『マザーハウス 恐怖の使者』(2013) - La casa del fin de los tiempos

何かが巣くう怖い家シリーズかと思っていましたが、やっぱり違いましたよ..(また) 原因である“何か”の正体は分からないものの、ホラー仕立てで散々怖がらせながら始まり進んでいく物語が、やがて感動のフィナーレを迎えていくあたり、1粒で3度ほど美味しい作品であることは変わらない。ホラーだからと観ないでおくと勿体ないかも(-ω-)

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■ マザーハウス 恐怖の使者 - La casa del fin de los tiempos – ■
2013年/ベネズエラ/101分
監督・ 脚本・製作:アレハンドロ・イダルゴ
撮影:チェザリー・ヤヴォルスキ
音楽:ヨンカルロス・メディナ
 
出演:
ルディー・ロドリゲス
ゴンサーロ・クベロ
ロスメル・ブスタマンテ
ギジェルモ・ガルシア

解説:
FANTASIAで話題騒然、スクリームフェストで最優秀作品賞を受賞など世界中のホラー映画祭で数々の賞を受賞した衝撃作! ホラー映画史上、最もショッキングなラスト! 30年前の一家惨劇、行方不明の長男は…! ? 『アザーズ』『インシディアス』『死霊館』などの<家の中に何かがいる>シチュエーションが、中盤以降、予想もつかないスリルと感動に変わる。 また“時”を巡る斬新なストーリー展開に息をのまずにいられない。特に後半30分、3つの時間軸が同時に家の中で起こるシーンから目が離せない。

あらすじ:
1981年のベネズエラ。 ドゥルセは失業中の夫と2人の息子の4人で、ささやかな生活を送っていた。11月11日、兄弟が遊んでいた最中の不幸な事故で、弟ロドリゴは亡くなってしまう。その日の深夜11時過ぎ、家の中で夫ホセは殺され、長男のレオポルドがこつ然と姿を消す。彼女は警察に逮捕され、夫と息子を殺害したとして終身刑を言い渡される。 2011年11月―30年ぶりにドゥルセが保釈され、自宅である家に戻ってきた。保釈された老女のカウンセリングを担当することになった神父は、30年前の事件の謎に迫っていくことになる ―
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今年に入って『喰らう家』で失敗してからというもの、“ハウス”ホラーには気をつけねば・・と自戒していた管理人momorexさん。だというのにどうしても気になっていた本作『マザーハウス 恐怖の使者』。何度も予告編を見ては「スパニッシュ・ホラーか~。なら、イケるかも」とか勘違いをしつつ、とうとう借りてみた。
製作国はベネズエラ。正しくはスパニッシュ・ホラーじゃ無いんだけれど、スペイン色が色濃く伝承されて、あのメキシコ出身ギレルモ・デル・トロ監督のホラー作品もスパニッシュな感じですよねー。
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スパニッシュ・ホラーの特徴は唯々怖がらせるだけの明るいホラーじゃなくて、「家族の絆」を失う、または取り戻すというのがベースになっていると思ってる(観ているものが偏っているので、とても偏った見方であります(-.-))。それにスペイン(もしくは影響国)の歴史的、時代的背景が重くのしかかり、陰鬱で暗い画面が続いていく。そしていつも被害者は“こども”..。そしてそれを守るのは“母親”の存在 ―。
そこに生まれる恐怖と母性の物語
本作もそうです。

家族が安心して毎日生活する家。その家族を守るはずの自宅にある日、得体の知れない何者かが侵入してきたとしたら?その何者かはナイフを振りかざし部屋の扉を順に開けようとしていく。部屋の鍵を閉めて息を殺すように身体を潜めていても、その何かは見透かすようにドアノブをガチャガチャと回し、扉を容赦なくどんどんと叩き、隠れている者を恐怖のどん底に。
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傷を負い、侵入者に怯えながらも、家族がバラバラに隠れてしまったがために、大事な息子たちを探し回る母親ドゥルセ。しかし彼女は発見してしまう。殺されてしまった夫の無残な姿を。そして行方不明になってしまった長男レオ。それらは全て彼女の罪となり、彼女は終身刑を受け収監。その30年後、高齢収監者に対する恩赦で保釈、あの忌まわしい自宅に軟禁されることになったドゥルセ。
この家は、その後30年もの間どうなっていたのだろうか?あの時の侵入者は?いなくなった息子は?

―― 恐怖の家はまだ息づいていた。そしてドゥルセの帰りを待っていたのだ。
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さて、ここからは自由に動くことの出来る地元の神父さんがドゥルセの代わりになって謎を探っていく展開に。その間もドゥルセはこの家でそれはそれは怖い目に。神父はドゥルセの話を聞いて、かつての家の住人を調べていくが、この家では失踪事件が相次いでいることが判明する。それらは全て未解決となっており、いなくなった家族は行方不明のままだ。だが、ここに一つのキーワードが。
30年おき
1890年に建設されてから、建設者自らを含め30年おきに起きる失踪事件。ドゥルセの事件もその周期。この家に纏わる呪いと謎とは ―
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そして、この呪われた屋敷の話がどうやって感動の物語になっていくのかは、観た人だけのお楽しみ。どうぞご覧を

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