Netflix 伊藤潤二「マニアック」を観たよ Ep.1~6(アニメ/2023)

これもワクワクと配信を楽しみに待っていた管理人momorex。早速前半を観たのだが、思い出した、ちょっと伊藤潤二作品が苦手だったことを…(-.-) その美醜の描き分けと彼ら登場人物の内面をあぶり出す世界観。それがあまりに醜く、かつコミカライズされてはいるもののそのリアルさが結構、精神的にクルからだろうか。

■ マニアック  – Maniac – ■

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2023年/日本/全12エピソード
監督:田頭しのぶ
脚本:澤田薫
原作:伊藤潤二
伊藤潤二傑作集』『魔の断片』『伊藤潤二研究ホラーの深淵から』(朝日新聞出版刊)
音響監督:郷田ほづみ
音楽:林ゆうき

■解説:
日本が誇るホラー漫画の鬼才、伊藤潤二の作品の中から、独特の狂気に満ちた傑作を厳選してアニメ化。不気味で奇々怪々、それでいて独創的な伊藤潤二の世界にどっぷり浸れる恐怖物語集。

Netflix


ではさっそくいつもの通り、人の痛いところを突いてくる前半6エピソード(10タイトル)のあらすじと感想をどうぞ(-“-)

Contents

#01 怪奇ひきずり兄弟 降霊会

あらすじ

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両親が亡くなり長男、一也が家長となって残された弟妹たちを束ねる資産家・引摺家。家長の立場をいいことに弟妹たちを顎でこき使う一也に彼らの不満は溜まっていた。ある日、一也が公園で心霊写真を撮影していたオカルト好きのサチヨに出会い、引摺家で弟妹たちと開催する降霊会に誘うが ─

感想

まず長男、一也が19歳という事に驚きを隠せない(-ω-)。長男が19歳だから後ろで大きく口を開いている妹や弟はそれよりも下。この昭和な世界観がまさに「伊藤潤二」作品の特徴で、これは昭和というより明治時代に近い家制度を守るある資産家のお話。守ると言っても一人仕事に出ている家長の長男がただただ偉そうにしているだけで、未成年の他のメンバーは正直仕方なくそれに合わせているだけ。降霊会がどうのよりも、何故にそんなに老けている?とか、何故にそれほど醜く描かれている?とかが気になって気になって、こっちは降霊会どころではなかった(-ω-)。
案の定、交霊会の顛末は思っていた通りに進んで行ったが、ラスト少し驚かされる昭和的な顛末が待っている。
それと初っ端、燃やしている遺体のようなモノも途中で種明かしされているよ。

家制度1898年(明治31年)に制定された明治憲法下の民法において規定された日本の家族制度であり、親族関係を有する者のうち更に狭い範囲の者を、戸主(こしゅ)と家族として一つの家に属させ、戸主に家の統率権限を与えていた制度である。この規定が効力を有していたのは、1898年7月16日から1947年5月2日までの48年9か月半ほどの期間であった。

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#02-1 トンネル奇譚

あらすじ

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古いトンネルで自殺した母を持つ五郎。当時の記憶に苦しめられている五郎は幽霊が出ると言われるそのトンネルに友人たちとやって来る。トンネルの奥に佇む人影を見つけ驚いた友人たちは逃げ去ったが、五郎はその人影が妹マリだと気づき声をかけ家に連れて帰る。どうしてトンネルにいたのか尋ねると幼かったマリはそのトンネルでの母のことを何も覚えていないにも関わらず、何故かそのトンネルに引き寄せられ、いつの間にかトンネルにいるのだと言う ─

感想

しんしんと雪の降る中、息子の手を引きトンネルに向かう母。だが母は息子の手を振りほどき一人トンネルへと消えていく。その後響く汽車の急ブレーキ音。何が起きたかは幼い息子、五郎にもわかる ─

