『プラットフォーム』 (2019) - El hoyo

なんか、どっかで見た感じのする雰囲気、、、で思い出した!『華麗なる晩餐』だ!短編なのにとっても面白かった記憶から本作も観てみたものの、なんだろう、この胃のモヤモヤ感、気持ち悪さは(-“-) 

■ プラットフォーム - El hoyo – ■
2019年/スペイン/94分
監督:ガルダー・ガステル=ウルティア
脚本:ダビッド・デソラ他
原案:ダビッド・デソラ
製作:カルロス・ファレス
製作総指揮:ラクエル・ペレア他
撮影:ジョン・D・ドミンゲス
音楽:アランザス・カレハ

出演:
イバン・マサゲ(ゴレン)
アントニア・サン・フアン(イモギリ)
ソリオン・エギレオール(トリマガシ)
エミリオ・ブワレ(バハラット)
アレクサンドラ・マサンカイ(ミハル)

■解説:
スペインの新鋭、ガルダー・ガステル=ウルティアの長編初監督作品である今作は、トロント国際映画祭の中でもユニークな作品が集まる「ミッドナイトマッドネス部門」での観客賞、さらにはクセの強い作品が揃ったシッチェス・カタロニア映画祭でも最優秀作品賞を含む4部門での受賞を成し遂げた。永遠にも思えるほどの【縦】の閉鎖空間の中、極限状態で生活を制限された者たちがとる行動を通して、様々な社会問題を見事に描き出している。

■あらすじ:
ある日、ゴレンは目が覚めると「48」階層にいた。部屋の真ん中に穴があいた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の中、上の階層から順に食事が”プラットフォーム”と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。上からの残飯だが、ここでの食事はそこから摂るしかないのだ。同じ階層にいた、この建物のベテランの老人・トリマカシからここでのルールを聞かされる…1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、そこは「171」階層で、ベッドに縛り付けられて身動きが取れなくなっていた!果たして、彼は生きてここから出られるのか -

公式サイト

ゴレンは唐突に目覚めた。
そこは見たこともない無機質なコンクリートの部屋で、真ん中に大きな長方形の穴が開いている。洗面所らしきものの横にはトイレ。大きな赤く光る照明と窓は高いところにあるため、外は見えない。穴の向こう、対面するところに男が一人。声をかけていいのか判断もつかない。

こんな感じで始まる本作だけど、初めてポスターを見たときにあっ!と思い出した作品があった。

↑これは、美食家たちが大きなテーブルに乗ったたくさんの料理と一緒に階下に落ちていった後の穴…。美食家たちは数メートル落下したのにも関わらず、食べ続けている(-.-) というより貪り続けている↓

これは2008年のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『華麗なる晩餐』の一場面。こちらの出演者たちは自由を奪われているわけでも何でもない。とにかく、食べる、食べる、食べる…。何回、下に落ちようとも永遠に食べ続ける、というお話。


かたや本作の主人公ゴレンとその他の出演者たちは、何かの罪や肩代わりのためにこの建物に有期的に閉じ込められる。ゴレンも出た暁には「認定証」がもらえるはずだ。
ルールは簡単。

  • 何か好きなものを一つ持ち込める。
  • 各階層には二人
  • 食事は降りてくるプラットフォームがある数分の間だけ

へぇ、何もせず同室の仲間と適当にうまくやって数か月過ごせば外に出られて、欲しかったものが貰える?
ところが、そう簡単な話では無かったのだ…。この建物はかなりの高層で、同室のトリマガシによると最低でも100以上ある。そして生きていくために必要な食べ物はプラットフォームという名の巨大な石のお盆に乗せられて、一番上の1層目から順に各層に数分ずつ滞在しては降りてくる。1層目の2人を皮切りに食べ始め、次に2層目が食べ、食べていき、食べていく ─。当然下に行けば行くほど食べ物は無くなっていく。

48層目にいたゴレンは「人の食べ残し(既に94人が食べている)を食べるなんて、、吐き気がする」とばかりに、初めての食事にはそっぽを向いた。だが、それも数日、飢餓には勝てない。4つ目のルール「・食べ物を取り置こうものなら部屋の温度が異常に暑くもしくは寒くなる」も覚えた。
そうこうしている内に5つ目のルール
1か月おきに薬で眠らされ、他の階層に強制的に移動させられる
が、起きる。

目が覚めた時、ゴレンはベッドに縛り付けられ身動きが取れなくなっていることと、そこが171層目だと知る。「ドン・キホーテ」の本を1冊持ち込んだ自分に対して、同室のトリマガシが持ち込んだのは鋭く切れるナイフ”サムライ・プラス”。そのプラスを片手に持って不気味な笑みを浮かべながら近づいてくるトリマガシ。ゴレンはこの意味を否応なくすぐさま理解する。

 自分は食べられるのだ ─


171層目(340人が食べた後)には食べ物は欠片も残っていない状態。水しか無い極限の状態で、前で動いているのが”肉”となれば、どうなるか?この建物に慣れているトリマガシ。彼はもしかしたら初めてじゃないんじゃないかな。持ち物もシンプルにナイフ(サムライ・プラス)だし。
このまま、大人しく一口ずつ食べられていくゴレン、、、ではないんだけれど「食うか食われるか」の状況は、例えこの後、高階層に移れたとしても変わらない。また、その一月後には地獄が待っているかもしれないんだから。

その状況に耐えられず、自殺する者もいる。殺される者もいる。食べられる者もいる。

ぎりぎりの「人」としての理性を残せたゴレンは、相方と共に突拍子もない方法で皆が生き残ることが出来るよう、行動するが、、さぁ、どうなるでしょう?


考えれば考えるほど想像を絶する建物に閉じ込められ命を脅かされて、生き残るためにアクティブに行動していく、と言えば『キューブ(1997)』が思い出される。もちろん、”みんな仲良く全員生き残るよ!”みたいな高校生女子グループのようには事が進まないことも一緒。そして最後、無垢なる者が自由を手にするところも一緒なんだな。

けれど最初に書いた、なんか胃がモヤモヤする気持ち悪さは、本作『プラットフォーム』にだけある。それは、『キューブ』や普通の命脅かされ系ホラーの主題が「生き残る」だけに絞られているから。本作には人間の三大欲求のうちの「食べる」という行為(それも、がっつく感じ)をずっと見せつけられ、その上に「排泄」までも目の当たりにさせられる。
どちらも生きていくうえで非常に大事なことだけど、あんまり他人の「欲求」は見たくない、、無理やり見せつけられたくない、、、私だけかもしれないけれど(-“-)

あ、この建物は「垂直自主管理センター」と呼ばれている。

ところで、『キューブ』と言えば、邦画リメイクあるんですね。どうだろね

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