ギレルモ・デル・トロ監督が気に入って製作したというだけあって、レトロでクラシックなホラーの中に家族の絆を描いて涙を誘う・・・。基本的にはあんまり怖くない。幽霊MAMAも最初から出ずっぱりだしね。『デビルズ・バックボーン』×「赤い蝋燭と人魚」みたいな雰囲気。あ、「ゲーム・オブ・スローンズ」のジェイミー・ラニスターが出てたよー(←あんまり関係無い)
■MAMA - Mama -■
2013年/カナダ・スペイン/100分
監督:アンディ・ムスキエティ
脚本:アンディ・ムスキエティ 他
製作:バルバラ・ムスキエティ 他
製作総指揮:ギレルモ・デル・トロ
撮影:アントニオ・リエストラ
音楽:フェルナンド・ベラスケス
出演:
ジェシカ・チャステイン(アナベル)
ニコライ・コスター=ワルドー(ルーカス/ジェフリー)
メーガン・シャルパンティエ(ヴィクトリア)
イザベル・ネリッセ(リリー)
ダニエル・カッシュ(ドレイファス博士)
ハビエル・ボテット
ジェーン・モファット
デヴィッド・フォックス
■解説:
アルゼンチン出身の新人アンディ・ムスキエティ監督が2008年に発表した短編がギレルモ・デル・トロの目に止まり、これを気に入ったデル・トロが自ら製作総指揮を務めてハリウッドで長編化したゴースト・ホラー。(allcinema)
■あらすじ:
経済市場が悪くなる中、精神を病んで殺人を犯してしまった父親によって、冬の山小屋に置き去りにされた幼い姉妹。5年後、決して諦めずに探し続けていた父親の弟ルーカスによって2人は発見される。過酷な状況で生き延びた姉妹は医師の管理の下、ルーカスと恋人アナベルに引き取られることになったが ―
仕事のストレスからなのか、妻との関係がうまくいってない事からなのか、精神に異常をきたして同僚や妻を殺してしまったジェフリー。幼い娘2人を連れて泣きながら吹雪の山道をひた走る。上の娘が怖がるほどにスピードは出ており、タイヤがスリップして車が谷へと転落した。だがうまく木に引っ掛かり少しの怪我ですむ。
子供を殺して自分も死のうと考えていた彼は、森の中を歩き回り一軒の小屋を見つける。ドアには“ヘルベチア”の文字が。誰かがいるみたいだよ、と怖がる娘たちを無理矢理中に入れ、涙を流しながら娘の背中にそっと拳銃を突きつけた、丁度その時、黒い墨のような何者かに連れ去られたジェフリー。
街では事件が発覚し、父娘は行方知れずとなった―
これに続くオープニングクレジットのバックには、娘たちが描き続けた壁の絵が映る。2人が遊んでいる様子。何かを食べている様子。下の娘リリーが時折、四つん這いで歩く様子。そのうち上の娘ヴィクトリアも四つん這いに。そして一緒にいる誰かの姿。5年経ってようやく見つけられた時には2人はほぼ野生児に。
全財産をはたいてまでも探し続けていたのは父親の弟ルーカス(そっくりだから双子かな?)。児童心理学か何かのドレイファス博士の力を得て、ルーカスと恋人アナベルは彼女らを引き取ることに。姉妹は徐々に社会性を身につけていくが、問題はそこじゃない。あの小屋から何者かが姉妹に付いて来ていたのだった―
何者なのかはご想像通り、悪霊と化した“MAMA”。
この悪霊が5年の間姉妹の世話をしていたんですねー。どうして悪霊となってまで子供の世話をするのかというと、それには悲しい過去があって、このMAMAはそれを2度と繰り返さないぞ、とばかりにルーカスたちから姉妹を取り返そうとする。
最初は姉妹たちの前だけに現れていたけれど、その内、露骨にルーカスとアナベルを脅かすように。
アナベルだけど、ロックミュージシャンで子供なんか面倒くさくて大嫌い!というタイプ。でも性格はいいんだろう。恋人ルーカスの手助けをして一緒に住むことにしたし、面倒もみている。不気味な者から姉妹を守る内に、母性にも目覚めてくる。
どうして、こういうホラーでは男性は役に立たないんでしょうか。肝心な時に怪我したり、気を失ったりして 『エイリアン2』から、そう感じてる。
悪霊“MAMA”については、墨みたいだったり、蜘蛛みたいだったりで、造形的にはイマイチ。顔が長すぎるのかなー。生きていた頃の写真の方がよっぽど怖い。この作品にもサム・ライミ製作『ポゼッション』と同じように「蛾」が効果的に使われていて、普通なら気持ち悪いんだけど、この映画の「蛾」は優雅で綺麗。数も少ないし。けれど食べるのはどうかと思う
何枚か怖いの置いておきますねー。最後はあまりじっと見ない事をオススメ
話にひねりも無いし、全体的にもあまり怖くないホラー作品。
それでも最後に涙を誘うところはデル・トロさんらしいと思う。やだわ、最近涙もろくて
■ニコライ・コスター=ワルドー
デンマークの俳優。HBOのテレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のジェイミー・ラニスター役で知られる。
1989年から1993年までデンマークのナショナル・シアターにて演技の教育を受けた。ハムレットなどの舞台にたち、デンマークや北欧の映画界で活躍。のちに英語圏の作品にも参加するようになった。最初の大きなプロジェクトはリドリー・スコットの『ブラックホーク・ダウン』である。リドリー・スコットは、後にワルドーを『キングダム・オブ・ヘブン』でも起用している。
■主な出演作
・モルグ/屍体消失(1994)
・ベント/堕ちた饗宴(1997)
・エニグマ(2001)
・ブラックホーク・ダウン(2001)
・ウィンブルドン(2004)
・キングダム・オブ・ヘブン(2005)
・ファイヤーウォール(2006)
・ヘッドハンター(2011)
・ゲーム・オブ・スローンズ(2011~)
・MAMA(2013)
・オブリビオン(2013)
(Wiki:ニコライ・コスター=ワルドー)
ぁらー、『ブラックホーク・ダウン』のゴードンだって。全然、気が付かなかった。「ゲーム・オブ・スローンズ」もシーズン3になって面白くなってきたんですよねー。
コメント
コメント一覧 (10件)
MAMA (Mama)
監督 アンディ・ムスキエティ 主演 ジェシカ・チャステイン 2013年 カナダ/スペイン映画 100分 ホラー 採点★★★★ うちの4歳になる末息子が傍若無人。朝から「起きない!」と暴れ、起きたら起きたで「着替えない!」とゴネ、夜は「風呂入らない!」と騒いだかと…
ゾクゾクしましたかっ!
