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動くアニメ、、ぁ、違う。アニメは元々動いてるわ。「動く人間コミック」こっちですね。度肝を抜かれたこの映像を初めて観た時は“すごい!こんなので映画が作れるんだ”と、ワケも分からず大はしゃぎした記憶が。動くアメコミの名に恥じず、出てくる人、出てくる人、カッコいいわ、綺麗すぎるわで、『シン・シティ』は完璧なる「大人のための人間アメコミ」作品なのだ。

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■ シン・シティ - Sin City – ■
2005年/アメリカ/124分
監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー、クエンティン・タランティーノ
脚本:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
原作:フランク・ミラー「シン・シティ」
製作:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー 他
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン 他
撮影:ロバート・ロドリゲス
音楽:ジョン・デブニー 他

解説:
“罪の街=シン・シティ”で繰り広げられる3人の男たちの愛と復讐をハリウッドスター総出演で描いた異色クライム・アクション。原作者のフランク・ミラーが自らメガフォンをとり、ロバート・ロドリゲスと共にモノクロをベースとした斬新な映像でコミックの世界観を忠実に再現。また、クエンティン・タランティーノがスペシャルゲスト監督として参加している。(allcinema)

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Opening/Ending
出演:ジョシュ・ハートネット(ザ・マン)

Episode1/ハード グッバイ
あらすじ: 醜い容姿を持つ屈強な大男マーヴ。ある夜、一夜を共にした高級娼婦ゴールディが彼の隣で殺され、その犯人に祭り上げられる。愛をくれた彼女の敵を討つため、また自分を陥れた者に復讐するため真相を調べ始めたマーヴだったが、彼の前には大きな何者かが立ちはだかっていた ―
出演:
ミッキー・ローク(マーヴ)
ジェイミー・キング(ゴールディ)
カーラ・グギーノ(ルシール)
イライジャ・ウッド(ケヴィン)
ルトガー・ハウアー(ロアーク枢機卿)
フランク・ミラー(神父)

Episode2/ビッグ ファット キル
あらすじ:顔を変えシン・シティに潜むドワイトは、恋人シェリーに付きまとうジャッキー・ボーイをある夜、きつく締め上げた。それでも足りないと思ったドワイトは手下と共に娼婦街に向かうジャッキー・ボーイを追う。この街の娼婦街はドワイトの元恋人ゲイルが束ねる治外法権の一画。娼婦の一人を拳銃で脅したジャッキー・ボーイは手下もろとも娼婦達に殺された。だがジャッキー・ボーイの正体が警官であった事から、警察vs娼婦軍団の戦いが火を噴き ―
出演:
クライヴ・オーウェン(ドワイト)
ロザリオ・ドーソン(ゲイル)
ブリタニー・マーフィ(シェリー)
デヴォン青木(ミホ)
アレクシス・ブレデル(ベッキー)
ベニチオ・デル・トロ(ジャッキー・ボーイ)
マイケル・クラーク・ダンカン(マヌート)

Episode3/イエロー・バスタード
あらすじ:心臓に持病を持つ刑事ハーティガンは、ある夜、連続養女殺人鬼を追い詰め大怪我を負わし、少女ナンシーを助け出す。だがその殺人鬼が街の有力者であるロアーク議員の息子だったことから、逆に彼は追い詰められ殺人犯の汚名を着せられて収監されることに ―
出演:
ブルース・ウィリス(ハーティガン)
ジェシカ・アルバ(ナンシー)
マイケル・マドセン(ボブ)
ニック・スタール(ロアーク・ジュニア)
パワーズ・ブース(ロアーク上院議員)


どの話も“孤独な男”対“街の有力者”、戦いの目的は一人の大事な女のため。
男は目的を達成するためなら自らの命も省みない。ただし、必ず目的は達成する。悪の権化を地獄に葬るのだ ―

くぅ~、カッコいい
男は三者三様で、それぞれ単純に「善」とは言い難い存在ではあるけれど、その根底に流れるハードボイルドな純粋さがたまりませんねぇ。3人とも長いコートを着込んで、風をはらませ悪に対峙する。その風はどこから吹いてくるのか。それは体制側とも言うべき街を牛耳るロアーク一家であったり、街を守るべき存在である警察だったりする。その警察の背後にもロアーク家がいるのだろう。

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大男マーヴはドワイトに言わせれば、ローマ時代に生まれて剣闘士でもしているのがお似合いの野蛮人。でもそれはマーヴの一面にしか過ぎない。大体、“マーヴ”は「運命の神である女王」と同じ名前(映画『ロミオ+ジュリエット』より)なのだ。暴力に彩られた彼の人生は美神ゴールディと出会うことで、元々持っていた一途さを増幅させ、悪と対峙する戦場へと舵を切る。まさかこの事が街を浄化する手助けになるとは、彼自身思っていなかったであろう。
彼が最終倒すべき相手は人喰いケヴィンとケヴィンを操るロアーク枢機卿。マーヴに宗教など関係無い。だってマーヴ自身が神なのだから。

