楽しみにしていた『ラストナイト・イン・ソーホー 』(2021)

映画館に観に行きたかったけど諸事情で行けなくてレンタルが始まるのを心待ちにしていた本作『ラストナイト・イン・ソーホー 』。想像していたのとはちょっと違っていたけれど、最後まで普通に楽しめた。ポイントは「過度な期待は禁物、アニャを楽しむ」の2点(‘ω’)だよ

■ ラストナイト・イン・ソーホー  – Last Night In Soho – ■

Last-Night-In-Soho

2021年/イギリス/115分
監督:エドガー・ライト
脚本:エドガー・ライト他
原案:エドガー・ライト
製作:ティム・ビーヴァン他
撮影:チョン・ジョンフン
音楽:スティーヴン・プライス

出演:
トーマシン・マッケンジー(エロイーズ・ターナー)
アニャ・テイラー=ジョイ(サンディ)
マット・スミス(ジャック)
ダイアナ・リグ(ミス・コリンズ)
リタ・トゥシンハム(ペギー・ターナー)
テレンス・スタンプ(銀髪の男)
マイケル・アジャオ(ジョン)
シノヴェ・カールセン(ジョカスタ)
リサ・マクグリリス(女性刑事)

■解説:
イギリスのサイコロジカルホラー映画。エドガー・ライトが監督、ライトの原案からライトとクリスティ・ウィルソン=ケアンズが脚本を務める。2020年9月に死去したダイアナ・リグと2020年10月に死去したマーガレット・ノーランの最後の映画出演作となる。

Wikipedia


ロンドンでファッション関係でがんばる現代の娘と60年代に生きた歌手でがんばりたい娘が出会う?中に入る?60年代の娘の危機を現代の娘が助ける?同一人物?死んだ母親?『バック・トゥ・ザ・フューチャー』!?
とかって、いろいろ想像してはとても楽しみにしていた60年代キラキラの本作をようやく観ることが。

ちょっとオカルト的能力のある現代の娘エロイーズが、夢で見た60年代に生きるサンディの世界に引きずり込まれる謎とミステリー(同じや(-.-) の連鎖から、だんだんと分かってくるサンディの夢と生きざま、正体…。
これはネタバレしたらあかんやつなので、まずはざっとあらすじを

Contents

あらすじ

デザイナーを夢見てファッションの学校に入学するため地方からロンドンに到着したエロイーズ。学校の寮に入ったものの都会の派手であけすけな女の子たちに全く馴染めず、寂れたグージ通りのアパートを一人で借りて移り住む。古い建物のオーナーはコリンズ夫人。少し不便はあったものの気持ちのいい生活が始まった。だが、初日の夜からまるで目の前で起きているかのような60年代のロンドンを舞台に歌手を夢見る同年代の娘サンディの夢を見るようになる。

Last-Night-In-Soho

夢の間は彼女と同化するようにして彼女の毎日を一緒に体験することが出来る。華やかなショービジネスの世界に虜になりはじめたエロイーズは、髪の色や服装をサンディを手本に真似て、学校でのドレスデザインにも応用し認められていく。
だが反対にサンディは華やかな最初の登場時とは異なり、歌手や女優とはかけ離れたバーの踊り子や娼婦まがいの男性の接待などをやらされ、どんどんやさぐれていく。そんなある日、エロイーズは彼女が男にナイフで刺され殺される場面を目の前で目撃する ─


見どころと感想

60年代ロンドン サンディ

このエロイーズとサンディの関係。ファッションデザイナーとショービジネスと少し違いはあれど、若い娘が大きく派手で華やかな舞台での成功を夢見て日々努力しているというところに共通点がある。でもエロイーズにとっては華やかで美しく周囲の男を虜にしていくサンディは既に成功している人に見える。あとは大きなチャンスを掴むだけ。そのチャンスを掴むためにロンドンの夜の街に堂々と一人で出かけ、男たちを手玉に取り流れるように生きている彼女にどれだけ憧れたことか。だから、このサンディの成功を見ることをやめられなくなるエロイーズ。
それは彼女の夢でもあったからだ。

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ところが
きらびやかな60年代のロンドンショービズ界で力を持つジャックと知り合い、彼をマネージャーとすることが出来たはずのサンディの日々に暗雲が立ち込め始める。より大きな舞台に、より大きな相手と、仕事を進められるはずだったのに現実はその真逆に。露出の多い衣装を着せられ、派手なメイクで大勢の踊り子の一人としていかがわしいダンスをしては、一線を越える男性への接待を暴力で課せられる毎日になっていく。

その全てをサンディの目を通して体験、目撃していくエロイーズ。
男性に対する恐怖心は自分がロンドンを初めて訪れた時に感じた恐怖そのもの。高価なスーツを着て葉巻をくゆらせ、紳士と呼ばれる男性たちの自分を見る独特の目つき。故郷の男性には感じたことの無い、初老でありながらギラギラした目つきに恐れおののくサンディとエロイーズはここでも同化する。

そしてとうとうナイフで刺され血まみれになったサンディを目撃した時、エロイーズはサンディが実在の人物だと確信する。この同じアパートの部屋で暮らしたサンディ。この部屋のベッドで殺されたサンディ。夢と希望をロンドンの男たちに砕かれ、その命さえも奪われたサンディ。エロイーズはこのままにしておくことは出来なかった。

Last-Night-In-Soho

現代ロンドン エロイーズ

さて、ここから物語は大きく方向転換。夢見るロンドン娘から真実を追求する都会の探偵物語になっていく。けれど「真実」というものは大体の場合、暗く汚く隠しておいた方が良かったものまでも表にあぶりだすことが多い。元々、あの世の住人をみることが出来る体質のエロイーズは、やさぐれ苦しむサンディや60年代に生きた人々のいい夢も悪い考えも全て見通してしまい、調査を進めるたびに自分自身を相当苦しめる羽目になる。

それでもサンディの真実、努力し生きた真実を、彼女の夢を砕いた犯人を、同年代の自分に重ねて追及することがやめられない。そしてラスト近く、とうとうそれは目の前に姿を現す。地方から出てきた小娘にはとても対処のできなさそうな、とても大きな姿で ─


ラスト ロンドン

ここまで進んだらラストまであと少し。
ここからはエロイーズ同様、観ているこちら側も現実を突きつけられる。夢も希望も打ち砕かれ、ホラーちっくなドリームミステリーからクライムサスペンスへと変貌する『ラストナイト・イン・ソーホー』。ここでがっかりした者は、華やかな都会に夢と希望があると信じている若者だ。
でもそれは間違っていない。例えその場所がどんなところだろうと夢と希望があるからこそ日々を生きていける。年齢や環境や目指すものは関係ない。

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今日と違う明日を生きたいと思う、その気持ちだけ。

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