『ミック・テイラー 史上最強の追跡者』(2013) - Wolf Creek 2 –

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原題が『Wolf Creek 2』となっていたので、おや?と思ったらこれは『ウルフクリーク 猟奇殺人谷』という映画の続編なんですね。どちらもホラーにカテゴライズされているけど実話ベースで、元ネタは「バックパッカー連続殺人事件」。犯人は終身刑で今も収監中…

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■ ミック・テイラー 史上最強の追跡者 - Wolf Creek 2 – ■
2013年/オーストラリア/106分
監督:グレッグ・マクリーン

出演:
ジョン・ジャラット
ライアン・コール
シャノン・アシュリン

解説:
最凶の人間ハンター、ミック・テイラーの恐怖を描いたホラーアクション。
(allcinema)

あらすじ:
オーストラリアの大自然を満喫していたドイツ人バックパッカーのカップル。ある夜、国立公園内でキャンプしていたところを一人の男に注意される。街まで乗せていってやるとの申し出を丁寧に断った彼らは男の機嫌をそこねてしまい、あっという間に一人が殺され、残された彼女も逃げようとするが ―


続編とは知らずに1作目『ウルフクリーク 猟奇殺人谷』は観ていないが、良く出来た(ある意味、よくある)サイコキラーものだからきっと大丈夫。それに本編前にこんな注釈まで入る。

オーストラリアでは年間30,000人もの行方不明者がいる。その中の9割は戻ってくるが、残りの1割は見つからないままだ ―

Wolf_Creek2_11オーストラリアの人口は約2,200万人。人口密度は3人/km2。1km四方に3人しかいない・・(ちなみに日本は337人/km2)。

広い国土、広がる大自然。外国人旅行者も多いことだろう。
この作品は5年の間にそんな旅行者を中心に7人を無残に殺害したアイバン・ミラットの実際の事件「バックパッカー連続殺人事件」をベースにしたサイコ・ホラー。1km四方に3人だからこその連続事件なのかも

この作品のオープニングが面白い。
Wolf_Creek2_22大きな看板の陰に隠れるネズミ取りのパトカーが1台。1km四方に3人だから車もなかなか通らない。そこに1台のピックアップトラックが通りがかる。スピードオーバーというほどのものでは無かったが、退屈していた警官は成績の事もあって追いかけることに。
この時のサイレン音が『マッドマックス』と同じだったから、ちょっとテンションが上がった管理人。あのサイレン音は近未来の音だとばっかり思い込んでいたんだけど、オーストラリア独特の音なんですねっ!
追いかけていく道路もマッドマックスそのものだったから、もしかして同じ場所を使ったのか?とも思ったが、よく考えてみるとオーストラリアの砂漠地帯の9割はこんな感じなのかも。

Wolf_Creek2_23で、トラックが停まる。パトカーも停まる。
パトカーから降りてゆっくりトラックに近付く警官の足下が映る。マッドマックスと同じだ。マッドマックスで降りてきたのはマックスだったから良い警官。でもこちらで降りたのはワルい警官。さんざん運転手をいたぶり、虐めて、実際はオーバーしていなかったのに切符を切ってせせら笑う。

権威に笠着た警官にヘラヘラしているトラックの男。
けれども彼が“ミック・テイラー”って分かっているから、このまま終わるはずが無いとも分かってる。先に走り出したパトカーの車内では「ヒドいなー、先輩はー」とか言いながら笑ってる。来るぞ、来るぞ、きっとトラックが猛スピードで追いかけて来るぞー、って思い始めた矢先!
・・・ここは黙っときますけど、展開はやっぱりマッドマックスだったとだけ書いておきましょう。

Wolf_Creek2_16もうこれでこの映画の掴みは完璧なんだけど、肝心の“ミック・テイラー”がイマイチぴんとこない。ぱっと見は人の良さそうな隣のおじさん風。ベトナムの帰還兵ということだから、銃やナイフには慣れている。今の仕事は豚肉の仲買人?よく分からない。とにかく、この広い砂漠の道を縦横無尽に走り回っており、住まいは国立公園のすぐ隣。

この地の利を活かして彼は獲物を探し回る。獲物は外国人旅行者で、彼の言い分によると「我が故郷、オーストラリアを汚す邪魔者」だとか何とか。だから彼は出会った外国人バックパッカーを中心に駆除していくのである。とにかく、ほら、3人/km2だから、いくら被害者が助けを求めて走り回ろうと、大声を出そうと、誰にも気付かれない。というより、ほとんど誰もいない…

今回は冒頭の生意気な警官に始まって、仲のいいドイツ人カップル、カップルの女性と関わったばかりにミックに目を付けられたイギリス人旅行者がミックの餌食に。けれども被害者もスパッとやられるわけじゃない。この広い大地の上を一生懸命逃げるんだけど、逃げれば逃げるほど人と関わることになり、犠牲者は増える一方。とにかくミック・テイラーはひつこいからね。ネチネチといたぶったあげく、ザックリとあんな事やこんな事をやってみたり。

Wolf_Creek2_20でもやっぱり、ミックには魅力が無いなー(外国人嫌いに“ミック・テイラー”と付けたのは笑いを取るため? ※ミック・テイラー=ローリング・ストーンズの元ギタリストでイギリス人)。
反対に最初のドイツ人カップルは感じがいいし、イギリス人ポールも男前。あ、このポールは実際の事件でも登場した実在の人物で、ラストもほぼ同じように再現されているもよう。
再現と言えば、どこまで実際の犯人アイバン・ミラットの所行を演出しているかは分からないけれど(というのも、全てが明らかになっていないようだ)、この映画のミックはヒドくて非常にグロいです。バンっとか、グチャっとか、ドロ~ッとか、ザクっとかどんどん出てきて(一部の人には)見応えが。

アイバン・ミラットは7人殺害の罪で現在収監されているけれど、実際、犠牲者は30人はいるのでは?と言われていたり、犯人も複数なのでは?とも言われていたり。となると、現在もオーストラリアにはサイコキラーがうろついていることになるね・・・

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