こんな感じで始まる哀しく美しい物語が、まさかあの展開になるとは驚いた。母がなぜ死ななくてはいけなかったのか、なぜ何も知らない妹がトンネルに引き寄せられるのか。それが全て宇宙線のなせる技だったとは(-“-)。ラストはあまりに救いが無いが、こんなトンネルは日本各地に今も存在するらしい(かもしれない)

#02-2 アイスクリームバス

あらすじ

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子どもたちやママに大人気のアイスクリームバスが今日も団地にやって来た。町を一周するバスに子どもたちは乗り込み、その間は食べ放題。けれど楽しめるのは子どもだけ。一人息子にせがまれてそのバスに乗せた父親、龍太郎はそんな上手い話があるのかと一抹の不安を覚えるが ─

感想

子どもが大好きなアイスクリームバスやピエロのホラー作品は結構ある印象で、楽しくて大好きだからって簡単についていったらダメだよ的なお話になるのが定説。これもそうなのかな~っと見ていく。登場するのは美しすぎるアイスクリーム屋さん(子供たちのママもメロメロ)と一人息子に少し厳しい父子家庭のパパ。男性だけに美しすぎるアイスクリーム青年をじっくりと観察できる。だいたい子どもたちだけでバスに乗り込み、アイスクリーム食べ放題なんてパパじゃなくても怪しさ満点だし、第一歯にも良くないよ?

ほらね、やっぱりこんな結末が(;O;) パパは死ぬまで後悔することになるね…

#03 首吊り気球

あらすじ

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人気アイドル輝美が自分のマンションで首吊り自殺した。若者の間で後追い自殺が起きる中、輝美の幽霊を見たとの噂が広がり、そのあまりの異様さにメディアに取り上げられるようになる。その幽霊は巨大な首だけの姿で空に浮かんでいるというのだが ─

感想

今回、ビジュアル的に一番楽しみだった「首吊り気球」。物語の構成が現在から1カ月前、2週間前・・と今回のこの騒動の顛末を過去から追ってきちんと説明されているので話の流れは分かりやすい。けれど案の定、何故に巨大首吊り気球が飛来したのかの説明はない(-“-)。 理由も原因も分からずに、ただただ不気味で巨大な自分の首から逃げまどうしかない人々。
ラストはどうなるか?神も救いもありません…

#04-1 四重壁の部屋

あらすじ

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弟の出す騒音に耐えきれなくなった受験勉強中の兄、公一は両親に相談して部屋に防音設備の工事をしてもらうことになる。町一番の防音工事屋、互須が早速工事を開始。無事に仕上がるが、部屋は窓もなく四重の壁と扉に囲まれ座るのがやっとの空間になっていた ─

感想

美形秀才の兄と暗く醜く取り柄のない弟の対決を描いたお話。
取り柄が無いと思われていたものの工事で発覚した釘を打つ才能が、ますます歪んだ弟の自意識を拡大させていくところが救いが無い。ただの兄弟げんかがそうは見えなくなっていく狭い空間。外からは見えない家の中の“悩み”や“迷い”、“不信感”、“家族の軋轢”などが悪意と共に描写され、家庭の問題をあぶり出すようだ。
ここまで観てきて、一番怖いと思った。

#04-2 睡魔の部屋

あらすじ

眠ってしまうと自分の中からもう一人の自分が出てきて好き勝手なことをやるからと、3日間眠っていない雄二。相談された恋人、マリは半信半疑ながらも彼が眠らないように頼まれた見張りを引き受けるが ─

感想

なになに~?多重人格?サイコ?精神的なお話?かと思いきや、全く違っていて分かりやすいほどの物質的、それも有機物的な「もう一人の自分」が登場したよ。例によってどうしてこうなったのか、これからどうなるのかは分からずじまい。人がいなくなったから捜査に来た刑事さんは今後悩むことになるだろうね…
犯人はタイトルにある通り睡魔という名の魔物なのだろうか。

