「リトル・ブリテン(英TVドラマ)」のマット・ルーカス主演ブラック・コメディ。どこまでも白い肌を持つ、プニプニキューピーさんのような彼の、真面目ですっとぼけた感じがアメリカ映画というよりイギリスもののような雰囲気を醸し出す。彼を中心とした多くの登場人物達の性格や背景もうまく描写されており、それらのエピソードも面白い。色鮮やかでどのシーンも絵になる作品。大物俳優もいっぱい
■スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち – Small Apartments -■
2012年/アメリカ/97分
監督:ジョナス・アカーランド
脚本:クリス・ミリズ
原作:クリス・ミリズ
製作:ティモシー・ウェイン・ピーターネル 他
製作総指揮:ベン・フェインゴールド 他
撮影:パール・H・エクベルグ
音楽:ペール・ゲッスレ
出演:
マット・ルーカス(フランクリン)
ジェームズ・マースデン(バーナード)
ジェームズ・カーン(オールスパイス氏)
ジョニー・ノックスビル(トミー・ボールズ)
ビリー・クリスタル(バート・ウォルナット)
ジュノー・テンプル(シモーン)
ピーター・ストーメア(オリヴェッティ)
ドルフ・ラングレン(メノックス博士)
サフロン・バロウズ(フランシーン)
アマンダ・プラマー(トミーの母)
レベル・ウィルソン(トミーの恋人)
DJクオールズ(酒屋の店員)
2012年/アメリカ/97分
監督:ジョナス・アカーランド
脚本:クリス・ミリズ
原作:クリス・ミリズ
製作:ティモシー・ウェイン・ピーターネル 他
製作総指揮:ベン・フェインゴールド 他
撮影:パール・H・エクベルグ
音楽:ペール・ゲッスレ
出演:
マット・ルーカス(フランクリン)
ジェームズ・マースデン(バーナード)
ジェームズ・カーン(オールスパイス氏)
ジョニー・ノックスビル(トミー・ボールズ)
ビリー・クリスタル(バート・ウォルナット)
ジュノー・テンプル(シモーン)
ピーター・ストーメア(オリヴェッティ)
ドルフ・ラングレン(メノックス博士)
サフロン・バロウズ(フランシーン)
アマンダ・プラマー(トミーの母)
レベル・ウィルソン(トミーの恋人)
DJクオールズ(酒屋の店員)
■解説:
クリス・ミルズが自身の小説を脚本し映画化。監督はビッグアーティストのミュージックビデオやスリラー映画の「ホースメン」を手がけたジョナス・アカーランド。主演は「アリス・イン・ワンダーランド」で双子の兄弟を演じたマット・ルーカス。共演は「アナライズ・ユー」のビリー・クリスタルと「ニューヨーク、アイラブユー」のジェームズ・カーン。貧困層のアパートに暮らす人々のドライな関係をシニカルに描いたブラック・コメディ。(allcinema)
■あらすじ:
ロス郊外のアパートに暮らすフランクリンはスイスへ移住する夢を持つ孤独な青年。ただ一人の家族である兄は精神科に入院しており、お金が無い彼は家賃をいつも滞納中。そんな彼の元に今月も大家が家賃の取り立てに現れるが、ふとしたはずみで大家が事故死。フランクリンは彼の死体の始末に困り ―
なんでかいつもパンツ一丁のフランクリン。
頭には髪が無く、3本ラインのソックスに緑の妙な靴という出で立ち。あ、頭のてっぺんあたりにキューピーのようなくるっとした傷跡があり、これが余計に彼のプニプニ感を増す。そんな彼の趣味は“アルペンホルン”。いきなりブォーっと吹くものだから、壁の薄い隣から苦情が。
壁の薄いこの安普請のアパートには、ちょっと変わった住人達が住んでいる。麻薬にうつつを抜かすトミーや、一人暮らしの気むずかしい老人オールスパイス氏、色っぽい年齢不詳の母親と娘。こんな彼らの中ではフランクリンのヘンさもあまり目立たないのか、何故いつも裸なのかを問いかける住人もいない。
人前に出る時はいつもカツラを被る奇妙なフランクリンには、毎日手紙が届く。精神科療養所にいる兄バーナードからで、内容は意味の無い録音テープと何故か切った爪・・。
出てくる人、出てくる人、皆おかしなこの作品。
まるで絵本の中の住人のようでとても現実とは思えないが、それでも冷静に観ていくと、どうやってこのフランクリンは食べているのか?と疑問が。でもその謎は(一部だけど)すぐに解明する。家賃を払えないフランクリンの所に今月も人間のクズ大家のオリヴェッティがやって来る。横柄なこの男は家賃代わりにフランクリンをセクハラしていた。こう見えてもフランクリンはおバカな訳じゃ無い。そんな時にはスイスアルプスでホルンを吹く自分を想像していたのだ。
だが、今回はこれでは終わらなかった。無理ムチャを言いながら暴れていたオリヴェッティがすべって頭を打って死んでしまったのだ。
フランクリンは考える。この遺体をどうするか?
