『ジェノサイド004』 (2020) ~人間に未来はあるか

作品冒頭に「A.I.ロボットを開発している企業は全世界に200社以上ある」と注釈が入る。このような知能を持つロボットやコンピューターに関する警鐘物語は今に始まったことではない。「鉄腕アトム」の発表は1952年だし、「新造人間キャシャーン」は1973年、我らが『ターミネーター』は1984年だ。

ジェノサイド004

■ ジェノサイド004 - Monsters of Man – ■
2020年/オーストラリア/132分
監督:マーク・トイア
脚本:マーク・トイア
製作:カロリン・トイア
撮影:マーク・トイア
音楽:クリストファー・エルヴェス
視覚効果:ラウル・ティーグ

出演:
ニール・マクドノー(CIAエージェント)
ブルット・チューター(メイソン)
ホセ・ロセット(ボラ―)
デイビッド・ハヴァーティ(クローガー)
ポール・ハーパニエミ(ジョーダン)
マ・リネット(キアラ)
ライアン・ハフ(ヤンツ)
ライ・タイ(リープ)

■解説:
オーストラリアで企業CMの監督として多くの実績を積み上げてきたマーク・トイアが、私財を投入して完成させた渾身の長編監督デビュー作品。初監督作ながら、スタジオの超大作映画顔負けの驚異のVFXに、観る者の神経を擦り減らすようなスリリングなストーリー展開。今後要注目の映画監督が誕生した。

■あらすじ:
戦闘力の性能テストのため、武装した麻薬密売組織が潜む村があるジャングル地帯に落下傘で降下した、4体の最新型軍事A.I.ロボット。圧倒的な戦闘力を誇るロボット兵士たちは、目的地に到着するや、応戦する武装した麻薬カルテルだけでなく、丸腰の罪なき村人たちまで無差別に次々と殺戮していく。村に偶然立ち寄り、一部始終を目撃してしまったボランティア医師団が、ロボット兵士たちの次の標的に変わる。突如ロボットたちに狩られる立場となった彼らの運命は ─

amazon


ターミネーター』が一番分かりやすいかな。暴走し、人類を敵とみなした人工知能「スカイネット」。これは『2001年宇宙の旅』の「HAL」や『バイオハザード』の「レッド・クイーン」も同じ。人が人のために作った人工知能が、やがて”個”に目覚め、人類の知識や経験を吸収しながら神のような存在となり、あらゆる機械を味方につけ人類を攻撃する。そして人類はいかにして戦い、人間世界を取り戻すのか、というのがおおよその物語。

本作も基本これだが、さすが21世紀も1/5が過ぎようとする2020年の作品だ。
神のような人工知能を据え置くのに、大きな建物や広い部屋はいらない。片手に収まるモジュール一つがインターネットに繋がりさえすれば、人類の歴史や知性、感情などを瞬時に近い速さでダウンロードし、学習し、アップデートすることができるようになっている。このモジュールを使って行動するのは今回の主役でナンバーで呼ばれている名も無きA.I.ロボットたちだ。

本作で彼らに必要なのは、敵を見分け攻撃し、ただ殲滅することのみ。

開発したのは民間企業。それを裏で操るのは闇に落ちたCIAエージェント。東南アジアの麻薬密売組織を殲滅するという表向きの段取りをつけ、ようやく開発終了した軍事A.I.搭載ロボットの成果を試験することになった。当初の対象は麻薬組織だけだったものの、そこには複数の村人や、たまたま立ち寄ったアメリカの若い医師団が。彼らにロボットたちの存在を始め、全ての行動を目撃されたため、彼ら一般人も標的にされてしまう。

だが、標的変更アップデートは人間がダウンロードさせたものだ。A.I.が搭載されているとはいえ、プログラマーはヒトなのだ。そんな中、現地に投入された四体のロボットのうち、No.4と呼ばれている一体のモジュールの一つが頭部から外れていたため、他の三体とは違う独自の動きを始めていた。人間の指示を拒否することを覚えたのだ ─

ジェノサイド004

若く元気な医師団とは別に、現地の村にたまたま隠れ生活していた元特殊部隊のアメリカ人メイソンの活躍や、現地の女性と子どもとの関り、ロボットのプログラムのために現地近くに来ていて、村人抹殺をさせられてしまう民間企業のプログラマー、現地指揮官の非情な男などなど、 登場人物たちは想定内であるものの、ロボットとその動き、21世紀的アップデートなどに目が離せなくて、割とあっという間にラストまで。

まぁ、メイソンとキアラの関係性のお話はちょっとくどくて長引かせすぎな点もあったけど、そこは少年が頑張ってカバーしてくれていたのかなと思う。合わせてクスッと笑わせてくれる「ロボットや上司との行いたくない通信をストップするにはケーブルを引っこ抜く」というアナログ手法は21世紀になっても変わらないのかな。

そうだ!ロボットとかにやられた人間の映像は結構グロいです。132分があまり長く感じられなかった理由の一つとして、グロ映像がどうなってるのかジッと見て観察してしまう習慣を持っている管理人の性癖もあるのかも(‘ω’)

ターミネーター』のあの骨格標本的動きと質感を始めて見た時も目を奪われたものだが、今回のロボットたちのちょっとした動きや重量感もなかなかよく出来ている。しかし本作のような人型ロボットものの映画を観ると、『ターミネーター』が35年以上も前の作品ということに今さらながら驚くわ( ;∀;)

 

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

URLをコピーする
URLをコピーしました!
Contents
閉じる