#05-1 侵入者

あらすじ

大きなお屋敷に一人暮らす高校生トオル。一人のはずなのに宅内で足音が聞こえることが気になっていた。そんなある日、学友たちが家に遊びに来て彼らが窓から庭を見ていると、大きな穴を掘り人らしきものを埋めようとしている人物を見つける ─

感想

美形の登場人物たちにホッとしていると、今度は異次元から醜い自分がやって来る。あ~、なんでもありだ~とは思ったものの、これは表向きの自分と隠された本来の自分のお話。隠された本来の自分は日頃ねたましく思っている学友はもちろん、表向きの笑っている自分さえも抹殺してしまう。それがトオルの本性なのか?
彼は違うと言っていたけど ─

#05-2 屋根裏の長い髪

あらすじ

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恋人に捨てられたチエミは彼のために伸ばしていた長い黒髪を妹に頼んで切ろうとしていた。だが妹がハサミを取りに部屋を出たわずかな間に、チエミは首を切り取られた無惨な姿で殺されていた ─

感想

「恋人に捨てられた」「屋根裏の長い髪」とくれば、お岩さん系怪談話だと容易に想像つくけれど、これはそんなところに留まるような生易しいものでは無かった(-.-)。10代前半から身も心も捧げてきた相手に捨てられ、その相手は既に彼女がいるような奴。恋人であった長い期間の間に伸ばされた黒髪はいいことも悪いことも、幸せも不幸せも全て記憶している。あまりにも重い記憶が、持ち主本人の意思を無視した形で復讐に飛び回る。本人に意識が無い(死んでる)から復讐はただのテロとなり見えるものは全て敵となる。

なんと悲惨な…

#06-1 黴

あらすじ

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自宅を新築した途端、海外赴任が決まった赤坂は弟が無理に進めてきた嫌いな教師、呂木に自宅を貸すことに。日が経ち、予定よりも早く帰国した赤坂はまっすぐ自宅に向かうが、新しいはずの家の中はゴミ屋敷のようになり壁は辺り一面、黒い黴に覆われていた ─

感想

ただただ管理が悪かったのか、陰気な教師一家が巻き散らしたのか、黒い黴に覆われてしまった真っ新な新築住居。気の毒としか言いようがないけれど、陰気な人間はその中身も黴でできており、それが複数集まれば染み出してくるように広がっていく─という事なのだろうか?
かれらがそれに囚われの身になっているのは仕方ないにしても、デキる男、赤坂までもあんなことになるとは(;O;)
恐ろしや、カビ菌…

#06-2 蔵書幻影

あらすじ

子どもの頃から本に囲まれ本を読み、欠かさず日記を書いてきた五郎。蔵書を愛する彼は最近、蔵書の中の一冊の本が無くなったことに気が付いてパニックに陥る。あまりの異常な言動に恋人、香子は心配するが ─

感想

物を大事にすることはいいことだけど、それに囚われ執着し、その世界にのみ生きるのはかなり危険なことだと訴えてくる。読書はいろいろな世界や考え方を旅することが出来るはずなのに、五郎は何を誤ったのか。
やはり旅には仲間が必要ということなのか。人は一人では生きていけないものなのだと


さいごに

以上、前半6エピソード、10タイトルのあらすじと感想でした。
今回のNetflixアニメ「マニアック」の前には2018年にアニメ化された「コレクション」というシリーズがあります。数年前にU-NEXTで観たんだけれど、初っ端作品登場人物の少年のあまりの気持ち悪さに記憶から消し去っていたみたい(-ω-) この少年は本作「#04-1四重壁の部屋」にも登場する弟、双一で、顔付といい、声といい、話し方といい、やることなすこと気味悪い。本作同様「コレクション#1」でもその不気味さを遺憾なく発揮していますので、機会があればぜひご覧ください。まったくお勧めしませんけれど(-.-)
でも、この「コレクション」を視たくてU-NEXTに入ったんだよな~、当時の私は(‘ω’)

  
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