『ヘンゼル & グレーテル』(2013) - Hansel and Gretel: Witch Hunters –

Hansel and Gretel_Witch Hunters_01s
最近、グリム童話の映画やドラマをよく見かけると思ったら、「グリム童話」初版第1巻が1812年に発行されたということで200周年記念関連なんですね。なるほど。ということで、この「ヘンゼルとグレーテル」は時代こそ中世だけど、完璧なモンスター退治・グロありアクション作品。残酷といえども童話原作だからとのほほんと観始めたのは大間違いだった。

■ ヘンゼル & グレーテル -Hansel and Gretel: Witch Hunters- ■

2013年/アメリカ/88分
監督:トミー・ウィルコラ
脚本:トミー・ウィルコラ、D・W・ハーパー
製作:ウィル・フェレル 他
制作総指揮:デニス・L・スチュワート
撮影:マイケル・ボンヴィレイン
音楽:アトリ・オーヴァーソン
音楽プロデューサー:ハンス・ジマー
出演:
ジェレミー・レナー(ヘンゼル)
ジェマ・アータートン(グレーテル)
ファムケ・ヤンセン(ミュリエル)
ピヒラ・ヴィータラ(ミーナ )
ピーター・ストーメア(ベリンジャー保安官)
トーマス・マン(ベンジャミン)
デレク・ミアーズ(エドワード)

解説:
全米初登場No.1!!話題騒然のダーク・アクション超大作。 誰も知らない、衝撃の「ヘンゼル&グレーテル」が誕生!
 (公式サイト:ヘンゼル & グレーテル)

あらすじ:
森に置き去りにされたヘンゼルとグレーテルがお菓子の家の魔女を退治してから15年。大人になった兄妹は魔女ハンターとして有名になっていた。そんなある日、子供の失踪が続く村から事件の解決を依頼された2人は、村へと出向き調査を開始する。しかし2人を待っていたのは、村にある深い森に巣くう黒の大魔女ミュリエルだった-
 


お菓子の家の魔女を退治してから15年。親に捨てられたという暗い過去を持ちながらも、ウィッチ・ハンターとして成長したヘンゼルとグレーテル。魔女に悩む国中の村や町から呼ばれて、兄妹ならではの絶妙なコンビネーションで既に数百人の魔女を血祭りにあげていた。

今回、お呼びがかかったのはアウクスブルクという小さな町。10人以上の子供の失踪が続き、どうやら魔女による誘拐ではないかと考える市長に雇われた。しかしそこには、とにかく自分の力を誇示したくて、罪もない女性を捕まえてきては火あぶりにしようとする保安官がいたりして2人の邪魔をする。
それでも2人は森の案内人ジャクソンの力を借りて森に入り、いかにも魔女が住んでいそうな怪しい小屋をしらみつぶしに捜索していった。なかには戦いを挑んでくる魔女が住んでいたりするも、今回の誘拐には関係していなかったり。

魔女にも牛系、蛇系、カエル系などがおり、どれも見た目がおどろおどろしい。それに強い。
この捜索中に見つけた魔女も、箒というより太い曲がった枝のような物で空を飛ぶわ、何か得体の知れない物を投げつけてくるわ、足も速いし、すばしこくジャンプ力もすごい上、腕力も強い。
ヘンゼルとグレーテルも武器を持ってはいるが魔女ではないので、この2人の仕事はあくまでも肉弾戦による体力仕事なのだ。だから高い報酬を得る。

そんな中、ようやくグレーテルは手がかりのような物を発見。それは「血の満月」と呼ばれる月食の夜に行われる魔女の儀式についてであった。それは12人の子供を生け贄としてある儀式を行えば、「火」に放り込まれても燃えない身体を手に入れられる、というものだった。
魔女と言えば火刑。この火刑でたくさんの仲間を失ってきた魔女達。そしてこの全てを企んでいたのは「黒の大魔女」ミュリエルだった。世界中の魔女が集まる「血の満月」の夜はすぐそこに近付いていた-

魔女が集会を行うサバトと言えば「ヴァルプルギスの夜」。
「血の満月」ってこのことか?、と思っていたら違いました..
ヴァルプルギスの夜は古代ケルトの時代から行われていた5月1日のお祭りの日の前夜のこと。伝承によれば魔女たちがブロッケン山で大規模な祭りを催して、春の到来を待つという。南ドイツの田舎では、ヴァルプルギスの夜に若者たちが悪ふざけをする文化が残っていると言う。

対して「血の満月」=月食は年に数回ある現象なので、年1回のヴァルプルギスの夜に比べて、魔女達にとっては儀式をするチャンスが多いな。
そして、この月食の夜、世界中の魔女達が箒に乗って集まってくる。
昔の貴婦人風、アバンギャルド風、SM風、片目を縫い付けられた魔女、のどに大きな腫瘍がある魔女、片腕が無い、シャム双生児、小人、顔が溶けてる?などなど、危ない表現ながらも結構、見応えあり。そして彼女らを取りまとめるのが大魔女ミュリエル。さて儀式は無事に執り行われるのだろうか?


