世界100カ国以上で放送されたキーファー・サザーランド主演「TOUCH/タッチ」。本作は息子の特殊能力に気がついた父親が息子との距離を縮めるために、息子の手助けになり奔走するという物語だ。
■TOUCH/タッチ - Touch -■
TVドラマ2012年/アメリカ
製作総指揮:ティム・クリング、キャロル・バービー、キーファー・サザーランド他
出演:
キーファー・サザーランド(マーティン・ボーム)
デヴィッド・マズーズ(ジェイコブ・”ジェイク”・ボーム)
ググ・バサ=ロー(クレア・ホプキンス)
ダニー・グローヴァー(アーサー・テラー教授)
ロクサーナ・ブルッソ(シェリ・ストラップリング)
■あらすじ:
WOWOW
アメリカ・ニューヨーク。元新聞記者のマーティンは、2001年の同時多発テロ事件で妻・サラを失って以来、職を転々としながら無言症の幼い息子・ジェイクの面倒を見る。生まれてからひと言も話したことがないジェイクは感情を見せず、マーティンにすら触られることを拒む。
だが、あるきっかけからマーティンは、ジェイクには過去から未来の各時代や国境を超えた人々のつながりを知覚する能力があり、それを数字を通して伝えようとしていると考えるように。ソーシャルワーカーのクレアに父親の資格を問われる一方、マーティンは無言症の専門家であるテラーという人物にアドバイスを請いながら、ジェイクが次々と示す“奇跡の数字”を解読し、世界中の人々を救おうと励む。
全体的なあらすじは上↑の通りだが、せっかくなので第1話について少しお話を。
Contents
第1話:運命のロードマップ Pilot/Tales of the Red Thread
第1話あらすじ
妻を亡くし、無言症を患う息子を愛し、懸命に育てている父親マーティン。
仕事を転々とせざるを得ないのも、学校を脱走するなどする息子に手がかかるのが理由だろう。「自閉症」ではないのかな?と思って観ていると、ソーシャルワーカーのクレアにそう言われて「自閉症とは症状が違う」とマーティンは答えていた。それでは無言症とは?
無言症・緘黙症(かんもくしょう)とは
言語の理解や発語は正常であるのに、ことばによる表現ができず沈黙を続ける状態をいう。この状態が生活のあらゆる場面でみられるものを全緘黙、部分的な生活場面でみられるものを選択性緘黙(場面緘黙)という。後者のほうが多くみられる。
Wikipedia
発症は幼稚園から小学校低学年頃で、入園や入学がきっかけになることが多い。選択性緘黙では、幼稚園や学校では話さないのに、家庭ではむしろおしゃべりなことが多く、気づかれないまま経過することがある。成長とともに改善することもあるが、なかには青年期まで持ち越すこともある。
触れられるのを極度に嫌がり、会話が成立せず、数字に強い、という特徴もある自閉症患者を扱った映画作品に
- ダスティン・ホフマン主演『レインマン(1988)』
- ブルース・ウィリス主演『マーキュリー・ライジング(1998)』
こんなのがありました。レインマンでは数字に固執し、計算が天才的に早いダスティン・ホフマン、マーキュリー・ライジングでは確か本作タッチと同じように男の子が延々と書き続けている数字に意味があった、というような内容だったと記憶。
しかし本作のジェイクは第1話のオープニングで普通に(心の中で)話しているので、やはり自閉症では無いのだろう。このあたりは、いずれはっきりしていくのかな。
見どころと感想
そして、悩むマーティン、数字を書き続けるジェイクと平行、もしくは関わりながら、あらゆる国のいろいろな人が絡んでくるのが本作「TOUCH/タッチ」の見所となる。
アメリカ、ヒースロー空港で1人の男性が落としてしまった携帯電話。第1話ではこの携帯が主人公となる。
その携帯は、空港内でのたくさんの他の携帯電話の落とし物と一緒にされる。この空港で荷物係として勤めるマーティンがいったんは手に持つが、またその手を離れ、携帯は飛行機の荷物に紛れて海外に旅立つ。
男性は大事な携帯を一心に探し求めるが、携帯はイギリスから東京、そして中東へ。手にした人をそうとは知らずに結びつけながら延々と旅を続ける。
この携帯電話によって結びつけられた人々。
- 持ち主のアメリカ人男性。携帯のデータに大事な物が
- イギリスでは携帯電話会社コールセンターに勤める男性が手にする。
同僚の歌の上手な女性の歌う様子をこの携帯で撮影。
- 東京で手にしたのはデートクラブの女の子。中のデータが素晴らしかったので感激する。
- 中東ではパン屋を営む両親のために苦心する男の子が、この携帯を持たされる。
これらが互いに絡み合い、ゴールに向かってストーリーは進んでいくが、実は第1話の内容はこれだけではない。マーティンにとって驚くべき偶然が、ジェイクの書き連ねていた数字によって起きることになる。
オープニングでジェイクは言う。
この世には触れ合う運命の人を互いに結びつけている赤い糸がある。それは、数学的な確率できまっていて、その数字を見つけるのが自分の仕事。
本作は息子の特殊能力に気がついたマーティンが、息子との距離を縮めるために、息子の手助けになり奔走するという物語だ。第1話を見る限り、少し強引なところがあったにせよ、これだけの中身の濃い話をよく1時間にも満たないものにまとめたな、と感心させられた。
キーファー・サザーランドもすっかり‘ジャック・バウアー’が抜け、息子を愛してやまない一人の父親役として、新たな一歩を踏み出したように思える。あわせて、本作は数字が主役ともいえる作品ではあるが、各所の映像がとても美しい。味気ない数字とこの美しい映像の対比も見所の一つではないかと思われる。
キーファー・サザーランド(マーティン・ボーム)
カナダの俳優、プロデューサー。イギリス・ロンドン出身。アメリカ合衆国でも活動。父親は俳優のドナルド・サザーランド。
Wikipedia
子役としてテレビなどに出演し1983年、本格的に映画デビュー。『スタンド・バイ・ミー』で一躍有名となるも役に恵まれない時期が続いた。その後、『24 -TWENTY FOUR-』の主人公ジャック・バウアー役で復活し、2006年度エミー賞ドラマ部門で主演男優賞を受賞。
■主な出演作
・ニール・サイモンの キャッシュマン Max Dugan Returns (1983年)
・世にも不思議なアメージング・ストーリー Amazing Stories (1986年)
・スタンド・バイ・ミー Stand by Me (1986年)
・ロストボーイ The Lost Boys (1987年)
・ヤングガン Young Guns (1988年)
・フラットライナーズ Flatliners (1990年)
・ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間 Twin Peaks: Fire Walk with Me (1992年)
・ア・フュー・グッドメン A Few Good Men (1992年)
・三銃士 The Three Musketeers (1993年)
・評決のとき A Time to Kill (1996年)
・ダークシティ Dark City (1998年)
・霊視 After Alice (1999年)
・フォーン・ブース Phone Booth (2002年)
・テイキング・ライブス Taking Lives (2004年)
・ザ・センチネル/陰謀の星条旗 The Sentinel (2006年)
・ミラーズ Mirrors (2008年)
・モンスターVSエイリアン Monsters vs Aliens (2009年) 声の出演
・サーフィン ドッグ Marmaduke (2010年) 声の出演
・メランコリア Melancholia (2011年)
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TOUCH/タッチ
2012年 アメリカ 全12話
製作総指揮:ティム・クリング、キーファー・サザーランド他
出演:キーファー・サザーランド
デヴィッド・マズーズ
ググ・バサ=ロー
ダニー・グローヴ