埋めるか?ぃや、力の無い自分には土を掘るのが無理..
バラバラにするか?考えただけでも吐きそー..
そんな時、飼い犬のバーナードが耳打ちする。オリヴェッティの自宅に運んで自殺に見せかけては?
もうこの一連のシーンが面白くて面白くて 鈍くさいながらも自分の限界を知っているフランクリン。その上で決めたプランだったが、おバカではないものの、ずるい利口さは持ち合わせてない彼のやること、なすことが「今から、遺体を運んで、自殺に見せかけますよー」っと街に向かって叫んでいるようなもの。最後の自殺体の出来映えもどこから見ても殺人。それもギャングにでも殺られたような仕上がりに。
当然、警察沙汰になったこの事件。フランクリンは捕まっちゃうのか?
前半こそ、ちっぽけなアパートに住むおかしな住人物語なんだけど、途中からは、結構みんなまともで、毎日一生懸命生きていることがわかってくる。そんな中でも一番おとぼけなのはフランクリンで間違いない。だが、そんな彼でも兄の病院や警察などとのやり取りにきっちり対応し、受け答えしている様子から普通の青年なのだと見て取れる。
だからって、この映画は簡単にほのぼの終わるわけではない。ふざけながらもロスの犯罪場面なども出して、ここが危険な街だと知らしめる。決して絵本の中の夢物語では無いと。
どうして彼は終始パンツ一丁だったのか。
それは最後にわかりますよ。自分の夢をいつか達成するために“裸”だったんじゃなくて、必要な物を一つずつ揃えていたのだ、と。
最後に兄バーナードが残したテープが流れる。
過去は亡霊、未来は夢
行動できるのは“今”しかない
夢を掴むために、今、行動しろ
行動できるのは“今”しかない
夢を掴むために、今、行動しろ
泣かせるわぁ
マット・ルーカス
イギリスのコメディアン、俳優、脚本家。ユダヤ系ドイツ人の血を引いている。
脱毛症により、6歳の時にすべての髪の毛を失っている。ブリストル大学に進学。芸術学部で演劇を専攻した。そこで後に『リトル・ブリテン』等でコンビを組むことになるデヴィッド・ウォリアムスと出会う。
■主な出演作
・Little BRITAIN/リトル・ブリテン 2003年
・Little BRITAIN/リトル・ブリテン2 2004年
・ショーン・オブ・ザ・デッド 2004年
・Little BRITAIN/リトル・ブリテン3 2005年
・MONSTER [モンスター] 2005年
・初笑いだよ2008 リトル・ブリテン 世界の国からこんにちはスペシャル 2006年
・リトル・ブリテンUSA 2008年
・アリス・イン・ワンダーランド 2010年
・マットとデヴィッド ボクたち空港なう。 2010年
・レ・ミゼラブル25周年記念コンサート 2010年
・ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン 2011年
・スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち 2012年
(Wiki:マット・ルーカス)
コメント
コメント一覧 (5件)
コメントありがとうございます。
また遊びに来て下さいね^^
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
「リトル・ブリテン」のマット・ルーカスはとても芸達者で、この映画でも思わず見入ってしまいました。おとぼけ顔の不思議ちゃんではあるけれど、時たま、眉間に皺を寄せて厳しい顔。このギャップがまた面白い。
アルペンホルンはスイスの山にあればいいですが、普通の家には大きすぎますね^^;。
売っているのは見たこと無いですが、あー、普通に手に入れられるんだーと感心してしまいました。
ちょっと不思議感の漂う作品でしたね
死体の自殺偽装が笑えました。
フランクリンの脳内ホルン映像もなかなかで、
…でも実際の所アルペンホルンなんてそうそう目にするものじゃないので、
こういうものなんだーと興味深く見てました
日本でももちろん習ってる人いるんだろうけれど…
スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち
ぽっちゃりニートのフランクリン。左隣はイカれたヤク中男、右隣は短気なジイさん画家、みんなそれぞれ干渉せずワケありな暮らしを営んでいた。そんなある日、フランクリンは家賃を払えと突然乗り込んできた大家と揉み合いになり、はずみで彼を殺してしまう(正確には大家が勝手に転んで自滅した)。パニックに陥ったフランクリンは、ない知恵を必死に絞り出し、やがてハチャメチャな死体処理と証拠隠滅を計画する。
主演…