『ビューティフル・ダイ』(2010) - A Horrible Way to Die –

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『V/H/S』シリーズや『ABC・オブ・デス』に参加しているアダム・ウィンガード監督の最初の作品になるのかな?スピード感のある演出をする監督かと思っていたけれど、これは違いましたねー。ふわぁっと滲んで場面転換するところが多くて、全体的に優しげな印象は受けるけど少しくどい。ただ、起きている残忍な女性殺しの犯行をストレートに見せず、一種のドキュメンタリーのように描写するのはよかった。
 

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■ビューティフル・ダイ - A Horrible Way to Die -■
2010年/アメリカ/87分
監督:アダム・ウィンガード
脚本:サイモン・バレット 他
製作:トラヴィス・スティーヴンス 他
製作総指揮:ザック・ゼマン 他
撮影:クリス・ヒレク 他
音楽:ジャスパー・ジャスティス・リー

出演:
AJ・ボーウェン(ギャリック)

エイミー・サイメッツ(サラ)
ジョー・スワンバーグ(ケヴィン)
ブランドン・キャロル
レイン・ヒューズ

解説:
2011年製作の「サプライズ」で注目を集めた新鋭ホラー監督アダム・ウィンガードが、その前年に手がけた美しくて切なく、そして残酷なバイオレンス・スリラー。(allcinema)
 
あらすじ:
アルコール依存症のグループセラピーに通う看護師サラ。彼女はかつて、愛する恋人ギャリックが連続殺人鬼と気づき、自ら警察に通報、心に大きな傷を受けた過去があった。そんな彼女にもようやく恋人のような人が出来た頃、移送中に脱走を図ったギャリックのニュース報道が ―


ナイフを使った残忍な女性連続殺人。
恋人がその殺人鬼とは知らない女性サラが、彼ギャリックの夜中の外出をこっそり付けていって正体を知る。警察に通報して彼は逮捕、収監。サラは彼が自分を恨んでいると思い込んでいるから、安心して暮らせない。で、アルコール依存に。
冒頭はこのサラが依存症の会に出席している所から始まり、気になる男性に出会い、同時に忘れられない過去の記憶に苦しめられている様子を描く。
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平行して、大人しく服役していたギャリックが移送時に脱走。数々の殺人を犯しながらサラの住む町を目指す。過去に犯した殺人やサラとの忘れられない幸せだった日々の記憶を辿りながら。
 
A_Horrible_Way_to_Die_15これら二人の過去と現在が、焦点の合わないぼやけた映像を挟んで行ったり来たりするものだから、ちょっと分かりにくい。サラの過去の記憶はほとんどがギャリックと一緒で、幸せだった事が分かる。ただ彼を尾行した一点を除いて。
ギャリックもサラといる時はとても幸せそうだが、彼は“殺人依存症”。アルコール依存の人が隠れてお酒を飲むように、彼も恋人に隠れて女性を殺す。そしてその後、アルコール依存の人が罪悪感に苛まれるように、彼も苦悩する。
 
彼の殺し方はとても優しい、とでも言うのか、「大丈夫。安心して、解放するから」と言うと同時にグサッとやるものだから、被害者女性は怖がる時間もない。けれど男性を殺す時は非情に残酷。優しい言葉はもちろんかけない。
A_Horrible_Way_to_Die_23そんなギャリックはサラの通報で捕まることになった。が、果たして彼女を恨んでいたか?あらゆる依存症の人がやめたいと願うように、彼も願っていたのではないだろうか。普通の人としてサラと生きていきたいと。だから捕まった時は反対にホッとしていたのでは。
 
そんな彼と彼女が、ラストに恐怖と期待と、もしかしたら愛情を持って再会を果たす。が、そもそも何故、彼が脱走したのかの理由も絡んできたりして、なかなか面白い話の展開の末に再会。その時の二人の感情は、恐怖だったのか、憎悪だったのか、それとも愛だったのか。それぞれ、違っていたのかも。
 
原題「A Horrible Way to Die:残酷な死に方」がどうして邦題「美しい死」になったのかは分からないけど、一番、残酷な死に方をしたのはサラの友達だったに違いない。アレはギャリックじゃないと思う。

アダム・ウィンガード監督作
サプライズ (2011)
ABC・オブ・デス (2012)
V/H/S シンドローム (2013)出演も
V/H/S ネクストレベル (2013)出演も