『スプリット』 (2016) - Split

私的に不調が続いているのかな~って勝手に考えていたシャマラン監督。ここにきて少し盛り返したような印象。もうすぐ公開の『オールド』に期待を込めて再見してみた。

■ スプリット - Split – ■
2016年/アメリカ/117分
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
製作:M・ナイト・シャマラン他
製作総指揮:スティーヴン・シュナイダー他
撮影:マイク・ジオラキス
音楽:ウェスト・ディラン・ソードソン

出演:
ジェームズ・マカヴォイ(ケビン)
アニャ・テイラー=ジョイ(ケイシー)
ベティ・バックリー(フレッチャー)
ヘイリー・ルー・リチャードソン(クレア)
ジェシカ・スーラ(マルシア)
セバスチャン・アーセラス
ブラッド・ウィリアム・ヘンケ
ニール・ハフ
M・ナイト・シャマラン
ブルース・ウィリス

■解説:
「シックス・センス」「ヴィジット」のM・ナイト・シャマランが、ジェームズ・マカボイを主演に迎えてメガホンを取ったサイコスリラー。マカボイが多重人格の男を演じ、シャマランの前作「ヴィジット」に続き、「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」など人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラムが製作を務める。

■あらすじ:
見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた女子高校生3人組は、監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。男が部屋から立ち去り、必死に脱出方法を思案している最中、ドアの外から男と女が会話する声を耳にした3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった。男には23もの人格があり、9歳の少年やエレガントな女性など、ひとりの体の中で人格が激しく入れ替わっていく。そして、そんな男に24番目の人格が現れ -

映画.com

SPLIT:分割する、裂けること、裂くこと


ある日、クラスメイトのバースディ・パーティに呼ばれて参加したケイシー。学校でもいつも浮いていて誰とも馴染めない彼女は、案の定パーティでも浮いている。楽しかったのか、くだらなかったのか分からない、苦痛なパーティもようやく終わり、主役女子の父親に家まで送ってもらうことに。だが、3人の女子を乗せた車の運転席にするりと乗り込んできたのは見知らぬ男で、すぐにスプレーをかけられて意識不明にされ車ごと誘拐されてしまう。

気が付くと、そこはどこかの地下の部屋。見回すと誘拐は前々から計画されていたかのようにベッドやシャワーが整っている。そしてすぐに先ほどの見知らぬ男、デニスが入ってきた。
この人は何者なのか、どんな男なのか、今から何が起きるのか、何をされるのか、、。
相手をよく見て観察する。なんとか手玉に取り、立場を逆転できないか…?だがまだ何も分からない。
デニスは色々話していったが、彼女たちを「聖なる食料」にするため攫ってきたという。「聖なる食料」とは?
一緒に攫われてきたクレアとマルシアは、3人の力を合わせて男を襲い脱出しよう、と言うが、よく考えろ。相手の力も技量も分からないのに、こちらの手の内を軽々しく見せてはダメだ。
亡き父が教えてくれた狩りの手法を思い出せ。
「鹿を狩るときは、じっくり相手を観察し、立派な角に目をやるのではなく攻撃する身体に狙いを定め、相手の動きに合わせて銃を構え続けろ。ここが辛抱の時だ。」

誘拐されてのパニック状態から、何とか協力して逃げ出そうと行動する合間に挟まるケイシーの過去の記憶。それはまだ小さい頃、父が生きていた頃の思い出だ。狩猟を趣味とする家で、父はよく父の弟である叔父と自分を狩りに連れて行った。主な標的は鹿。狩猟のマナーと醍醐味、細かな技まで、まだ幼い自分に一人前のハンターとして教えてくれた父。だが、楽しいはずであるその思い出に嫌な記憶が覆いかぶさる。
元来、利口で明るい性格の自分であったはずなのに、父が亡くなった頃から殻に閉じこもるようになった。友達もいない。今のこのクラスメイトと3人で誘拐されているという状況も辛いものがある。だが、力を合わせなければ。騒いでいるだけでは助からない。

だが、一つの身体が二つに割れてしまったかのような苦しみを抱えているのは、自分だけではなかった -


ここから3人が目撃する誘拐犯デニスの正体。
デニス、パトリシア、バリー、ヘドウィグ、、、。基本的人格(といえども、殆ど乗っ取られている)はケビンだ。彼は解離性同一性障害を患っていた。

目次

解離性同一性障害とは

解離性同一性障害(英: Dissociative Identity Disorder ; DID)は、解離性障害のひとつである。かつては多重人格障害(英: Multiple Personality Disorder ; MPD)と呼ばれていた。
解離性障害は本人にとって堪えられない状況を、離人症のようにそれは自分のことではないと感じたり、あるいは解離性健忘などのようにその時期の感情や記憶を切り離して、それを思い出せなくすることで心のダメージを回避しようとすることから引き起こされる障害であるが、解離性同一性障害は、その中でもっとも重く、切り離した感情や記憶が成長して、別の人格となって表に現れるものである。

生理学的障害ではなく心因性の障害である。
解離性障害となる人のほとんどは幼児期から児童期に強い精神的ストレスを受けているとされる。 ストレス要因としては、(1)学校や兄弟間のいじめ、(2)親などが精神的に子供を支配していて自由な自己表現ができないなどの人間関係、(3)ネグレクト、(4)家族や周囲からの児童虐待(心理的虐待、身体的虐待、性的虐待)、(5)殺傷事件や交通事故などを間近に見たショックや家族の死などとされる。 この内、(4)(5)がイメージしやすい心的外傷(トラウマ)である

Wikipedia:解離性同一性障害

ショックな出来事が原因で一時的な記憶喪失になる、というのもあるが、こちらは自分の身は守れなくとも「心」だけでも守るために起きる障害だ。23もの新たな人格が一つの身体の中に形成される、と言えば思い出されるのが実在の人物「ビリー・ミリガン」。
ビリー・ミリガンは強盗強姦事件で逮捕され、裁判の中で患っている解離性同一性障害と罪との関りがどう判断されるのかで有名になりダニエル・キイス著「24人のビリー・ミリガン」で詳細に紹介された。

原因はさまざまあるが、ケビンの場合は母親の虐待が原因であろうとされている。ケビンが自分を守るために24人にSPLIT(分かれた)したのと比べて、ケイシーは独りになるため自分の中に閉じこもる。だが苦しみは彼女を追い詰め、自傷に走ることになった。だが、それが彼女の命を救うことになったのだ。

そして、ケビンの自分を守る術はこれだけに留まらなかった。もっと攻撃的でエネルギッシュな野獣”ビースト”を生み出すことになる。

失意の者は、より進化した者であり、苦悩を通じて脳の潜在能力を開放する -

そして、ここから『ミスター・ガラス』へと続くわけです -


さて、シャマラン監督作は私の中で大好きなお気に入り作品と、普通のと、あんまり…のとに分かれるのですが、ここんとこ普通からあんまりが続いていたから、いよいよ!久々に!次!でやってくれるのでは!?と期待しているんだけど…(‘ω’)

📽️シャマラン監督作品

  • Praying with Anger(1992)
  • 翼のない天使(1998)
  • シックス・センス(1999)
  • アンブレイカブル(2000)
  • サイン(2002)
  • ヴィレッジ(2004)
  • レディ・イン・ザ・ウォーター(2006)
  • ハプニング(2008)
  • エアベンダー(2010)
  • アフター・アース(2013)
  • ヴィジット(2015)
  • スプリット(2016)
  • ミスター・ガラス(2019)
  • オールド(2021)

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