観終わって、まーた失敗したかーと思ったものの、たまたま見たニュースで自分の思い違いに気が付いた。フィンランドによる強ーいブラックジョークにも関わらず、これがロシアでスマッシュヒットした、というのにも驚き。
■フィンランド式残酷ショッピング・ツアー – Shopping Tour -■
2012年/ロシア・フィンランド/70分
監督:ミハイル・ブラシンスキー
脚本:ミハイル・ブラシンスキー
製作:ミハイル・ブラシンスキー 他
撮影:アレクサンドル・シモノフ
出演:
タチアナ・コルガノーヴァ
ティモフィー・イェレツキー
タチアナ・リヤバコン
2012年/ロシア・フィンランド/70分
監督:ミハイル・ブラシンスキー
脚本:ミハイル・ブラシンスキー
製作:ミハイル・ブラシンスキー 他
撮影:アレクサンドル・シモノフ
出演:
タチアナ・コルガノーヴァ
ティモフィー・イェレツキー
タチアナ・リヤバコン
■解説:
フィンランドへのショッピング・ツアーに参加したロシア人親子が、食人鬼と化した現地住民たちに襲われるホラー映画。スマホのカメラで撮影したという設定のPOV作品。(Movie Walker)
■あらすじ:
隣国フィンランドへのショッピングツアーに参加したロシア人母と息子。フィンランドに入り、予定を変更して早朝から立ち寄ることになった貸切のショッピングモール。だがツアー参加客が全員店に入った途端、シャッターが閉められて店員達が客を襲い、食いだした ―
原題:Шоппинг Тур
買ってもらったばかりのスマホを持って母親と参加した「フィンランドショッピング・ツアー」。ロシア人参加者をバスに乗せて免税店やモールを回るという、そんなのんびりした平和なツアーがロシアにホントにあるのかな。
とにかく、息子のスタースは“ショッピング”ツアーというのを知らなくて、父親を少し前に亡くした上、反抗期なのも相まってムクれまくり。そんな親子のいざこざが延々と続いた後、ようやくフィンランド入国。
夜明け前から貸切のモールに入っていく参加者に笑いをこらえながらも、こんな朝から何を買うんだろう?と思っていたんだけど、ロシアではなかなか手に入らないものでもあるのか、大きなカートを押しながら買い物を楽しむ参加者達。
―そして、ようやく始まる惨劇。
店のシャッターは閉められ、次々とロシア人を襲うフィンランド人店員達。ぃゃ、一般のフィンランド人もいるみたい。噛み付き、肉を貪り食う。実はゾンビの巣窟だったのか?それともヴァンパイアの城?
いち早く異変を察知したスタース親子はなんとか外に逃げ出すが、町には車一台、人っ子一人いない(私なら乗ってきたバスを動かすけどね。免許があれば)。外国だから警察の通報先も分からず、どこまでも歩いて行く二人。
途中で見つけたコンビニの、普通に見えた店員にも襲われるが、逃げ出した先で警察署を発見。警官を見つけて署内に駆け込んだものの何故か捕らえられ、同じように捕まっていたパキスタン男性から何故このような事が起きているのか、とても信じられないような話を聞かされる―
たまたま見た関西で放送されている某ニュース。そこで毎週出演している青山繁晴氏のレポート(2014.4.9放送)が、ちょうどフィンランドについてだった。フィンランドという国は国土面積は日本と同じくらいであるが人口は500数十万人(兵庫県と同じくらい)しかいない。1917年ロシア革命の混乱に乗じて独立、1991年ソ連崩壊後ようやく西側諸国に近付くことが出来るようになった国であり、東欧諸国やソ連からの侵略に脅かされた経験から、自分たちの国は自分たちで守るという国民皆兵というお国柄。
で、今は平和を享受しているのか?と言えばそうでもなくて、近年は新帝国主義によるロシアからの侵攻を、やはり危惧し続けているらしい。
ここまで聞いて、ロシア人(に限らず外国人であれば、という設定ではある)を次々と襲って貪り食うこの映画は、思いっきり架空の世界でのフィンランド人の復讐、警告、もしくは切望であったのか、と気が付いた。面白いのは、ロシアが本作の製作に参加しており、興行的ヒットをしたという点。だから、というのもあったのかも知れない。
ラストで小さな女の子にまで親子を襲わせて、なかなか皮肉とユーモアのきいた映画だと思った。このレポートを見なければ、なんかよく分からないホラーもどきと思って終わったのは間違いない。
(あ!ゆらゆらのPOV作品です。)
コメント
コメント一覧 (3件)
まさか製作にロシアが加わっているとは!ホント自虐的ですよねー
いつも映画の詳細は調べずに観るから、「わっ、これどこの映画?」とよくなるんです^^;
確かにラストの2人の姿( ̄∇ ̄)
女の子を倒す羽目になって、脱力感というか疲労感というか罪悪感というか、あれは良かったです!
フィンランドのお国事情を知っていたらもっと楽しめるのでしょうが
知らなくても、「なんて自虐映画!」と楽しめちゃいましたよ
なんせ作ったのがロシアとフィンランド
これが、全然関係ないカナダ制作とかだったら、心配になっちゃうところですもん^;
前半でフィンランドは先進国とあれだけ誉めておいて、
オチがロシア肉大好きとか笑えます。できればもっとスリリングな展開だったら面白かったですが…
電話女性のモイモイ♪が可愛かったり、
前半の到着までのPOVが親子喧嘩ばかりでつまんなかったりとありましたが、
ラストの少女を食べてなんか絶望感いっぱいの2人の姿にぐっときちゃったのでありました
フィンランド式残酷ショッピング・ツアー
こりゃホラーじゃなくてコメディですよ。これがほんとの北欧スタイル、なんつっててね。
フィンランドを貶める作品ではなくって、わざとこういう人種だったんですよ、と作っている。そこには一種の笑いと冗談が混じっていて、ロシア・フィンランド合作ってことでブラック・ユーモアに満ちた作品でしたね。
バスから降りるまでが(どうでもいい内容で)結構長く感じます。その上POVなので画面が揺れる揺れる。
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