『ボーン・アルティメイタム』(2007) - The Bourne Ultimatum –

完結編となる本作『ボーン・アルティメイタム』では、ボーンはヨーロッパ5カ国を駆け巡る。その間も警察から追われ、CIAが放った暗殺者に命を狙われるなど息つく暇もない。今回はマドリッドで再会したニッキーとタンジールまで行動をともにし、彼女が知っている‘トレッド・ストーン’の一部についてを聞くことになる。

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■ボーン・アルティメイタム - The Bourne Ultimatum -■
2007年/アメリカ/115分
監督:ポール・グリーングラス
脚本:トニー・ギルロイ、スコット・Z・バーンズ、ジョージ・ノルフィ
原作:ロバート・ラドラム「最後の暗殺者」
製作:パトリック・クローリー、フランク・マーシャル、ポール・L・サンドバーグ
製作総指揮:ダグ・リーマン、ジェフリー・M・ワイナー、ヘンリー・モリソン
撮影:オリヴァー・ウッド
音楽:ジョン・パウエル

出演
マット・デイモン(ジェイソン・ボーン)
ジュリア・スタイルズ(ニッキー・パーソンズ)
ジョアン・アレン(パメラ・ランディ)
デヴィッド・ストラザーン(ノア・ヴォーゼン)
スコット・グレン(エズラ・クレイマーCIA長官)
アルバート・フィニー(アルバート・ハーシュ博士)
コリン・スティントン(ニール・ダニエルズ)
エドガー・ラミレス(パズ)
ジョーイ・アンサー(デッシュ)
パディ・コンシダイン(サイモン・ロス)
コーリイ・ジョンソン(ウィリス/ヴォーゼンの部下)
トム・ギャロップ(トム・クローニン/ランディの部下)
ダニエル・ブリュール(マリーの兄)

解説:
マット・デイモン扮する記憶を失った元CIA諜報員が自らの過去を取り戻すため世界中を駆け巡る大ヒット・スパイ・アクション・シリーズ完結編。原作は全3部作からなるロバート・ラドラムの“ジェイソン・ボーン”シリーズ。目の前に次々と降りかかる危機を乗り越え、ついにジェイソン・ボーンの過去が明らかとなる。監督は引き続き「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス。

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■あらすじ

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ネスキーの娘に真実を告げ謝罪したボーンは、キリルに撃たれた傷をかばいながらも、モスクワ警察の追跡をかわしパリへと向かう。
その頃、CIAイタリア対テロ極秘調査部が極秘作戦〝ブラックブライアー〟のキーワードがヒットしことをニューヨーク対テロ極秘調査部に報告。内部に情報提供者がいると確信したリーダーのヴォーゼンは、そのキーワードを発したイギリスのガーディアン誌記者サイモン・ロスの動きを追い、逮捕するためにイギリスのCIA要員を配置する。
しかし、イギリスのある駅でロスに接触してきたのは行方が分からなくなっていたジェイソン・ボーンだった-


自分がどうしてトレッド・ストーン計画に巻き込まれたのか?マリー殺害の首謀者は?一度つぶしたはずのこの作戦がブラック・ブライアーとして生まれ変わり、何故まだ続いているのか?
その秘密の鍵はニューヨークを指していた。

ブラック・ブライアー(黒いばら)作戦

この作戦は1作目『ボーン・アイデンティティー』の最後で、失敗した‘トレッド・ストーン作戦’の代わりにアボット局長によって次の案として報告されている。2作目『ボーン・スプレマシー』ではトレッド・ストーン作戦最後の暗殺者ボーンとジャーダの激闘の末、ボーン1人が残ったことになっていた。
パメラ・ランディによって人の道に外れるトレッド・ストーン作戦は封印されたはずであったが、実はそのアップグレード版の作戦が密かに遂行されていた。

  

ボーンとCIAの動き

本作の2/3を占めるボーンのモスクワからニューヨークまでの軌跡を、CIAの動きとともに↓にまとめてみた。
*クリックするともう少し大きくなります。

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アルティメイタムの見どころと感想

今作も見所は満載だ。
ロンドン、ウォータールー駅での攻防、マドリッドCIAオフィスでの格闘。タンジールでは暗殺者デッシュと警察に追われるボーンとニッキー。デッシュとの戦いで使われたのはタオルだった。
あわせてタンジールでのバイクアクション、ニューヨークでのカーアクションはますます磨きがかかり、おそらくカメラが数台潰れたのでは?と感じるほどだ。

全てをボーンの仕業と見せかけ、命を狙うCIAヴォーゼン。その後ろには黒幕がいる。暴走するヴォーゼンに何か裏があると気づいたパメラは、ボーンと連絡を取ると見せかけ、ヴォーゼン達の裏をかく。何がヴォーゼンをここまで暴走させるのか。
ボーンをはじめとする暗殺マシーンを作り、好きに動かしていたトレッド・ストーンとは

本作で全てが明かされ、完結する。

そしてボーンシリーズファンであれば大好きなスプレマシーのあのシーンが、実は本作のニューヨークでの事だとわかり、おぉーーっとため息をつくことになる、というおまけ付き。


ジェイソン・ボーンに心の平安は訪れるのだろうか。
洗脳され、マシーンとして作り替えられた身であったとしても、殺人は自分が行った事であり、手に残る血は洗っても洗っても取れることはない。ボーンは言った。名前は思い出せないが、殺した人々の顔が今も見える、と。
本作最後にブラック・ブライアーの暗殺者パズに追い詰められ銃を向けられたボーンのシーンがあるが、ボーンはパズに問い返す。
「なぜ君は俺を殺すのか?」
そう問われて目をしばたかせているパズに、ボーンは少し前の自分を見ただろう。

本作エンドロールの「Extreme Ways」はアルティメイタムバージョンになって、少し変わった。
どちらかというと、元の方が好みだ。

極限の場所での 極限の闘い
古いもの 新しいもの すべてを壊す
すべてを捨てて
極限の闘いに 俺はまた挑む
すべてを懸けて
極限で学んだことが俺を助ける

極限の世界には一筋の光もない
汚い地下室 汚い騒音 それが俺の家
俺はその世界に どっぷり漬かってる
それが今は心地よい
そういう世界があってもいい

ベイビー ベイビー
その世界が崩れた 突然崩れた
ベイビー ベイビー
その世界が崩れた 突然崩れた

さてさて、4作目『ボーン・レガシー』が本日(2012.9.28)より公開された。マット・デイモン3作品のような悲壮感と爽快感を織り交ぜた心を打つ作品になっているだろうか?
それは近々わかる予定。
ではまた

ボーン・シリーズ

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