2013年4月に公開予定とされながら結局公開中止となりDVDスルーになった本作。どうしてだ?と思っていたけれど観てみて納得。原作の残酷童話をよりいっそう残酷グロ描写に楽しく描かれ、クリーチャーかと思えるような魔女もいっぱい出てくる。子供向けのタイトルでありながら、大人向け。しかし大人が観るには少し物足りない感じもある。とはいえ、今をときめくジェレミー・レナーやジェマ・アータートンが出演し、音楽プロデューサーにはハンス・ジマーが名を連ねる(ハンス・ジマーと言えば『グラディエーター』ですねー)。
などなどでターゲット層を絞りにくかったのかな、と思われる。
最近、『ヘンゼルとグレーテル おそろし森の魔女(2013)』というのも観たけれど、こっちは現代が舞台だけど内容はほぼ原作に沿っており、比べものにならないほど大人しい内容だった。

本作は頭が飛んだり身体が爆発したりしますんで、間違ってもお子様と一緒に観ないようにお気をつけを。
ではまた

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメント一覧 (7件)

  • ヘンゼル&グレーテル 【2013年製作:映画】

    まずこの映画の設定にやられたぁ、
    と思ったわけです。
     
    で、
    レンタル開始して直ぐにかりて見たわけですが、
    思ったのとはちと違いましたが、
    これは、これで面白かった。
     
    内容は、
    グリム童話の物語の一つ、
    「ヘンゼルとグレーテル」を元にした、
    アクション映画です。
     
    お菓子の家で魔女に食べられそうになったヘンゼルとグレーテルが、
    大人になって、
    魔女狩をするとい…

  • 初めまして。コメントありがとうございます。
    ホントに楽しかったです、この作品。大人向けのアクション作品ですね。
     
    >「小さい魔女」
    あ、、なんか知ってます。内容は残念ながら覚えていませんが、、子供の頃、読んだ記憶が。
    私も「魔女」もの好きです!
    他にも「人魚」「吸血鬼」「エイリアン」「狼男」このあたりは、外せません。
    ついつい、DVDを手に取り、テレビなら録画してしまいます。
    そうですね、子供の頃に親しんだものの影響なんですねー。
     
    **TBありがとうございました。私も打たせて頂きますー。
     これからもよろしくお願いいたします。

  • この作品は面白かったですね
    あまりブログで感想を見かけないのが残念なくらいです。一度は大作系として日本上陸の予定でしたのに。
     
    私も魔女といえば「ヴァルプルギスの夜」かなっ?と思っていたのですが、こちらの記事を拝見して
    違っていたのかと思い直しました
    「魔女」って、魔女裁判、火あぶりも含めて、杖や箒で飛ぶ姿とかもなにかしら惹かれるものがあるんですよね
    小さい頃に読んだ魔女の絵本のせいかもしれません。「小さい魔女」とか。

  • ヘンゼル&グレーテル

    なんてアグレッシブに成長したんだ。表題の通り、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」のその後を大胆脚色して描いた本作。魔女ハンターとして名を馳せる兄妹、兄ヘンゼルはかつて…

  • コメントありがとうございます。
     
    びっくりするほどホラーアクションな作品でしたね!
    ヒロ之さんは「魔女の箒乗り」の姿がちょっと滑稽だと書かれていましたが
    私はストっと箒から降りる場面が好きで、つい注目してしまいました。
    どちらにせよ不安定な乗り物ですよね[絵文字:i-179]
     
    武器についてはこの時代から「銃」があったのか気になって気になって[絵文字:i-179]
    でもあのグレーテルのガバッと開くボウガン(あってますか?)は凄かったですね。
    私も続編が楽しみです!

  • ダークファンタジー的な匂いは観る前からも感じ取れましたが、思ってたよりもホラーテイストも強くて、完全に大人向けの作品になっていましたね。
    私はむしろそういうのは大歓迎なので期待以上に楽しめちゃいました。
    改造武器なんかも登場して場を盛り上げてくれました。
    日本では劇場未公開とのことですが、それはちょっと勿体無いなぁと思わせる良作でした!

  • ヘンゼル&グレーテル

    HANSEL & GRETEL: WITCH HUNTERS
    2013年
    アメリカ
    88分
    アクション/ファンタジー/アドベンチャー
    R-15
    劇場未公開
     
     
     
    監督:トミー・ウィルコラ『処刑山 -デッド・スノウ-』
    脚本:トミ

Contents