予告編に美女の正体がバッチリ映り済みなのは何故なのか?それはこの作品がただのモンスターホラーでは無いからで、衝撃的な実態などは取るに足らない問題としているから。『キャビン・イン・ザ・ウッズ』でもそうだったように、この監督達は清々しいほどに綺麗な心の“人”を出してくるなー
2014年/アメリカ/109分
監督:ジャスティン・ベンソン、アーロン・ムーアヘッド
脚本:ジャスティン・ベンソン
製作:デヴィッド・ローソン 他
製作総指揮:ネイト・ボロティン 他
撮影:アーロン・ムーアヘッド
音楽:ジミー・ラヴェル
出演:
ルー・テイラー・プッチ(エヴァン)
ナディア・ヒルカー(ルイーズ)
フランチェスコ・カルネルッティ
ニック・ネヴァーン
■解説:
南イタリアの美しい海辺の街を舞台に、恐ろしい秘密を持つ美女との恋に落ちてしまった青年の愛の行方を描くホラーロマンス。新鋭ジャスティン・ベンソンとアーロン・ムーアヘッドのコンビがメガホンを取り、幻想的な映像美と独創的な内容が高く評価され、パームスプリングス国際映画祭などの各国の映画祭で賞を受賞した。2,000年以上もさまざまな怪物に変身しながら生き続けてきた女性を愛してしまう主人公を、『死霊のはらわた』(2013)などのルー・テイラー・プッチが演じる。(シネマトゥデイ)
■あらすじ:
両親を相次いで亡くし天涯孤独の身となった大学生エヴァン。ささいなもめ事から仕事までクビになってしまった彼は当てもなくイタリアへと向かい、美女ルイーズと出会って一目で恋に落ちる。だが1週間が経った頃、彼女から別れを切り出されたエヴァンは理由を問い質し、信じられないような告白を受ける ―
では、さっそくご覧いただこう ―
前作の『キャビン・イン・ザ・ウッズ』でもそうだったが、ホラー作品でありながらホラー部分に重きを置かず、登場する“いい人”がいかにこの問題について対処、解決していくかが主題。といってもホラー作品のほとんどはそういう事なんだけど、主人公の気持ちや言動がより自然。昨日聞いた家族や友達の話のようであり、心臓ばくばく、ドッキリ、雄叫びホラーとは一線を画している。
だけれど、起きるホラーな部分はかなり奇想天外。時々映ってはじらしてくれるホラー場面も良く出来ている。何しろ今回は美女ですからねー:-) それに『キャビン・イン・ザ・ウッズ』では結局正体が分からずじまいでラストを迎えたのに比べ、こっちはきちんと終わっていてスッキリ出来る(加えて主人公も男前)。
愛する両親を続けて亡くした青年エヴァンがふらりとイタリアへ傷心の旅に。そして異国の地で出会った美女ルイーズと恋に落ちるが、7日経って「あなたのことなど愛していない」といとも簡単にフラれてしまう。結婚までも考えていたエヴァンはどうしても納得できず、次の夜、訪ねた彼女の自宅で目撃したものとは・・・!
予告にあるとはいえ、ちょっと小さくしときます。クリックするととても大きく
心の綺麗な青年エヴァン。ゥオッとなりながらも怖い気持ちより彼女を愛する気持ちの方が勝ち、その場に残った。そんな彼にルイーズは自分の真実を語り出す。あーで、こーで、私は2000年は生きてきたけど、最近こーなったから、今こーなってるの。この壁画のモデルも私なんだよー。
エヴァンの恐怖と愛情がない交ぜになった表情もいいけど、ルイーズの2000年生きてきたにしては、カラッとした明るい性格もいい。よくある暗ーい吸血鬼ものドロドロとは大違い。
そこにカラッとした明るいイタリアの風景が相まって、何か別の恋物語映画でも観ているような気になってくる。話の筋としては単純なロマンスものだしね。
とは言え、時々挟まる恐怖の演出のチラッ、チラッがなかなか小気味よく、「そうそう、私は恋愛ものなど観ているワケでは無かった(管理人は日頃あんまり観ない)」と思い出させてくれ、安心させてくれる。
で、前作『キャビン・イン・ザ・ウッズ』と大きく違うのはきちんとしたラストを迎えることが出来たこと。きっとラストのラストもあーいうことだろうし、ホッとした。
ということで、地味でありながらも何故かこの監督ズの作品に引き寄せられるmomorexさん。次はなんだろなー