ」
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最後に本作に出てくる有名映画の有名シーンをご紹介。ネタバレ画像は小さくしておきます。
他にもあるかもしれません。
そんなものを探しながら、是非楽しんで下さい。
ではまた
続編レビューはこちら→『ヒューマン・キャッチャー/Jeepers Creepers 2』(2003)
コメント
コメント一覧 (2件)
こんばんはー、いらっしゃいませ。
>80年代の怪物映画臭
そうなんですよね。だからなのか、この作品憎めないんです。(他の方のレビューを見ると割とボロクソに..)
>「地獄の謝肉祭」
観てませんっ!検索してみると確かに穴が開いてますね。
まだまだ観てないホラーがあるなぁ、と。
しろくろshowさん、さすが射程範囲お広いです。
こんばんはー(^^)
もう10年以上前になりますか・・・
えー、この映画僕は当時キャストとコッポラプロデュースの名前に惹かれて見た記憶があります(同じ時期にすごい好きで見ていた「アリーMyラブ」のサンディと「エド/ボーリング弁護士」のウォーレンが主役というのはひじょーに興味をそそりました)
わりと80年代の怪物映画臭があって僕も好きでしたねー。
あと体に穴の空くシーンは今の今まで「地獄の謝肉祭」のパロディだと思い込んでましたけど、時系列考えると確かに「永遠に美しく」ですね。こちらの記事を読みながら「あ!そうではないか!」と思わず柏手を打ってしまいました。
今になって気がつく勘違いという話・・・(ーー;)