『ラバー』(2010) - RUBBER –

この殺人タイヤに気をつけろ!


Rubber (11)

 
僕はロバートだ。
ある日、砂漠のど真ん中で一人目覚めた。
半ば砂に埋められて、うち捨てられたような状態だった。
事件に巻き込まれたようだが、今までの記憶が無い。どうしてここにいるのか覚えていない。
名前だけは覚えていたのでよりはましだとは思ったが。
 
水を求めて砂漠をさまよった。身体がほてってくる。
頭にあるのはキラキラ光る透明な水だけだ。それだけだ。
水を求める僕を邪魔する物は何であっても許さない。全て蹴散らし、踏みつぶす!
 
…どうしても踏みつぶせない物を発見した。
踏みつぶそうにも、すべってうまくいかない。色々試したが駄目だった。
落ち着いて、少し離れて考える。
どうしても潰したい。どうしても破壊したい。
 
破壊せよ。破壊せよ!破壊せよ!!   ・・・・Bang!!!
 
自分の使命が分かった。
自分が何物なのかは、もはやどうでもいい。
僕は破壊者だ。破壊者ロバートだ。
僕の邪魔をするヤツは全てこの力で破壊してやる。
世の中の全てが僕の前にひれふす。人間だとて例外ではない。
 
Rubber_2010


 
■ラバー -RUBBER -■ 2010年/フランス/82分
 監督・脚本・音楽・編集・撮影:クエンティン・デュピュー
 出演:ロクサンヌ・メスキーダ

 
映画『E・T』でエイリアンが茶色なのも
映画『ある愛の詩』で2人が愛し合うことになるのも
映画『JFK』で見知らぬ人に大統領が暗殺されるのも
映画『悪魔のいけにえ』で殺人後、血の付いた手を洗うシーンが無いのも
映画『戦場のピアニスト』でピアノの天才が虐げられるのも
特に理由はない。
 
「偉大な映画には必ず理由無き要素が入っている。」
 
Rubber_2010