『地獄の花園』(2021) ~ 過激なOLが通りますわよ

舞台を中学、高校から一般企業に場所を変えて、OLたちが日々、派閥争いに明け暮れる様子を生々しく描写。しかし争いは一企業内に収まらず、やがては他の会社に所属するOLたちとの壮絶な戦いに発展していく ─
演じる役者さんたちの生真面目さがより面白さを盛り上げる派閥OLコメディ映画。

地獄の花園

■ 地獄の花園 ■
2021年/日本/102分
監督:関和 亮
脚本:バカリズム
製作:加藤達也 他
撮影:奥平 功
音楽:宗形勇輝 他
主題歌:LiSA「Another Great Day!!」

出演:
永野芽郁(田中直子)
広瀬アリス(北条 蘭)
菜々緒(安藤朱里)
川栄李奈(佐竹紫織)
大島美幸〈 森三中 〉(神田悦子)
森崎ウィン(松浦慎二)
ファーストサマーウイカ(進藤 楓)
近藤くみこ 〈 ニッチェ 〉(大柴姉妹)
かなで 〈 3時のヒロイン 〉(大柴姉妹)
勝村政信(冴木妙子)
松尾 諭(藤崎麻理)
丸山智己(工藤早苗)
遠藤憲一(赤城涼子)
室井 滋(七瀬小夜)
小池栄子(鬼丸麗奈)

■解説:
OLたちの華やかな職場の裏で、拳を戦わせる壮絶な派閥争いがおこなわれていたというバカリズムの奇想天外なオリジナル脚本を、Perfumeやサカナクション、星野源のMVを手がける関和亮監督のメガホン、永野芽郁主演で映画化。

映画.com

※この記事ではOLをレディー(ス)に読み替えるとより分かりやすいです。


Contents

あらすじ

ある大きな一般企業で働くOL直子。どんな団体にもあるように、彼女の会社にもある派閥争い。その派閥は大きく3つ。

●佐竹一派(営業部)
 頭:佐竹詩織〈通称:狂犬詩織〉
●安藤一派(開発部)
 頭:安藤朱里〈通称:悪魔の朱里〉
●神田一派(製造部)
 頭:神田悦子〈通称:大怪獣悦子〉

どういう時代か分からない直子の生きる日本社会では、争い合うOL派閥が存在し、真面目に仕事をこなす反面、日々、敵を打ちのめしテリトリーを広げ配下の者を増やしては、より強いOL派閥に戦いを挑んでいくスタイルで生きている会社員たちがいる。見た目も話し方も今や懐かしいヤ〇キーのそれだ。ただし、仕事中はごく普通の会社員をしており、時々起きる乱闘さえ無視して慣れてしまえば、他の一般会社員にはなんの害もない。

地獄の花園

そんな直子の会社の上記三派が戦いにより一つにまとめられた矢先、カリスマOLと呼び声も高い北条蘭が中途入社してくる。三派の面々は蘭に近づいてはヤキを入れようとするも、ことごとく返り討ちにあい最終的に蘭が三派のトップとなった。直子は派閥OLには関心は無かったが、蘭とはちょっとしたやり取りから仲良くなっていた。

いったん平和になったように見えた直子の周囲。
だが、北条蘭の名前が日本中を駆け巡り、〇〇商事や▲▼物産のOLたちが殴り込みに来るように。次々撃退し、ますます勢力を拡大していく蘭のOL派閥。だがここにきて最大の敵、株式会社トムスンのOLが直子を人質にとったうえ蘭を一人で来るよう呼びつけてきた。蘭は直子のため仲間が止めるのを制して堂々と一人で敵の会社に乗り込むものの、トムスン三銃士との闘いでぶちのめされてしまい気を失う ─

みどころと感想

一言でいうとOL版「今日から俺は!!」。
(総務部・魔王OL以外)「今日俺」ほどふざけていないので、もう少し見やすいと思うが、レディー〇の世界を描いているもののマイルドであり、真面目に働く会社員の様子なども挟み込まれ、乱闘そのものもデフォルメ化されているので怖い感じはあまりない。特に乱闘と乱闘の間に挟まる普通の会社員OL直子たちの会話があまりに普通で和やかなので、思わず大好きな映画『ブルース・ブラザース』(1980/監督ジョン・ランディス)のエレベーターのシーンを思い出した。

それより何より、この映画はほとんど前情報を入れずに観始めたので役者さんたちの本格的なりきりOL、特に株式会社トムスンの頭と三銃士にはかなり驚いた。トムスン側の4名は男性である必要性は無かった気もするけれど、そこにくるまでに直子の会社のOLの頭3名はもとより、他にも次々とレディー〇頭がレディーで登場したからこその、男性だったのかと思われる。ほんとのレディーなのか女装の男性なのか、はたまた女装の女性なのかは定かではないが…。

それぞれのなりきりOLの姿かたち、服装、メイクも見どころで、同じようなことを言い、同じようなことをやっていても個性豊かで飽きさせない。画面もカラフルで彼氏が欲しい夢見がちなOL風で見ていて楽しい。楽しいと言えば、派閥OLの人が会社のお茶室で殴り込みかなんかの相談をした後、「最後の人は換気扇消しといてね」って出ていく普通のOLらしさ。このユーモアがあるからこそ、全体的に憎めない仕上がりになっている。

別に誰かのためにとか正義のためにとかで戦っているのでもなんでもない、勝手に乱闘している派閥OLたちの世界。けれどもそんな彼女たちの間にも仲間を思うつながりがある。複雑な世の中で仲間のつながりだけを大事にして単純に生きる。
そんなヘビメタOLと普通OLの日常が交互に訪れ、終盤に流れ込んだうえでの最後のオチまで楽しめる乱闘OL作品。ヤン〇ーさんの映画も完全にエンターテインメントになったんだな~って、改めて感じた『地獄の花園』だった。

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