『ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス 』(2020)

「未体験ゾーンの映画たち2022」上映作品である本作。その好物なタイトルとあらすじから視聴をとっても楽しみにしていた管理人momorex。・・・またやってしまいました(-.-) 今年に入ってまだ1か月と半分だというのに、いったい何度失敗していることでしょう・・・

■ ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス  Post Mortem – ■

Post-Mortem

2020年/ハンガリー/116分
監督:ピーター・ベルゲンディ
脚本:ピーター・ベルゲンディ
撮影:アンドラーシュ・ナギー

出演:
ビクトル・クレム(トーマス)
フルジナ・ハイス
ガブリエラ・ハモリ
ユディット・シェル

■解説:
ピーター・ベルゲンディ監督が、ハンガリーの歴史と密接に関わるホラー映画を作りたいという構想のもと作り上げた1作。歴史的な背景と異色の設定を持つ意欲作。

U-NEXT


Contents

あらすじ

第一次世界大戦(1914年7月~1918年11月)後のハンガリー。
自身も従軍、瀕死の大怪我を経験して母国に戻ったトーマスは、遺体写真家として生計をたて暮らしていた。そんなある日、一人の少女がトーマスに声をかける。
「私の村に来て遺体の写真を撮って欲しい。」
その少女が、戦地で生死を彷徨っていたトーマスに微笑みかけ生の世界に引き戻してくれた少女にうり二つだったことから、彼はこの仕事を引き受けることにする。ちょうどその頃、全世界では人口の1/3(5億人)が感染したと言われるスペイン風邪(インフルエンザ)が猛威を振るっていた。

Post-Mortem

さっそく少女の住む寒村に赴いたトーマスは、厳しい冬のさなかで地面が凍り、墓穴を掘ることさえできないまま納屋に並べられている戦争やスペイン風邪の犠牲者たちの遺体を見ることになる。村民たちは、この間に当時流行っていた愛しい家族の遺体写真を撮ることにしたのだった。

遺体記念写真

Post-Mortem

ヴィクトリア時代(1837年~1901年)、亡くなった故人にまだ生きているかのようにポーズをとらせ写真を撮ることが流行していた。専門のカメラマンは「ポスト・モーテム・フォトグラファー」と呼ばれ、発明されたばかりのダゲレオタイプ(銀板写真)の技法で撮影することになる。この技法は被写体を動かさないようにしての長い露光時間が必要であるため、被写体の生死に関わらず被写体を固定することが重要であった。

このブログにも遺体記念写真が登場する作品が

数日の滞在予定のつもりで村を訪れたトーマス。だが彼は、その夜から不気味で不可思議な現象に見舞われることになる。眠っている部屋の窓やドアがいつのまにか開いている。叫び声のような風の音が聞こえる。屋根裏を大きな音で走り抜ける足音。何者かの影・・・

2日目は撮影の仕事に没頭しようと努力したものの、村人の不可解な死や自分の身体が宙に浮く怪現象にまで翻弄されるようになったトーマスは、少女アナの事を気にかけながらも思わず村を逃げ出してしまう ─

感想

上に紹介した本ブログの遺体記念写真関連作品でも分かるように、クラシックでアンティーク、ゴシックな雰囲気がとっても似合うのが「ポスト・モーテム・フォトグラフ」。舞台はアメリカじゃなくヨーロッパ。ヨーロッパの中でもあまり馴染みのないハンガリーときたら、とっても期待するわけです。人里離れた寒村、古びた民家、都会の人間を忌み嫌う朴訥な感じの村民たち…。

特に本作のタイトルを初めて知った頃にたまたま別の件で発見した『笑む窓のある家』(1976/イタリア)という作品がありまして(これはかなり自分勝手で独りよがりの結果なのですが)、この二つの作品が一つとなり記憶され、これは絶対観なくては、「未体験ゾーンの映画たち2022」の中でも一番に観なくてはならないヤツだ、と思い込んでしまったのです ─

笑む窓のある家

笑む窓のある家』(1976/イタリア)
監督:プピ・アヴァティ
狂人によって殺された作者が描いたと言われているフレスコ画の修復に北イタリアの寒村を訪れた若い画家。だがすぐに画家の周りで殺人事件が起こり始める ─

