今度のニコラス・ケイジは“タフな良き人”刑事バージョン。対するジョン・キューザックは一見地味な中年だけど、実は連続殺人鬼という役どころ。刑事のケイジが心のねじ曲がったキューザックを追い詰めていく様子が見どころだけど、ドンパチも無い、爆発も無い、刑事の地味な捜査で突破口を開く様は、観ていて案外感動する。ぁっ、これは実話です。
■フローズン・グラウンド – The Frozen Ground -■
2013年/アメリカ/105分
監督:スコット・ウォーカー
脚本:スコット・ウォーカー
製作:マーク・オーデスキー 他
製作総指揮:ジョージ・ファーラ 他
撮影:パトリック・ムルギア
音楽:ローン・バルフェ
出演:
ニコラス・ケイジ(ジャック・ハルコム)
ジョン・キューザック(ロバート・ハンセン)
ヴァネッサ・ハジェンズ(シンディ)
ディーン・ノリス(ホーグスベン巡査部長)
ラダ・ミッチェル(アリー・ハルコム)
50セント(クレイト)
■解説:
凍てつく冬のアラスカを舞台に、80年代に全米を震撼させた実在の連続猟奇殺人犯とその逮捕に執念を燃やす地元警察官の息詰まる攻防を描いたクライム・サスペンス。主演はニコラス・ケイジとジョン・キューザック、共演にヴァネッサ・アン・ハジェンズ。監督は本作が長編デビューのスコット・ウォーカー。(allcinema)
■あらすじ:
1983年、冬のアラスカ。モーテルで拘束され半狂乱の娼婦シンディが警察に保護される。彼女は客に暴行を受けた上、殺されそうになったと訴えた。だが、その客ボブ・ハンセンはベーカリーを営む模範的な市民であったため、市警は簡単な捜査で終わらせて事件化を見送る。同じ頃、身元不明の女性の遺体が次々と発見され、州警察のハルコムはシンディの件と関わりがあるのではと疑いを持ち始めるが ―
実話ベースということもあって、派手でヘンな脚色はほとんど無い。刑事の地味ーな、足を使ったお仕事が紹介される。とは言え、ササッと見渡して「こりゃ、無いな」では狡猾な犯人は捕まえられない。特に今回のようにアイツが犯人だと分っているのに物的証拠が無いがために起訴出来ないとなれば、なおのこと。捜査は犯人が分らない場合と同様、困難を極める。それでも執念を持って食いつき、決して捜査を諦めないのは、可哀想な被害者のためなのだ。
執念の刑事はアラスカ州警察の部長刑事ジャック・ハルコム。2週間後に退職予定だったのに、連続殺人事件の捜査にあたり抜けられなくなる。
そして“アイツ”こと本作の連続殺人鬼はロバート・ハンセン。ベーカリーを経営する、妻子ある普通の中年男。この殺人鬼の元から逃げ出すことが出来たシンディが犯人だと断定したのに、地元の市警は、この男のあまりの普通さに立件しなかった。シンディが娼婦であることも理由だった。
娼婦と言えば、、
この映画を観て、アラスカに娼婦がたくさんいることに驚いた アラスカと言えば北極の隣かえ?ぐらいの間違った認識しか無く、、ホラー映画『30デイズ・ナイト』の冬が来たら移動するというイメージがあったもので..(『フォース・カインド』もそうらしいですね)。
というわけで、男達や娼婦がたむろする歓楽街の映像に驚いたわけです。
こんな場所があれば家出した少女や娼婦狙いの殺人鬼も出没する、と。
この映画の殺人鬼ロバート・ハンセンが一体、何名の女性をその毒牙にかけたかは正確には分らない。自宅に残されていた1枚の地図に付けられていた印は21。この21ヶ所に遺体が埋められていると考えられたが、全て見つけることは出来なかった。
ハンセンはターゲットを街で拾っては軽飛行機で人里離れた小屋に連れて行く。拘束した被害者を陵辱後、森に放って泣いて逃げる女性をライフルで射殺。そして埋めた。
連続殺人鬼にありがちな戦利品である被害者の宝石なども大事に持っていたハンセン。どうして彼らは同じような行動を取るのか。作品の中でチラッと出てくるが、FBIが出した犯人のプロファイルはハンセンにピッタリ合っていた。恐るべし
映画を観るまであまり気にならなかった「フローズン・グラウンド」というタイトル。観終わってから実はゾッとするタイトルだったことに気が付いた。
コメント
コメント一覧 (7件)
フローズン・グラウンド
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【The Frozen Ground】
制作国:アメリカ 制作年:2013年
1983年アラスカ・アンカレッジ。モテールの部屋で手錠につながれ
叫び声をあげている17歳の娼婦シンディが警察に保護された。ハ
ンセンに疑いがかかるが、町の善良市民と言われている彼を疑…
どういうアレで【TSUTAYAだけ】になるんでしょうねー。
ニコラス・ケイジとジョン・キューザック。どちらも好きな私はとにかく観てみたんですが、イヤな話でした。それだけに尋問シーンは、一番の見どころでもありますよね。
確かに、あの子は勝手な動きをしすぎでしたね。
誰かに似てるなー、と思い出してみたら「24」バウアー娘でした^^
こちらにも。
これもTSUTAYAだけ!の作品でしたが、中々に見ごたえのある内容でした。
犯人を落とせるかどうかの駆け引きとも取れる最後の尋問シーンが良かったです。
ただちょっとあの娼婦は勝手にうろちょろし過ぎかなと思いましたけども。
フローズン・グラウンド
THE FROZEN GROUND
2013年
アメリカ
105分
サスペンス/犯罪/ミステリー
PG12
劇場公開(2013/10/05)
監督:
スコット・ウォーカー
脚本:
スコット・ウォーカー
出演:
ニコラス・ケイジ:ジャック・ハルコム
ジョン・キューザック:ロバート・ハンセン
ヴ…
こんな事件を知るたびに、いかに家族と連絡しない、縁が切れてしまった人が多いかに驚きます。家族そのものが崩壊している場合もあるのでしょうが、そういった意味でも日本は恵まれ、平和なんだと思います。
ニコラス・ケイジは大作よりも、ちょっと(かなり)ねじ曲がったおかしな人役が好みなんですよ^^ 最近は色んな意味で真面目ですよね(オモシロクナイ(-.-)
ロバート・ハンセンのこの事件自体は、有名なので知っていましたが
見つかった、捕まった経緯までは知らなかったので、これは面白かった
ヴァネッサ演じる娼婦の少女と歓楽街、市警と州警察、色々な要素が絡み合って、
なかなかサスペンスフルな展開になっていたと思います
何より良かったのはニコケイの抑えた演技の中にたぎる正義感。
いままでの「とりあえず金稼げニコケイ映画」とは一線を画していると思います
私もアラスカの認識が全然なかったので、こんな物騒な歓楽街があるなんてのも知らなかった
凍れる大地の下にはいまだ発見されない死体が残っているのですね…
ラストのエンドロールでなんともいえない気持ちにさせられました
フローズン・グラウンド
犯人の魔の手から逃げてきた唯一の被害女性を守りながら犯人逮捕に燃えるアラスカ州警察の巡査部長と、容疑者の息詰まる攻防を描いたクライム・サスペンス。
ニコラス・ケイジとジョン・キューザックが共演。ヴァネッサ・ハジェンスさんが鍵となる娼婦の少女を演じてました。
実刑461年で今も刑務所に服役しているという実際の犯人…「アンカレッジ女性連続殺人事件」の実話を基にした作品です。←こういうのに弱い…