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ドワイトは顔を変え、この“罪の街”シン・シティに潜み暮らす犯罪者。どんな事もやってのけるが、自分の女だけは守り通す覚悟がある。その覚悟の通り行動もするものの、危機的場面になると何故かいつも女達に助けられるドワイト。彼はハードボイルド的優男な面があるのかもしれない。
彼の敵は恋人に付きまとうジャッキー・ボーイだったはずだが、コイツを蜂の巣に(実際はすっぱ切り)したのも娼婦街の女達だった。警官ジャッキー・ボーイが殺された事を利用して娼婦街を我が物にせんとするマヌートがラスボスとなったが、彼らを蜂の巣にしたのも女達だった。
・・・あれ?あんまり役にたってません?でももてるドワイトなのだった。

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この腐った街で唯一の正義を貫く刑事ハーティガン。連続養女殺人鬼を倒して、今まさにその毒牙に掛かろうとしていたナンシーを助けたものの、殺人鬼がロアーク議員の息子だったことから制裁を受ける羽目になる。大怪我を負わされた後、きちんと治療され、また殴られる。刑務所でそんな8年を過ごし、夢の少女ナンシーと再会する。痛む心臓を抱えた彼が守るべきは、このナンシーだけとなった。彼らにロアークの追っ手が迫る。ハーティガンがナンシーを守るためにとった最終手段こそが、宗教とはなんたるかの教えに繋がるのではないだろうか?
そしてここからは第2作『シン・シティ 復讐の女神』へ続くようだ。

ここまでは戦う男達の話だったが、この「大人のための人間アメコミ」では女達も黙っちゃいません。自分の身は自分で守れてこそ、自立した大人と言える。傷付く女も多かったが泣き言は言わない。唯一、仲間を裏切り、自分の事しか考えられなかったベッキーは最後にきちんと制裁される。

また敵のラスボスの下には、非情に個性豊かな中間管理職的な輩がいる。人喰いケヴィンやイエロー・バスタードも奇をてらっていて面白かったが、一番のお気に入りは↓
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これ、鼻を加工してますよね?
娼婦軍団に散々やられた後、車でのドワイトとの会話がもう最高!クビがざっくりいっているから、タバコの煙がそこから抜けるのはまだ予想の範囲だけど、上を向いた時に切れた声帯のせいなのか声がうわずり、下を向くと普通にしゃべれるとか、もう芸が細かすぎて何度笑ったことか。ベニチオ・デル・トロは芸達者だ。
このシーンはタランティーノが撮ったところなんだって。さすがです。ありがとう。

Sin_City2_00-2さて、2014年8月にようやくアメリカで公開された『シン・シティ 復讐の女神』が、2015年1月に日本でもやっと公開に。1作目と同じく4話ほどが絡みながら入っていて、ナンシーとかドワイト(ジョシュ・ブローリン)、マーヴが再登場。新たなキャラ、ギャンブラー・ジョニーなんかの話らしい。ロアーク議員も健在で、予告編ではとっても偉そうにしている。
2作目は映画館で観たいなー。一応、家の者に1作目を見直しておくよう指示は出したのだが

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コメント

コメント一覧 (5件)

  • コメントありがとうございます。
     
    この映画は私もお気に入りで何度も観ています。
    このイライジャにはたまげましたねー。こんな事も出来るのか?と^^
    続編もいよいよですね!私も映画館に行って観ようと思ってます!
    今年から来年は他にもいろいろリスタートされるものが多くてほくほくですね。マッドマックスも早く観たいです。
     
    今年もどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

  • この映画大好きで、何度も見返しています。
    かっこいいですよね~。
     
    何気に三話ともに男が愛する女のために命をかけるという共通テーマが有り、次第に絡み合ってくるくるとことが面白い。
     
    いまでこそ、ホラーのイライジャになりつつありますが、当時はこの映画での彼の役柄にはびっくりした記憶も有ります。
     
    続編楽しみですね!
    映画館で絶対観ます。
     
    今年もよろしくお願いします。

  • シン・シティ 【映画】

    「シン・シティ」ですよ。
     
    思っていたよりは、おもしろかったよ。
     
    ジェシカ・アルパがもっと出てくるかと思っていた。
     
    それを言うならブルース・ウィリスもだけど。
     
    シン・シティに住む人たちの物語。
     
    それぞれのエピソードが、
    絡んでいそうで、
    全然絡んでいない。
     
    「パルプフィクション」のノリはあるけど、
    あそこまで洗練されていないかな。
     
    でも、
    おも…

  • 全く問答無用でカッコいい!です。
    内容はオムニバス的な話の運びですが、この映画に限ってはそこはあんまし気にならないんですよね。トーンが同じで出てくる人が被る場合もあるからなのか、、
    それより何より登場する人物がどの人も魅力的すぎるからでしょうかっ。
     
    変身したミッキー・ロークを目撃したのって、この映画が最初だったかナ。最初は「なんで、こうなった・・・」と思ったものですが、何度も見れば見るほど、この作品のマーヴは愛らしいですね。いい役だと思います。
    他にも仰る通り印象的な人は多いですが、どの役者さんもこの映画の役が一番美しくて格好良くて似合ってるように思ってます。

  • これは度肝抜かれましたねえ。
    オムニバスってことになるんですか?
    そうか元はコミックだったのか…。
     
    しかしまあ、改めて見てみるとキャストの豪華なこと。
    ミッキー・ロークはしばらく誰だか分かりませんでした。
    個人的にはイライジャ・ウッドとかデヴォン青木とか
    結構印象に残ってるなあなぜか…。
     
    久しぶりにまた観たくなりましたわ。

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