そして昨日、U-NEXTで配信の始まった本作を、今か今かと待ちわびていた本作を、ワクワクしながら観始めたのですが、、またもや思っていたのと違ったシリーズに、やっちまったシリーズに追加される羽目に(-.-)

それは初っ端、戦地で死にかけているトーマスの夢に出てきた天使のごとき少女が登場した場面で既になんとなく嫌な気分が…。というのも戦地の死にゆくものの見る夢にしては綺麗、きれいすぎる。そして少女の様子が現代過ぎる、現代っぽ過ぎる。まるでありがちなCMの一場面のようだ。

Post-Mortem

ついでに言うと主人公のトーマスも若すぎる。顔つきも若くて現代人っぽ過ぎる。もっと中年くらいで髭もじゃの半プロ写真家っぽく見える方が良かった、ここはあえて。トーマスでは写真家に見えない。遺体写真家としての経歴があまりにも感じられない。従軍しつつも写真家としてのプロ意識に満ち、少女アナに亡くした娘の面影を…みたいなありがちな設定の方が分かりやすかった。

せっかくのクラシックでアンティーク、ゴシックな設定が若い現代風の二人によって、21世紀のびっくりホラーになってしまっている。そのびっくりも影になり音になり度々というより頻繁に出てくるものだから、もう全く驚かない。あまりに分かりやす過ぎるのだ。せっかくの寒村と民家がまるで都会のアパートが舞台のようである。

Post-Mortem

そしてトーマスのアナへの執着は何だろう?自分を死の淵から助けてくれた天使?にしては簡単に一人で逃げ出しましたね。そのうえ、簡単ににっこり笑いながら村に舞い戻りましたね。この辺りのトーマスとアナの関係性もよく分からない。親子の感情なのか、兄妹の感情なのか、恋愛の感情なのか、どれかに絞って分かるようにしてほしい。これではラストはただの誘拐に見える。

村に起きるたっぷりの怪現象の原因を調べることにした二人。でもそれは村人に話を順に聞いていくという単純なものだった。裏もどんでん返しも何もなし。村人は前から知っていたんやんか~ってなるばかりの展開。そして二人のもったいぶった調査では、隠しカメラ(この時代では無理なのでは)や隠しマイク(マイクじゃないけど)を使い現代風に証拠をつかむ。つかむけれど、それをどうするという事ではない。だって、村人は皆、何が原因か知っているし、この怪現象を解決してくれる人は誰もいない。神父さんも亡くなったまま次の人が来ていない。皆知ってる現象を記録してどうすんだ…

みたいな感じでクラシックな村人たちとは、なんかズレている物語が進行していき、それでも原因が解明され解決のようなことが起きラストとなる。観ている者への救いは、時たま挟まる当初期待していたクラシックでゴシックないくつかの(それらしい)ゾッとするカットのみであった ─

未体験ゾーンの映画たち2022

『人狼ゲーム 夜になったら、最後』米国版トレーラー
ニール・ブロムカンプのSFホラー『デモニック』米国版トレーラー
『ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス』予告編

2022年 アカデミー賞 国際長編映画賞部門ハンガリー代表作!各国の映画祭で24部門受賞43部門ノミネート、映画批評サイト「ロッテントマト」でも支持率100点!ハンガリーからの最上の恐怖が日本に上陸。2022年2月4日(金) 「未体験ゾーンの映画たち2022」にて公開!

株式会社プレシディオ

U-NEXT配信作

  • 1/14~
    • マジック・ロード 空飛ぶ仔馬と天空の花嫁
    • ヤクザプリンセス
  • 1/21~
  • 1/28~
    • クラッシュ・オブ・ゴッド
    • マーシー・ブラック
    • アクセル・フォール
    • キラー・セラピー
  • 2/4~
    • ドント・ストップ
    • 人狼ゲーム 夜になったら、最後
    • スターフィッシュ
    • 優しき罪人(つみびと)
    • サバイバル・シティ
    • マザーズ
  • 2/11~
  • 2/25~
    • プラネット・オブ・ピッグ/豚の惑星
    • クリフハンガー/フォールアウト

ニール・ブロムカンプ監督の『デモニック』が無い~(-“-) なんでだ~

Post-Mortem

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