『双頭の殺人鬼』(1959) - The Manster –

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日米合作の古いモンスターホラーを観てみたよ。お察しの通り「双頭」というタイトルに惹かれたのですが、まー、怖くはないです。フランケンシュタインとキング・コングを足して5で割ったような感じだけれど、設定がなかなか興味深いんですよね。
 
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■双頭の殺人鬼 - The Manster -■

1959年/アメリカ・日本/73分
監督:ジョージ・P・ブレイクストン
   ケネス・G・クレイン
脚本:ウォルター・J・シェルドン
原案:ジョージ・P・ブレイクストン
製作:ジョージ・P・ブレイクストン
撮影:デヴィッド・メイソン
音楽:小川寛興
出演:
ピーター・ダインリー
ジェーン・ヒルトン
中村哲
武智豊子
ジェリー伊藤
ジョージ・ワイマン

解説:
日本を舞台にした怪奇空想映画で、1人の日本人科学者が研究の鬼と化し、実験的に怪奇な人間を造り出すという物語。ジョージ・ブレイクストンと、かつて「バウンティ号の叛乱」でアカデミー編集賞を得たことのあるケネス・G・クレーンが監督にあたり、脚本はジョージ・ブレイクストンのオリジナル・ストーリーをウォルター・J・シェルドンが脚色したもの。撮影はデイヴィッド・メイスン。音楽は小川寛興、出演するのは英国映画界のピーター・ダインリーとジェーン・ヒルトンをはじめ、日本映画界から中村哲、武智豊子、ジェリー伊東等が出演している。
(Movie Walker)
 
あらすじ:
日本在住の海外特派員ラリーは、宇宙線が生物に与える作用を研究する鈴木博士の研究室を訪れる。インタビューは和やかに進められたが、酔って寝込んだ間に博士に特殊な薬を注入され、身体に異変が起き始める ―

※原題に注目!


The Manster_11所は日本、とある火山の麓。岩窟の一部を使って研究室を作っている鈴木博士。美人助手タラマと行う研究内容は、宇宙線が生物に与える作用を人工的に行うというもの。研究熱心な鈴木博士は、そのうち人体実験を行うようになる。被害者は博士の妻と弟で、2人とも見るも無惨な怪物になってしまった。
それらを隠してなおも研究を続けていた博士の下に、ワールド・プレスの特派員ラリーがインタビューに訪れる。和やかに進められるインタビューの合間に、ラリーの身長や体重、家族構成なんかを尋ねる博士。そしてラリーに勧めた酒に眠り薬をポタリと..。
 
The Manster_13眠っている間に妙な注射を打たれたラリーは、次第に凶暴になり、身体にも異変が。野獣のような毛が伸び始め、肩に目が現れたのだ。そしてラリーの意識が無い間に殺人が行われ、最後には肩に野獣の首が生えた。
こうして双頭の殺人鬼と化したラリーは次々と人を襲い始める。博士は実験を後悔するが時既に遅く、ラリーは博士の実験室に向かっていたのだった―
 
 
マッドサイエンティストである日本人、鈴木博士と人のいい特派員ラリー。英語が上手な博士は堂々としていてラリーと互角に映っている。ぱっと見狂っているように見えない博士は、弟や妻に人体実験をして、手に負えなくなると殺してしまうという非道ぶり。
ここで言う研究内容「宇宙線が生物に与える作用」とは?Wikiによると宇宙線とは「宇宙空間を飛び交う高エネルギーの放射線のことである」ですって。ようするに、これに当たると被爆するわけです。そして、博士の人体実験の結果、
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こんな風になってしまった弟と妻、ラリー。
アメリカ人として出てくる女性は皆、美人だというのに、この博士の妻の扱われよう
 
The Manster_19実験結果は充分に出たはずだが、ラリーに再度、人体実験を行う博士。そしてヒドイ結末を迎えるアメリカ人達。
 
この映画は1959年に公開された。終戦からまだ14年しか経っていないんですね。被爆させられた日本人が被爆させる側になるとは、なんという皮肉な設定だろう。話は単純で、今となれば全然怖くないホラー映画だけど、こんな内容の作品は現在では絶対、作れないよね。
あ、でも「温泉」とか「芸者さん」とかは結構ちゃんと描写されていて、その後の“なんちゃってニッポン”が出てくるアメリカ映画とは違ってた。これは日本に対する“愛”なのかなー