私はまたまた反対で、あの写真以外ダメでしたー。なんかCG貞子に見えちゃって・・
でも!話は面白かったですね。うまく出来ていたし、最後はホントにデル・トロさんらしい悲しい、寂しい、嬉しいなトリプルラストでした。
欧米ゴーストホラーに怖さを感じないとこの前書いたばかりなのに、今回はえらくゾクゾクしちゃった私です(笑)
あの悪霊の気持ち悪すぎる動き方がめっちゃ怖かったです。
が、何か妙にその動きが気に入ったのか、思わず巻き返して二度見、いや三度見しちゃったんですけどね(笑)
デル・トロらしい切ないラストも良かったでした。
これは好みなゴーストホラーでした。
MAMA
MAMA
2013年
カナダ/スペイン
100分
ホラー
PG12
劇場公開(2014/05/17)
監督:
アンディ・ムスキエティ
製作総指揮:
ギレルモ・デル・トロ
原案:
アンディ・ムスキエティ
脚本:
アンディ・ムスキエティ
出演:
ジェシカ・チャステイン:アナベル
ニコラ…
MAMA
ギレルモ・デル・トロ製作総指揮ってことで期待していた本作。ジェシカ・チャステイン主演。
共同経営者と妻を殺害し、二人の子供まで殺害しようとした時に何者かに消される父親。5年後、野生児と化した二人を保護した叔父と恋人アナベルとの4人生活が始まる。しかし2人の子供らの謎の5年間には、MAMAという謎の存在が居るのだった…。
母性ホラー、怖くて物悲しいストーリー。これは好きです!
ジェシ…
ぃや、もう、凝視できないくらいです。
と言いつつ、指の隙間からしっかり何度も見てしまうんですけどね^^;
姉妹の選んだ道が違った点はとても納得がいくものでしたね。MAMAにも花を持たせるところ、上手いなーって思いました。リリーもそれが幸せな道だったと。
MAMA妖怪編の見た目はあーですが、身を削って育てていたからこそ、なんですね。
それにしても男前は肝心な時にぶっ倒れるもんなんですね(-.-)
人であった時代から、MAMA=イーディスの姿は少し異様でしたが、
MAMAの様相が恐ろしいのなんのって。特に床をはう姿
リリーは1歳だったこともあって、MAMAこそが母親だったんですね
幼いながらも3歳で人間生活に慣れていたヴィクトリアのほうは、
やはりあたたかい人間の世界を選ぶ所がせつなかったなあ。
しかし、ルーカス叔父さん肝心なところでぶっ倒れてばかりでしたね(笑)
前半しかり、ラストしかり。
あっ私も、蛾を食べさせていたところで、身を削って…と思いましたよ
チェリーだけじゃ生きていけないですもんね
MAMAを完全な悪者にしないところやラストなど、何かもの悲しさを生む展開はデル・トロさんらしいですよね。ちょっとCGが入りすぎて、今風になってしまっていたのが残念かもしれません。
それと今気付いたんですが、MAMAは蛾の化身みたいな感じでも描かれていましたよね。ということは自分の身を削って姉妹に食べさせていたのか、と。チェリーだけでは成長出来ないだろうと思っていたので、納得でした。
MAMA
『MAMA』
【製作年度】2013年
【製作国】スペイン/カナダ
【監督】アンディ・ムスキエティ
【主演】ジェシカ・チャスティン
【イントロダクション】 by Amazon.co.jp
妻を殺害したジェフリーは、森に佇む小屋でふたりの娘も殺そうとするが、そこに潜む何者かによって彼自身が消されてしまう。5年後、ジェフリーの弟は娘たちを発見するが…。
…
なるほど、「赤い蝋燭と人魚」も確かに思い出しますね~。
しかし、MAMAの姿が異様でした。
床を這う姿はなんともいえないですね。
あんなのに追いかけられたら・・・。
ストーリーは良かったですね。
親子愛。そして、ラスト子供がそれぞれ選ぶ決断が悲しくも、感動的でした。
ホラーなのに、良い映画と思いました。
さすが、ギレルモ・デル・トロですね。