『シー・オブ・ザ・デッド』(2013) - Mar Negro –

entry-image_436
ブラジルの小さな漁村で起きた、ある夜の出来事。綺麗な海の風景が出てくるのは最初だけで、ほぼ全編、赤と黒と茶色に染まった肉片に覆われるゾンビ・ホラー映画。ヒーロー、ヒロイン不在な中で展開される殺戮に次ぐ殺戮。汚いですよー。観ない方がいいと思う。

Mar_Negro_01
■ シー・オブ・ザ・デッド - Mar Negro – ■
2013年/ブラジル/96分
監督・脚本::ロドリゴ・アラガォン
製作:ヘルマン・ピドニー
撮影:マルセロ・カステニーラ
 
出演:
マークス・コンカ
ティアゴ・フェリ
キカ・オリヴェイラ
キャロル・アラガォン

解説:
初長編作品「デス・マングローヴ ゾンビ沼」がブエノスアイレス・スプラッター映画祭で最優秀作品賞、観客賞をダブル受賞、続く「吸血鬼チュパカブラ」が10カ国以上の国際映画祭に招待されるなど、世界中でカルト的人気を誇る鬼才ロドリコ・アラガオ監督によるゾンビホラー。ブラジル・ホラー映画祭2014で上映。
(Movie Walker)
 
あらすじ:
ブラジルの小さな漁村。ある夜、漁師ペロアは網にかかった奇怪な生物に噛み付かれ大怪我を負う。妻に傷を縫ってもらい療養していた彼だったが、体調がどんどん悪くなる。同じ頃、村に新しく出来たクラブに卸されたペロアの魚を食べた人々が、次々にゾンビ化、辺りの人間を襲いだしていた ―


邦題『シー・オブ・ザ・デッド』から受ける透き通ったイメージとは全く違う赤黒肉片グロ作品です。レンタルで観たんだけど、冒頭に入っている予告編集からして凝視に堪えない場面が続出。「ぇっ、なんか間違った物借りちゃったかしら」と不安に思ったが、それはそのまま的中し本編になだれ込んでいく。
 
Mar_Negro_13ストーリーはネタバレするほどのものは無いんだけれど、設定がちょいと面白い。
ゾンビ菌ともいうべき物に最初に冒された漁師は、網にかかった生物に噛み付かれたというより、食い付かれた事が原因なんだけど、このシーンが結構丁寧に作られている。
 
夜の暗闇の中で、網を引く漁師2人。揚がってくる魚は少なく、中には無残に食われた残骸も。何度も何度も曳くうち、何やら大きな物が引っ掛かる。死んでいるように見えたソレは、目があり歯があり乳房のような物もある(足下は映らない)。
若い漁師が「人魚だ!人魚だ!これで金持ちだ!」なんて騒ぐ中、ソレはいきなり動き出し、年長の漁師に噛み付いた。
 
どう見てもコレは「人魚」なんて代物では無くて、ほとんど「半魚人」(半魚人画像はコチラ で)。この半魚人が本物の半魚人なのか、ゾンビとなった人なのかは不明だが、とにかくコヤツが美しい海を汚染。この辺りの魚を食べたうえ、魚にゾンビウイルスを蔓延させてしまっていたのだ(この場面ではゾンビ・アカエイが拝める)。
そうとも知らず、この漁師達が捕った魚が村へ。
 
次なる舞台、というより、こここそが阿鼻叫喚の地獄絵図と化す自称クラブ(という娼館)。
オープンしたてで、村人や議員、有名な歌手などが集まる中、魚料理を食べた綺麗な店のお姉さん(ちょっと語弊あり)が感染。あっという間に中にいた人々に広がっていく。
ではご覧頂こう。
 
Mar_Negro_23 Mar_Negro_15
 
最初は半魚人だったはずだけど、人に感染した段階でゾンビに。ゾンビだから人を襲っては食い、食われたりゾンビから噴出する血液を浴びたりするとゾンビに。だというのにマチェーテを振り回し切り倒そうとするため、被害は更に拡大。最後にはクラブのオーナーであるマダムがガトリングガンを持ち出す始末。
クラブの中は肉片と赤色の狂気の世界に一変するのであった。
Mar_Negro_20 Mar_Negro_18
 
このゾンビ・ホラー作品の変わっているところは、コレといった主人公がいなくて人々を助けるヒーローの存在が無いところ。割とずっと出てくる飲み屋のお兄さんも結局は自己中心的な事しかしなかったし、マダムが多少、人助けのような動きをするけれど、基本それぞれ勝手な行動に走り、混沌としたまま収拾が付かない。それともう一つ。最初の半魚人に続いて、古い書物に掲載されていた悪魔のような何かが姿を現す場面も。その書物を探しに来た他所の人間なんかも登場するけど、この人の行動も意味不明。
 
こんな肉片による混沌赤黒ホラーを作ったのはこの人

ロドリゴ・アラガォン
Rodrigo_Aragãoブラジルの監督です。
詳細は分かりませんが、強烈なスプラッター・ホラーが得意で数々の賞を受賞。今後も期待されるホラー監督(但し、観る人を選ぶ)。
■作品
デス・マングローヴ ゾンビ沼 (2008)
吸血怪獣 チュパカブラ (2011)
シー・オブ・ザ・デッド (2013)
 
※監督をペロッとしているのが本作に出てくる悪魔のような生物
※本作のエンドロールの後に顔を出す監督あり

 
本作『シー・オブ・ザ・デッド (2013)』は日本で公開されたんですねー。ウヒョー
汚すぎて強烈な作品ですけど、とにかく何も考えずギッチョン、ギッチョンの世界を堪能したい時には、どうぞ。『死霊のはらわた』はもちろんのこと、『アダム・チャップリン 最・強・復・讐・者』よりも上なのは間違いないです。