引き続き監禁・拷問もの。でもこれはコメディ・ホラー。あーでも、私、実は外国コメディにはあまり付いていけない。『宇宙人ポール』『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』は面白かったけれど、『ほぼ300(スリーハンドレッド)』とか『最終絶叫計画』シリーズとかは何が何だか・・。さてこれはどうだろう?
■ ピザ男の異常な愛情 – Otis – ■
2008年/アメリカ/100分
監督:トニー・クランツ
脚本:トーマス・シュノーズ 他
製作:ダニエル・マイリック 他
撮影:トーマス・ヤツコ
音楽:ジェームズ・S・レヴィン
出演:
ボスティン・クリストファー(オーティス・ブロス)
アシュレー・ジョンソン(ライリー・ローソン)
イリーナ・ダグラス(ケイト・ローソン)
ダニエル・スターン(ウィル・ローソン)
ジャレッド・クスニッツ(リード・ローソン)
ジャー・バーンズ(ラルフ・ホッチキス捜査官)
ケヴィン・ポラック(エルモ・ブロス)
■解説:
「24-TWENTY FOUR-」のクリエイターが放つ、コメディーホラーの傑作誕生!
■あらすじ:
オーティスはティーンエイジャーの女の子ばかりを狙うイカれた連続殺人犯。しかし、ある日彼に捕らえられていた女の子が一人自力で脱出することに成功する。 無事に戻ってきた彼女だが、そんな彼女の母親と兄弟は、自らの手でこのイカれた殺人犯に報復することを決心する- (amazon)
クールでイカした高校生活を送ることが出来なかったピザ配達人オーティスが、どうしても夢を捨てきれずに、巨体に任せて高校生女子を誘拐、監禁。彼女らを当時憧れていた「キム」と呼び、自分は皆の憧れフットボールのスターとなってデートから初体験、ペアでプロム参加までを妄想の中、成就させようとする物語。
拉致された女子は足を鎖で繋がれ、チアリーダーのユニフォームを着せられ、「オーティス、大好きよ」と言わされ、ハイスクールドラマに参加させられるが、少しでも抵抗しようものなら残酷な強烈ピカっと制裁が待っている。
でもピザとシリアルの食べ過ぎでピザ男のオーティスは、半ば女子らにバカにされ、なかなか最後まで成就できない。抵抗する彼女らに暴力を振るううち死なせてしまうことも。そしてバラバラにした遺体をあっちこっちに捨てるものだから、今では世間で「ティーンエイジャーを狙うシリアルキラー」と騒がれるまでになったが、依然として犯人不明。被害者は5人になっていた。
5人目も死なせてしまったオーティスは、6人目をまんまと誘拐。いつもと同じ手順で調教を開始するが、6人目の女子ライリーは利口で、従順なふりをしながら逃げる隙を伺い、見事脱出。家族に連絡を入れる。
ここまでは、悲惨な監禁ホラー。しかし、ここからは一転コメディになる。
家族から通報を受け、捜査に来たFBI捜査官ホッチキスは、有能なのか無能なのか、家族の味方なのか敵なのか?見てくれはショーン・ペンみたいな風貌で嫌味なことこの上ないが、犯人のプロファイルはドンピシャっと当てたりも。
そして、こっそり娘から連絡を受けた家族は、当てにならないFBIには報告せずに、犯人の家に乗り込み復讐を果たす。・・・聞こえはいいが、実は人間違いをした上、やり過ぎて死なせてしまうという大失態。そしてまだ捕まっていないオーティスに反対に命を狙われるはめに。
これらが全てコメディ調なので、後半はまるで違う作品。
家族が間違えた男を拷問するシーンも大して笑えなかった。あまりにも普通の人がやり過ぎで。最後のシーンもどうかなー。また、きちんと相手を確認してなかったもんね。
オーティスにしても誰も死なせたくはなかった、という優しさ?と、次々誘拐しては思い通りにするという行為がちょっとちぐはぐで、人物像を把握できなかった。きちんと前準備をしているようにも見えるが、監禁部屋は深く掘った地下でもなんでもなく、ちょっと頑張ればすぐに道に出ることが出来るという安易さ。
全ての理由はただ単に、高校時代を取り戻したかっただけ?
スケベでいやらしいピザ男も最悪だけど、人を死なせて普通の顔をしていようとする家族にも辟易。笑っていいのか怒っていいのか分からない作品だった。・・コメディは難しい・・
ではまた